レビュー

学芸会からの卒業? 話題の「エビ中」、アクセル全開のワンマンライブ

南波一海
学芸会からの卒業? 話題の「エビ中」、アクセル全開のワンマンライブ

平均年齢13.7歳の9人組グループ、私立恵比寿中学(以下エビ中)が、インディーズ期ラストとなるワンマンライブを赤坂BLITZにて行なった。その2部公演の第1部「うっかり学芸会〜ウソついたらえびせんドーン!」のレポートをお送りする。

ステージは昨年10月に初ワンマンライブを行った渋谷O-EAST公演以来の立体的なセットだ。いつもの出囃子に合わせ登場したエビ中の面々だったが、その表情に固さはなく、むしろ満遍の笑みを浮かべている。1曲目は“えびぞりダイアモンド!! ”。サビ終わりに「わー!」という身も蓋もない掛け声が入る楽曲で、開演前から並々ならぬ雰囲気が漂っていた客席の盛り上がりは、そのコールと共にいきなりピークに達する。続いて、メンバーと共に声をあげて1週間を駆け巡る“エビ中一週間”。この2曲でメンバーはその場にいるすべての人の心を掴んでみせた。

(写真は第2部『ちゃっかり学芸会 〜よせばいいのに赤坂リフレイン〜』より)
(写真は第2部『ちゃっかり学芸会 〜よせばいいのに赤坂リフレイン〜』より)

MCでは定番の自己紹介から。MCのまとめ役である杏野なつの声が明らかに張っていて、その興奮と熱意がこちらに伝わってくる。それが伝染したかのように、メンバーが次々と大きな声で自己紹介のフレーズを見せていく。なかでも「気合を持ってきましたか!? ハイテンションを持ってきましたか!?」と観客を煽る「ハイテンションガール」こと真山りかの力は特に漲っていた。

その間にセットが外され、フラットになったステージで披露されたのがメジャーデビュー曲“仮契約のシンデレラ”。流麗なメロディとはつらつさ、ユーモアが混ざり合う、彼女たちの魅力を存分に引き出した傑作である。途中でワルツが繰り出されるトリッキーな展開もあるこの曲だが、メンバーたちは広いステージで映えるダンスでもって観客を魅了する。歌声もいつにも増して伸びやかで、「King of 学芸会」なんていうキャッチフレーズは最早ふさわしくないほどしっかりしている。

印象的だったのは暗転時の舞台設営。雨の音のSEのなか、レインコートを着て傘を差した人たちがステージを作っていく。勘の良い人ならピンときたことだろう、ややシリアスに聴かせることで異質の魅力を放つ名曲“どしゃぶりリグレット”に入っていくための演出だ。BLITZを埋め尽くした観客が曲に合わせてパチ、パチと手を打つ音もまるで雨のように響いていた。


途中、メンバーもこの日が初見だったという“仮契約のシンデレラ”のミュージックビデオの披露を挟みつつ、後半からは盛り上がりがさらに加速していく。いわゆるタオル曲(会場全体がタオルを使った振り付けで一丸に!)“揚げろ!エビフライ”、『らき☆すた』のカバー曲“かえして!ニーソックス”で場内は再びヒートアップ、過剰にスピーディなキラーチューン“ザ・ティッシュ〜とまらない青春〜”では狂騒的な盛り上がりを見せるなか、上からティッシュが降ってくるという仕掛けも繰り出された。終盤の定番曲“永遠に中学生”と、ポジティブで感動的な“チャイム!”を歌い上げ、本編はひとまず閉幕。

廣田あいか
廣田あいか

アンコールでは、エビ中のマスコット的存在「ぁぃぁぃ」こと廣田あいかがサングラスをかけて登場。「日本の皆さんこんにちは! 私はワールドツアーの真っ最中です。」とカタコトらしき日本語を話し、どうやらあの世界的に有名な歌姫へのオマージュ…? と匂わせところで新曲“歌え!踊れ!エビーダダ!”を初披露。下世話さも感じさせるバキバキのエレクトロナンバーだ。メンバーそれぞれのキャラが如実に出まくったラップパートが超ユニーク。特にサングラスが明らかにオーバーサイズで、何度も上げながら歌うぁぃぁぃはユーモラスでかわいらしかった。ラストは、泣く子も黙るメタルナンバー“放課後ゲタ箱ロッケンロールMX”。ほうきをギターのように扱う中学生マナー(?)を取り入れたダンスに対し、ファンはXジャンプにも似た(というより同じ!)「MXジャンプ」で応じ、初っぱなでいきなり頂点に達した会場の空気が、再び最高潮まで昇ったところでライブは幕を閉じた。

(写真は第2部『ちゃっかり学芸会 〜よせばいいのに赤坂リフレイン〜』より)
(写真は第2部『ちゃっかり学芸会 〜よせばいいのに赤坂リフレイン〜』より)

今、最も熱い現場のひとつとも言われるエビ中のライブ。この日はそのことをしかと証明する圧巻のパフォーマンスだった。見ていて楽しい。ワクワクする。そういったシンプルな言葉が似つかわしい、純度の高さのようなものがエビ中の最大の魅力だろう。そして、その輝きは、ここへきて急速に増している。2部の公演では7月に今回の規模を大きく上回る日本青年館でワンマンライブ『じゃあ・ベストテン』を行うことも発表された。日を追うごとに進化を見せる彼女たちは、夏にはどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。想像にも及ばないが、楽しみに待ちたいと思う。

リリース情報

私立恵比寿中学
『仮契約のシンデレラ』初回生産限定エー盤

2012年5月5日発売
価格:1,200円(税込)
DFCL-1885

1. 仮契約のシンデレラ
2. 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX
3. 揚げろ!エビフライ
4. 仮契約のシンデレラ(Less Vocal)
5. 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX(Less Vocal)
6. 揚げろ!エビフライ(Less Vocal)
※トレーディングカード9種のうち1種ランダム封入

プロフィール

私立恵比寿中学

柴咲コウ、北川景子を擁するスターダストプロモーション芸能3部に所属する「3B-junior」 からの選抜9名で2009年に結成された、現役中学生による平均年齢13.7歳のアイドルユニット。通称『King Of Gakugeeeekai』。最近クオリティが上がったとお褒めの言葉を頂きつつ、まだまだキレのないダンスと不安定な歌唱力すら許されるキャッチーさと人畜無害なキャラクターは唯一無二!ライヴをみれば必ず幸せな気分になれる、応援したくなる、そしてバラバラな個性がキセキの化学反応を起こしつづける現代っ子集団、それ「エビ中」。

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