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当真伊都子インタビュー
高木正勝作品のボーカリストとして知られるシンガー兼ピアニスト、当真伊都子が初のソロ・アルバム『dreamtime』を発表した。ピアノの弾き語りというシンプルなスタイルを選択し、プライベートな録音環境でレコーディングが行われた本作は、彼女の囁くような美しい歌声とピアノが堪能できると同時に、深い森の中に迷い込んだかのような安心と不安が同居する不思議な感覚を味わえる作品である。そしてもうひとつ、本作は当真伊都子という音楽家が初めてリスナーと正面から向き合い、正直な自分の心を歌い始めるまでの、感動的なドキュメントでもあるのだ。そんな音楽家としての本当のスタート・ラインに立った彼女の、現在の心境を訊く。
(インタビュー・テキスト:金子厚武)
1977 年生まれ。岡山県出身。4 歳の誕生日よりピアノを弾き始める。ライブでフロントをつとめたことがきっかけとなり、高木正勝の作品(rehome, sail, COIEDA)にヴォーカルとして参加。
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高木正勝さんは、自分で言葉や音を選ぶ面白さに気付かせて下さいました。
―「4歳の誕生日よりピアノを弾き始めた」とのことですが、それはどのようなシチュエーションだったのでしょうか?
当真:音楽を聴く事、演奏する事が大好きな両親の元に生まれ、ピアノがある環境で育ちました。母が「この子は指が長いからピアノに向いている」と思ったらしく、勧めてくれたようです。
―音楽家としてのキャリアを簡単に振り返っていただけますか? 元々はボーカリストではなかったそうですが?
当真:ピアノを弾き始めた頃から、クラシックを演奏してきました。ソロであったり、アンサンブルであったり、今も演奏しています。曲を作り始めたのは、高木さんの作品に参加してからです。それまでは誰かの作品を演奏することばかりしていましたが、自分の歌を歌い、自分のピアノを演奏するようになりました。

―高木さんの作品への参加は当真さんにとってどんな体験であり、なぜ自分の歌・ピアノへと向かわせたのでしょう?
当真:高木さんは、自分で言葉や音を選ぶ面白さに気付かせて下さいました。それまで自分では開いた事のなかった引き出しを開いて下さったんです。
―高木さんとのそもそもの出会いは? また、高木さんの作品にはどのような印象をお持ちですか?
当真:出会ったのは、高木さんが岡山でライブをなさったとき、私がその頃所属していたバンドでフロント演奏を務めたんです。高木さんの作品は愛情深く、また力強さを感じます。
―影響を受けた音楽家は?
当真:キース・ジャレット、ニック・ドレイク、ザ・ビートルズ、シューマンです。
「自然はいつもそこにある」という安心と信頼、そして、自然はあなた(聴いて下さる方々)のそばにもある、という思いです。
―『dreamtime』にコンセプトのようなものはありますか?
当真:正直に申しますと、特にはありませんでした。ただ、ライブで聴いてもらうのではなく、プライベートな時間に聴いてもらうということを常に意識していました。自分が部屋で音楽を聴いているときと同じように、私の音楽を聴いて下さる方々にそっと寄り添える音楽とはどういう音楽だろう? ということを考えながら、録音していました。
―「ヒーリング、癒し」といった観点で語られることも多いかと思いますが、ご自身では自分の音楽をどのように捉えていますか?
当真:素朴、ですね。
―ピアノでの弾き語りという形式を選んだのはなぜですか?
当真:コントロールし易いからです。まだまだ表現力が不足しているので、人を演奏で引っ張るということが難しいんですよね。深く息を吸いたくなったり、吸いたい息を我慢したくなったり、記号などで示す事が困難な気持ちを、弾き語りであれば自分で調整しつつ演奏することができるので。
―「限りなくプライベートな録音環境」で録音されたとのことですが、具体的にはどのような環境で録音されたのですか?
当真:自宅や知人宅など、馴染みの深い場所です。自分が落ち着くことのできる場所・時間で録音しました。
―ボーカリストとして心がけていることは?
当真:力を抜くこと、周りの音をよく聴いて混ざろうとすること、整え過ぎないこと、好きな歌声を聴くこと、香りを吸い込むように聴くことです。
―人間と自然との関係性を詩的に描いた歌詞が非常に印象的です。歌詞の背景にはどのような思いがあるのでしょう?
当真:「自然はいつもそこにある」という安心と信頼、そして、自然はあなた(聴いて下さる方々)のそばにもある、という思いです。音楽に包まれることによって、見ている景色が変わると良いなと願っています。



































