特集 PR

シナリオアート×牧野惇が作った「ファクションワールド」とは?

シナリオアート×牧野惇が作った「ファクションワールド」とは?

シナリオアート『Faction World』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:鈴木渉 編集:山元翔一、柏井万作

現実と非現実の狭間を描いた、シナリオアートのニューアルバム『Faction World』。それは、これまで以上にポップに突き抜けた、実に躍動感のあるアルバムでありながらも、彼らのシリアスな現状認識を色濃く反映したユニークな一枚へと仕上げられた。

「ファクト(現実)」と「フィクション(非現実)」が織りなす、めくるめくシナリオアートの新世界。その一助をなしているのが、シングル『エポックパレード』に引き続き、『Faction World』のアートワークを担当した映像作家・牧野惇の存在だ。

Mr.Childrenの最新シングル“ヒカリノアトリエ”のミュージックビデオなど、チェコで学んだアニメの技術を独自のタッチで新たな表現へと変える気鋭の映像作家・牧野惇。シナリオアートの首謀者であるハヤシコウスケ(Gt / Vo)は、どんな思いのもとに牧野にアートワークを依頼し、そのイメージをすり合わせていったのだろうか。そして、シナリオアートが新たに掲げる「ファクションワールド」というテーマの持つ意味とは? ハヤシと牧野の二人に語ってもらった。

僕らの物語的な作品やライブが、ただ単に「ファンタジー」として済まされることに不満があったんです。(ハヤシ)

―まずは今回のアルバムのテーマでもある、「ファクションワールド」について、教えてもらえますか?

ハヤシ:今回のアルバムは、自分たちがやろうとしていることを、改めてはっきり表した感じがあって。自分たちが音楽で表現したいのは、現実と非現実のあいだにあるものなんだっていう。それを「ファクト(現実)」と「フィクション(非現実)」を掛け合わせた合成語である「ファクションワールド」というもので表しているんです。

―そのテーマは、どこから生まれてきたのでしょう?

ハヤシ:最初に考えていたのは、いろんな事象がある国みたいなものをひとつずつ描きながら、そのなかにさまざまな問題提起を入れ込んでいきたいっていうアイデアで。そう、「シナリオアート」っていうバンド名は、もともと響きの良さだけでつけたものなんですけど、だんだん「アート」という名前に引っ張られていって、自分たちから何かを提示していったほうがいいんじゃないかって思いが、どんどん募っていて。

それで、問題提起を込めた楽曲を一つひとつの国に見立てて、その全体の世界地図みたいなのを、今回のアルバムでは描きたいなって。今までは曲単位でやっていたものを、ひとつの世界として作り上げて、そこをみんなに旅してもらいたい。そういう思いがありました。

左から:ハヤシコウスケ、牧野惇
左から:ハヤシコウスケ、牧野惇

牧野:僕は、いろいろなミュージシャンの方とお仕事をさせてもらっているんですけど、シナリオアートは、歌詞のなかに曖昧さがほとんどなくて、ちゃんと自分たちの物語を持っているんですよね。ライブでもすごい物語性を持っているし。だから今回のアルバムも、かなりはっきりしたイメージがあるんだなっていうのは、最初から感じていました。

シナリオアート
シナリオアート

―では、「ファクションワールド」として、現実と非現実のあいだにあるものを描こうと思ったのは、なぜなのでしょう?

ハヤシ:僕らの物語的な作品やライブが、ただ単に「ファンタジー」として済まされることに不満があったんです。単にファンタジーを描いているのではなく、その中身は現実なんだと思いながらやっていたというか。自分たちとしては、ファンタジーを通して、現実を突きつけているつもりなんです。

―そのファンタジーへのこだわりっていうのは、どこからきているのですか?

ハヤシ:それは、もともと自分がそういうところを欲している人間性だからだと思います。最初からファンタジーに近い人間だったというか、普段はわりと物思いにふけっているようなタイプの人間なので。

左から:ハヤシコウスケ、牧野惇

牧野:確かに、いつもは物静かというか、あんまりバンドマンっぽくないよね。

ハヤシ:そうかもしれないですね。というか、コミュニケーションが、めちゃめちゃ苦手なんです(笑)。

牧野:わかる(笑)。アートワークの打ち合わせのときとかも、わりとプレゼンが下手というか、すごく一生懸命伝えようとしてくれているんだけど、なかなか言葉が伴わない感じがあって。ひと通り打ち合わせたあと、「他にはもうないですよね?」って一応確認すると、まだまだ出てくるというか(笑)。ただ、そこに僕は、むしろ好感を持ったんですよね。

―なるほど、逆に好感を持ったと。

牧野:そうですね、僕も似たようなタイプの人間だったりするので(笑)。でも、シナリオアートの音源を聴いたりライブを見たりすると、全然違うじゃないですか。すごく堂々と歌っている。それはどこで切り替わっているんだろう? 何のスイッチが入ったら、こんなに歌えるんだろう? っていう素朴な疑問があったりもして。

