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Suchmosが夢見る成功は、まだ先にある。次世代への意識を語る

Suchmosが夢見る成功は、まだ先にある。次世代への意識を語る

Suchmos『THE KIDS』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人 編集:矢島由佳子
2017/01/25
  • 599

いきなりみんながハッピーになるのは絶対無理。でも、今はなにか波乱が起こりそうな時代だと思う。

―『THE KIDS』には、それだけSuchmosそのものがすべて詰まっているということですよね。

YONCE:今までになく、六人それぞれのルーツに忠実なアルバムになったと思います。俺はよりわかりやすくロックしてるし、健人(OK / Dr)はトラックっぽいドラミングをしてる曲があったり、隼太はかなりテクニカルにいく曲もあるし。

そういう六人のルーツを無理やりくっつけたら、すごくかっこいい曲がたくさんできた。去年の夏以降、謎の魔法にかかったような期間を過ごしてきたこともあって、ホントすごいアルバムになっちゃったなって(笑)。

Suchmos『THE KIDS』ジャケット
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―アシッドジャズやネオソウルといったキーワードはありつつ、Suchmosはもともとジャンルレスなバンドだったけど、今回で完全に「ジャンル名=Suchmos」な作品になったように思います。それは六人がホントに混ざり合ってるからだし、なおかつ、さっきのファッションの話のように、YONCEくん一人でもOASISやNIRVANAやいろいろが混ざってるわけで、そういう雑多な六人がさらに混ざり合ってることが、この作品の面白さにつながってるなと。

YONCE:「難解」という言い方はしたくないんですけど、ものすごく味わい深いものになったと思いますね。でもこれって、「自分たちが聴いたり見てきたものすべてを音楽に変えただけ」とも言えると思う。それこそが、バンドの定義だとも思うし。

THE BEATLESもTHE ROLLING STONESも、OASISもNIRVANAも、自分たちの生活や体験を入れる器が音楽でありバンドだったということだと思うんですよ。もちろん、表現の方法はいろいろだから、それが写真の人もいれば、服をデザインする人、映像を撮る人、あらゆる人がいると思う。俺らにとっては、「1年を激烈に過ごして、それをバンドに詰めたらこうなりました」というアルバムなのかな。

YONCE

―トレンドに目配せすることも大事だけど、時代を追いかけるのではなく、自分を色濃く出すことこそが時代を作っていくんだっていう、そういう雰囲気はより強くなっているように思います。

YONCE:そもそも同調圧力に屈しなかったから、バンドを続けてきたところがあるんですよね。そういう圧力に屈しないやつらがもっといろんな表現をするようになれば、かっこいいものが世に溢れる時代の到来だと思うんですよ。

俺の想像ですけど、1960年代とか70年代のニューヨークはそういう場所だったと思うし、今だとポートランドとかがそれに近いのかもしれない。ああいう場所では誰かに強要されなくても、みんななにかやってやろうと思ってるから、すごいものが出てきて、プラスの要素の連鎖で物事が成り立っている。そういう場所って、いつの時代にも絶対あったと思っていて。

―2010年代の東京をそういう場所にしたい?

YONCE:音楽でそこにアプローチするというか、「ポジティブ運動」じゃないけど、片棒を担ぐようなことをやりたいなと思います。そういうことって、言葉にしようとすると「プラス」とか「ハッピー」とか、ちょっとアホっぽい表現になっちゃうけど(笑)。善悪の問題ではなくて、そうなった方がいいに決まってる。

ただ、それってなにかの反動じゃないとそうはならないと思っていて。いきなりみんながハッピーになるのは絶対無理。でも、今はなにか波乱が起こりそうな時代だと思うので、それに対する反作用で、なにかが一気に変わる瞬間があるんじゃねえかって俺は思ってるんです。

YONCE

―やっぱり2020年の東京オリンピックが一番わかりやすいと思うけど、プラスもマイナスも内包しつつ、そこに向けて時代が加速し始めた感じがしますよね。

YONCE:でも、音楽だけですべてを変えるのは無理なので、もっと仲間を増やさないとなって思います。衣装、映像、写真、そういうものすべてを信頼のおける仲間たちと作り上げていけたら、一個のカルチャーと呼べるものになるんじゃないかと思う。それを自分たちなりの発信の仕方で、どんどん世の中にアプローチしていきたいですね。

今振り返ると、バンドのメンタルが変わってたんだなと思います。

―アルバムの具体的な曲に触れると、やはり1曲目の“A.G.I.T.”が象徴的だと思います。この曲のスタジアム感は、バンドの行く末を明確に提示しているなと。

YONCE:“A.G.I.T.”に関しては、『THE BAY』以降、ぼんやりとあったでかいステージのイメージを、「具体的に狙いにいった」みたいな。つまり、でかいステージでやる前提で作った曲ですね。『FUJI ROCK』のホワイトステージに出演できると決まったのが、ちょうど去年の2月とか3月で、「もう出れるの?」って、みんな腰抜かしちゃって(笑)。

