【編註と参考文献】シティポップの歴史とアニメ・声優文化の接点。降幡 愛と紐解く

編註と参考文献

▼編註

註1:ローファイヒップホップとシティポップはYouTubeのアルゴリズムという地下水脈的なつながりを持つことで知られる。米メディア「Pitchfork」に掲載された「The Endless Life Cycle of Japanese City Pop」によると、ある時期ユーザーたちはアルゴリズムによって『lofi hip hop radio - beats to relax/study to』のようなローファイビートのYouTube動画から竹内まりや“Plastic Love”に誘導されていたのだという。

註2:80~90年代のアニメソングをはじめ、シティポップのエッセンスが取り込まれたキャラクターソングやイメージアルバム、サウンドトラックなどは、2020年刊行の『オブスキュア・シティポップ・ディスクガイド』(DU BOOKS)で多数紹介されている。

註3:現在のグローバルなシティポップブームにおいてアメリカのアニメ専門チャンネルの放送枠「Adult Swim」の存在は大きく、Kompass掲載記事「シティポップの世界的ブームの背景 かれらの日本という国への目線」のなかで音楽ライターの松永良平は、「Thundercat世代のアメリカのミュージシャンに話を聞くと、あの時間帯に日本のディープなアニメを見て感化され、そこから他のカルチャーも深掘りしたって言う人は多い」と語った(記事を開く)。

なお、2014年に公開された小比類巻かほる“City Hunter ~愛よ消えないで~”のYouTubeの再生数は、398万回を超えており(2021年10月現在)、コメント欄には英語や中国語なども見受けられ、国外のリスナーにもリーチしている様子が伺える。

註4:アニメ『うる星やつら』の主題歌“ラムのラブソング”(1981年)の作曲を手がけたことで知られるキーボードプレイヤー、シンガーソングライター。Tower of Powerのメンバーも参加した『Coconuts High』(1981年)、布袋寅泰ら参加の『夏・Nuts・夏』(1982年)、『うる星やつら』2代目オープニング“Dancing Star”の別バージョンを収録した『TROPICANA』などを発表。

註5:アニメ『超時空要塞マクロス』でアイドル歌手リン・ミンメイを演じ、声優本人が歌唱するアイドル声優の先駆けとみなされるシンガーソングライター、声優。坂本龍一プロデュースによる『Rosé』(1983年)でデビュー。代表作『blanche』(1984年)は吉田美奈子がプロデュースを手がけた。

註6:1977年の『宇宙戦艦ヤマト』の劇場版公開、『月刊アニメージュ』創刊によって、中高生以上を対象にしたアニメが出てくるようになる。その後、1980年代に入ると「ビデオでアニメを売る」というOVAの時代が到来し、暴力やエロ描写があるニッチで、より刺激の強いビデオ専用作品が出てくるようになった(参照:明治大学大学院特任教授・氷川竜介『日本のアニメ、4つの変化点』)

註7:1991年公開の実写映画『電影少女 -VIDEO GIRL AI-』で主演を務めた女優、アイドル歌手。『らんま1/2』のエンディングテーマ“プラトニックつらぬいて”(1989年)などでも知られ、はっぴいえんど“風をあつめて”、大瀧詠一“夢で逢えたら”のカバーも発表している。

▼参考文献

『和レアリック・ディスクガイド』(2019年、ele-king books)(サイトで見る
『オブスキュア・シティポップ・ディスクガイド』(2020年、DU BOOKS)(サイトで見る
『シティ・ポップ 1973-2019』(2019年、ミュージックマガジン)(サイトで見る
『Light Mellow和モノSpecial ~more 160 items~』(2018年、ラトルズ)(サイトで見る



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