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HOWL BE QUIET、バンドが老若男女に届きづらい時代へ反逆

HOWL BE QUIET
テキスト
矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
2016/11/16
HOWL BE QUIET、バンドが老若男女に届きづらい時代へ反逆

キャーキャー言われるアイドルになりたいわけではない

「俺らはアイドルになろうと思ったんです」。メジャーデビュー前の取材で、そう発言した4人組、HOWL BE QUIET(2016年の台風の目になるか? バンドを捨てたHOWL BE QUIET)。今年の3月にシングル『MONSTER WORLD』でメジャー進出を果たした後、続いて8月に2ndシングル『Wake We Up』をリリースし、着実にライブの動員数を増やしてきた。

CINRA.NETにてレポートしたデビュー前のライブ(アイドルになりたいと語るHOWL BE QUIET、ライブで真意を問う)で、すでに約500人キャパの渋谷WWWを満員にしていたが、9月11日、渋谷WWWの倍ほどの大きさである恵比寿リキッドルームにて開催されたワンマンライブ『Wake We Up! Special One Man Live!!』は、チケットがソールドアウト。

HOWL BE QUIET

この日は、デビュー前から掲げている「アイドルになりたい」という言葉の奥にある真意を、改めてはっきりと示すために開催されたかのようなライブだった。ここからさらに遠くへと飛んでいくために、自分たちの足元をもう一度固めたこの日のライブから、「HOWL BE QUIETの表現」を紐解いていきたい。HOWL BE QUIETは、ビジュアルで人気を獲得したり、若い女子からキャーキャー言われたり、サイン会や握手会で人を集めたりするような、そんな「チヤホヤ」がほしくて「アイドル」という目標に掲げているわけでは、決してない。

HOWL BE QUIETが考える、「アイドル」にはできて「バンド」ではタブーとされること

満員のフロアには10代の女子や親子連れ、そして男性の姿も多く見られた。開演前からオーディエンスの顔には期待溢れた笑顔が浮かぶなか、紗幕に「HOWL BE QUIET」とライブタイトルの文字がカラフルに映し出されると、2ndシングル“Wake We Up”でライブはスタート。

続くは、1stシングルのカップリング曲である“Daily Darling”。サビで、竹縄(Vo,Gt,Pf)がお客さんも簡単に真似できる振り付けを踊ったかと思えば、間奏ではジャジーなピアノソロを響かせる。そしてソロを弾き終えた直後には、クラップでフロアを煽る。この3分間は、まさにHOWL BE QUIETの意志が詰め込まれている1曲と言ってもいい。ロックバンドにとっての「掟」や「タブー」なんてものは無視して、なんでもかんでもやってやりたい。それこそが、「アイドルになりたい」という言葉の奥にある彼らの真意なのだ。

中盤では、ピアノが映えるバラードを聴かせながら、途中のブレイクで四人のバンドとしての一体感を爆発させた“GOOD BYE”や、竹縄のアカペラから始まり、前半はピアノと岩野(Dr)が叩くパッドだけのミニマルなサウンドのなかで歌を引き立たせた“バトルナイフ”など、多種多様な4曲を立て続けに披露。

なにかひとつのジャンルに捉われるのではなく、ロックも、ジャズも、バラードも、エレクトロも、全部を混ぜ込みながら「歌」を聴かせたい。真逆の意味を持つ「HOWL(喚く)」と「QUIET(静か)」をつなぎ合わせたそのバンド名は、竹縄が書く楽曲の振り幅の広さから由来しているという。今の日本の音楽シーンにおいて、それほど多彩な音楽性をひとつのグループとして実現できているのは、「J-ROCK」の枠組みではなく、「アイドル」とされるジャンルだと考えたからこそ、彼らは「アイドル」を憧れとして掲げているのだ。

竹縄航太
竹縄航太

“GOOD BYE” / 写真家・奥山由之の初MV監督作品

「バンド」が、国民的ソングを生み出しづらくなった今の時代を変える

冒頭で挙げたデビュー前の取材で、黒木(Gt)はこうも言っていた。「僕らは今のバンドシーンが大嫌いだから」。彼らのこういった強い発言は、ストレートに受け取られてしまうと、誤解を招く恐れもあると思う。なぜなら、HOWL BE QUIETの四人は、歌が好きで、楽器が好きで、演奏が好きで、「バンド」というものに大きな愛があるのだ。