―レッドマーキーを飛び越してね。

YONCE:それで「どうホワイトステージを征服しよう?」ってなったときに、まずは曲だなって。小便ちびらすくらいの曲を(笑)、いきなり『FUJI ROCK』でぶちかましたらヤバイだろって感じで制作に着手したんです。

しかも、「そこにいる1万人を適当に踊らせるんじゃなくて、釘付けにするのがスタジアムバンドでしょ」ってスケベ心が発動して、それでできたのが“A.G.I.T.”。案の定、『FUJI ROCK』でやったらめちゃくちゃ気持ちよかったですね。お客さんからしたら「なんでいきなり新曲?」って思ったかもしれないけど(笑)。

―「なんで“STAY TUNE”やらないの?」って(笑)。

YONCE:「まあまあ、そこは俺たちのご愛嬌でしょ」っていう(笑)。でかいところに行く気満々だぜっていう気概に満ち溢れた曲というと、“MINT”もそうだったけど、“MINT”が自分たちを奮い立たせるサッカーのチャントだとしたら、“A.G.I.T.”はリーグ優勝のときのテーマソングというか。王者の曲みたいな感じ(笑)。今振り返ると、バンドのメンタルが変わってたんだなと思います。

YONCE

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リリース情報

Suchmos『THE KIDS』初回限定盤
Suchmos
『THE KIDS』初回限定盤(CD+DVD)

2017年1月25日(水)発売
価格:3,780円(税込)
PECF-9023

[CD]
1. A.G.I.T.
2. STAY TUNE
3. PINKVIBES
4. TOBACCO
5. SNOOZE
6. DUMBO
7. INTERLUDE S.G.S.4
8. MINT
9. SEAWEED
10. ARE WE ALONE
11. BODY
[DVD]
1. Pacific
2. YMM
3. JET COAST
4. GAGA0
5. DUMBO
6. STAY TUNE
7. MINT
8. Life Easy

Suchmos『THE KIDS』通常盤
Suchmos
『THE KIDS』通常盤(CD)

2017年1月25日(水)発売
価格:2,700円(税込)
PECF-3174

1. A.G.I.T.
2. STAY TUNE
3. PINKVIBES
4. TOBACCO
5. SNOOZE
6. DUMBO
7. INTERLUDE S.G.S.4
8. MINT
9. SEAWEED
10. ARE WE ALONE
11. BODY

イベント情報

Suchmos
『TOUR THE KIDS』

2017年3月2日(木)
会場:神奈川県 横浜 club Lizard YOKOHAMA
出演:Suchmos
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年3月5日(日)
会場:静岡県 浜松 窓枠
出演:
Suchmos
GRAPEVINE(ゲスト)
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年3月8日(水)
会場:栃木県 宇都宮 HEAVEN'S ROCK VJ-2
出演:
Suchmos
Yogee New Waves(ゲスト)
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年3月10日(金)
会場:京都府 MUSE
出演:
Suchmos
D.A.N.(ゲスト)
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年3月11日(土)
会場:岡山県 YEBISU YA PRO
出演:
Suchmos
D.A.N.(ゲスト)
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年3月15日(水)
会場:群馬県 高崎 club FLEEZ
出演:
Suchmos
GRAPEVINE(ゲスト)
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年3月17日(金)
会場:新潟県 LOTS
出演:
Suchmos
OKAMOTO'S(ゲスト)
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年3月18日(土)
会場:石川県 金沢 Eight Hall
出演:
Suchmos
OKAMOTO'S(ゲスト)
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年3月26日(日)
会場:北海道 札幌 PENNY LANE24
出演:Suchmos
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年4月1日(土)
会場:宮城県 仙台 Rensa
出演:Suchmos
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年4月7日(金)
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO
出演:Suchmos
料金:前売4,000円(ドリンク込)

2017年4月9日(日)
会場:福岡県 BEAT STATION
出演:Suchmos
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年4月13日(木)
会場:大阪府 なんばHatch
出演:Suchmos
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年4月15日(土)
会場:大阪府 なんばHatch
出演:Suchmos
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年4月16日(日)
会場:愛知県 名古屋 DIAMOND HALL
出演:Suchmos
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年4月18日(火)
会場:愛知県 名古屋 DIAMOND HALL
出演:Suchmos
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年4月22日(土)
会場:東京都 恵比寿 ザ・ガーデンホール
出演:Suchmos
料金:前売3,500円(ドリンク別)

2017年4月23日(日)
会場:東京都 恵比寿 ザ・ガーデンホール
出演:Suchmos
料金:前売3,500円(ドリンク別)

プロフィール

Suchmos
Suchmos(さちもす)

2013年1月結成。ROCK、JAZZ、HIP HOPなどブラックミュージックにインスパイアされたSuchmos。メンバー全員神奈川育ち。Vo.YONCEは湘南・茅ヶ崎生まれ、レペゼン茅ヶ崎。都内ライブハウス、神奈川・湘南のイベントを中心に活動。バンド名の由来は、スキャットのパイオニア、ルイ・アームストロングの愛称サッチモからパイオニアとなるべく引用。普段からバイブスを共有していた、YONCE(Vo)、HSU(Ba)、OK(Dr)、TAIKING(Gt)、KCEE(Dj)、TAIHEI(Key)の6人グループ。

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