文化庁メディア芸術祭、今年度は作品募集せず。担当者「単純にやめるわけではない」

アート、エンターテイメント、アニメーション、マンガの4部門で優れた作品を顕彰する『文化庁メディア芸術祭』が、今年度(2022年度)の作品募集を行わないことを発表した。文化庁の担当者によると、来年以降の作品募集や開催については「未定」という。

アニメやマンガ、ゲームなどのエンタメ作品を顕彰

『文化庁メディア芸術祭』は、メディア芸術の振興を目指し、1997年に初開催された。

アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門から作品を顕彰し、毎年開催する作品展で受賞作の展示・上映、シンポジウムなどの関連イベントを実施してきた。

過去の受賞作には、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』、『海獣の子供』、『君の名は。』、『映像研には手を出すな!』、マンガ部門では『かくかくしかじか』(東村 アキコ)、『3月のライオン』(羽海野チカ)、『ヴィンランド・サガ』(幸村誠)など多くの注目作が並び、また「エンターテインメントロボットAIBO」やゲーム『ドラゴンクエストVII~エデンの戦士たち~』など、数多くのメディア・エンタメ作品に光を当ててきた。

「見直しを図っている段階」。文化庁の回答は

文化庁メディア芸術祭実行委員会は8月24日、公式サイトでリリースを発表。「第25回の受賞作品展は9月16日(金)~9月26日(月)に日本科学未来館他で開催します」との開催のお知らせに続き、「なお、令和4年度については、作品の募集は行わないこととなりました」と報告。

今年度は作品募集をしないことを突然発表し、SNSで反響を呼んでいた。

文化庁の担当者に話を聞いたところ、来年は受賞作品展は実施せず、それ以降の芸術祭の実施についても「未定」という。担当者は、「メディア芸術祭を始めた25年前とは状況も変わり、国が求められる役割も変わってきている。文化庁全体の政策を検討するなかでも、顕彰のあり方やメディア芸術のグローバル展開の見直しを図っている段階です」と説明する。

メディア芸術の振興への取り組みは今後も続けるとしたうえで、「ただ単純にやめるということではなく、芸術祭をこれまでやってきた蓄積や成果を元に、より発展的なかたちで振興を担えるように色々な方にヒアリングをしています」と答えた。

画像:『文化庁メディア芸術祭』公式サイトより



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