―確かに、ステージで歌っているときは堂々としていますよね。

ハヤシ:うーん。ステージにいる自分は、あこがれの自分みたいなものなんです。そうなりたいっていう思いが表れるから、人前で歌えたりするのかなって。普段は静かだけど、心の中ではやっぱり、爆発したい欲みたいなものが常にあったりはするので。

牧野:そういう意味では、やっぱり物を作る人なんですよね。物を作る人は全員が全員、普段からそれが素直に出ているわけじゃないというか。それが溜まりに溜まってボンと出るような人も多いので。それがコウスケくんの場合は、曲なのかもしれないですよね。

ハヤシ:そうですね。いいことも悪いことも、とりあえず溜め込んで溜め込んで爆発させるタイプではあるかもしれないです(笑)。

Page 1
次へ

リリース情報

シナリオアート『Faction World』
シナリオアート
『Faction World』初回限定盤(CD+DVD)

2017年3月8日(水)発売
価格:3,996円(税込)
KSCL-2853/4

[CD]
1. ジャーニー
2. サンライトハーモニー
3. パペットダンス
4. ジンギスカンフー
5. ビューティフルパーティー
6. コールドプラネット
7. フランキーファンキー
8. イージーオーマツリ
9. ナナヒツジ(Album Mix)
10. ラブマゲドン
11. エポックパレード

[DVD]
『ワンマンツアー2016 [Scene #2] -シンカイヘ- @EX THEATER ROPPONGI (2016.07.14)』
1. シニカルデトックス
2. ナナヒツジ
3. ナイトフライング
4. カオティックダウナー
5. トウキョウメランコリー
6. ホワイトレインコートマン
7. エポックパレード

シナリオアート
『Faction World』通常盤(CD)

2017年3月8日(水)発売
価格:3,146円(税込)
KSCL-2855

1. ジャーニー
2. サンライトハーモニー
3. パペットダンス
4. ジンギスカンフー
5. ビューティフルパーティー
6. コールドプラネット
7. フランキーファンキー
8. イージーオーマツリ
9. ナナヒツジ(Album Mix)
10. ラブマゲドン
11. エポックパレード

イベント情報

『ワンマンツアー2017 [Scene #3]-World Journey-』

2017年3月25日(土)
会場:大阪府 心斎橋 BIGCAT

2017年3月26日(日)
会場:香川県 高松 DIME

2017年3月31日(金)
会場:岡山県 岡山 CRAZY MAMA 2nd Room

2017年4月1日(土)
会場:福岡県 福岡 BEAT STATION

2017年4月2日(日)
会場:広島県 広島 CAVE-BE

2017年4月8日(土)
会場:宮城県 仙台 CLUB JUNK BOX

2017年4月9日(日)
会場:新潟県 新潟 CLUB RIVERST

2017年4月16日(日)
会場:北海道 札幌 Sound Lab mole

2017年4月21日(金)
会場:愛知県 名古屋 CLUB QUATTRO

2017年5月7日(日)
会場:東京都 EX THEATER ROPPONGI

プロフィール

シナリオアート
シナリオアート

ハヤシコウスケ(Gt / Vo)、ハットリクミコ(Dr / Vo)、ヤマシタタカヒサ(Ba / Cho)による3ピースバンド。まぶしいメロディーで、絵本のような幻想世界の“物語”を奏でる。2013年4月にリリースされたタワーレコード限定盤シングル『ホワイトレインコートマン』は、瞬く間に店頭から姿を消し、オリコンウィークリーインディーチャートで2位を獲得。2013年6月には初の全国流通盤『- DRAMATICS -』をリリース。2014年1月でミニアルバム『night walking』でメジャーデビューを果たす。2015年6月、1stフルアルバム『Happy Umbrella』をリリース。2017年3月8日、1年9ヶ月ぶりとなるフルアルバム『Faction World』を発表した。

牧野惇(まきの あつし)

1982年生まれ。チェコの美術大学UMPRUMでアニメーションを学んだのち、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。実写・アートワーク・アニメーションの領域を跨ぎ、映像•アニメーションのディレクションからアートディレクション、キャラクターデザイン、イラストレーションまで総合的に手掛ける。

関連チケット情報

2017年6月3日(土)〜6月4日(日)
SAKAE SP-RING 2017
会場:ダイアモンドホール/名古屋クラブクアトロ/他(愛知県)
2017年6月28日(水)
BURNOUT SYNDROMES
会場:Shangri-La(大阪府)
2017年6月29日(木)
BURNOUT SYNDROMES
会場:ell.FITS ALL(愛知県)
2017年7月20日(木)
ON THE BEACH FES 2017
会場:OTODAMA SEA STUDIO(神奈川県)
2017年9月9日(土)
シナリオアート
会場:原宿ストロボカフェ(東京都)
2017年9月15日(金)
シナリオアート
会場:スペードボックス(愛知県)

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

RYOHEI KUBOTA “RISING”

ぼくのりりっくのぼうよみ、小山薫堂らからも注目される19歳のハンドパン奏者・久保田リョウヘイの“RISING”のPV。自然に溶け込むような佇まいから生み出される、まるみのある幽玄的なサウンドと情熱的なビートに身をもたげたくなる。演奏はYouTubeを見て独学で学んだらしい。圧巻です。(飯嶋)