だからこそ、「バンド」という存在がお茶の間で薄れてしまい、昔に比べると子どもたちにとっての「夢」から遠ざかった今の時代に、改めてその価値を示そうとしている。「バンド」を、一部のバンドカルチャー好きな層のためのものではなく、老若男女に届くものに変えていきたいという想いも、「アイドルになりたい」という言葉の奥にある真意だと言える。

黒木健志
黒木健志

HOWL BE QUIET

アンコールでは、「どうしても歌いたい曲がある」と言って、当時はまだ未完成状態だった新曲“サネカズラ”を、竹縄が一人で披露。この楽曲は、12月に3rdシングルとしてリリースされる。

1stと2ndシングルは、言葉が詰め込まれすぎていて少し歌詞が聴き取りづらかったり、口ずさみづらい部分もあったように思う。しかし、3rdシングルとしてリリースされるミドルテンポのバラードは、この日のライブで初めて聴いたにもかかわらず、すべての歌詞を聴き取ることができる歌だった。この楽曲はまた、HOWL BE QUIETにとって新たな扉を開く1曲となるのだろう。

HOWL BE QUIET

賛否両論さえも、ひとつのチャンスに

HOWL BE QUIETは、この先も「アイドルになりたい」というポリシーを掲げながら、バンドの「当たり前」を壊していこうとする。たとえばYouTubeのコメント欄に、「K-POPっぽい」と批判的に書かれたりもするように(実際そういったコメントを目にした本人たちは喜んでいたが)、一見異端とも思われてしまう表現を追究しているからこそ、この先も賛否両論を巻き起すことがあるだろう。しかし、彼らの軸には明確な意志と確かな演奏力があるからこそ、どこまでも挑戦を続けてほしいと思う。

バラエティー番組にも出演しながら、バンドとしての音楽的な質の高さは保ち、今でも歌い継がれる名曲を生み出した、かつてのお茶の間の人気者・クレイジーキャッツのように。「シェイクシェイク」と口ずさめば、ほとんどの人が「ブギーな胸騒ぎ」とその続きも歌えるほどの国民的楽曲を持つ、竹縄のルーツにあるSMAPのように。HOWL BE QUIETの歩みは、まだまだ大きな夢へと続いていく。

イベント情報

HOWL BE QUIET
『Wake We Up! Special One Man Live!!』

2016年9月11日(日)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

リリース情報

HOWL BE QUIET『サネカズラ』DAYS盤
HOWL BE QUIET
『サネカズラ』DAYS盤(CD)

2016年12月14日(水)発売
価格:1,296円(税込)
PCCA-04459

1. サネカズラ
2. Higher Climber
3. Dousite

HOWL BE QUIET『サネカズラ』通常盤
HOWL BE QUIET
『サネカズラ』通常盤(CD)

2016年12月14日(水)発売
価格:1,296円(税込)
PCCA-04458

1. サネカズラ
2. Higher Climber
3. Dousite

イベント情報

『Eggs×CINRA presents exPoP!!!!! volume92』

2016年12月22日(木)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
HOWL BE QUIET
and more
料金:無料(2ドリンク別)

HOWL BE QUIET
『Re:ACTION ~Answer 1~』

2016年12月14日(水)
会場:大阪府 梅田 Shangri-La
出演:
ONIGAWARA
HOWL BE QUIET

2016年12月15日(木)
会場:愛知県 名古屋 ell.FITS ALL
出演:
Brian the Sun
HOWL BE QUIET

2016年12月20日(火)
会場:東京都 渋谷 WWW
出演:
メレンゲ
HOWL BE QUIET

料金:各公演 3,000円(ドリンク別)

プロフィール

HOWL BE QUIET
HOWL BE QUIET(はうる びー くわいえっと)

竹縄航太(Vo,Gt,Pf)、黒木健志(Gt)、橋本佳紀(Ba)、岩野亨(Dr)の4人からなる神奈川県出身ピアノロックバンド。2010年結成。作詞、作曲は竹縄が担当。圧倒的な曲の世界観と歌詞で多くのリスナーからの支持を得ており、2013年12月には初のアルバム『DECEMBER』をリリースし「タワレコメン」を獲得。11月には『BIRDCAGE EP』をリリース、リード曲”ライブオアライブ”は曽田正人原作『テンプリズム』とコラボレーションを果たし、音楽ファン以外にも高く評価され話題を集めた。2016年3月、ポニーキャニオンよりメジャーデビュー。12月14日には、3rdシングル『サネカズラ』がリリースされる。

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