帝国劇場が2025年から一時休館。新たなビルで再開を予定

帝国劇場が2025年をもって一時休館することが、東宝株式会社から発表された。

これは東宝が所有し、帝国劇場を擁する「帝劇ビル」の建て替えに伴うもの。新ビルにおいて新たな帝国劇場の再開を予定しているとのこと。新ビルと劇場の施設計画、スケジュール、事業計画などは現時点では明かされていない。

帝国劇場は1911年、丸の内3丁目に誕生。日本初の西洋式演劇劇場とされる。現在の建物は2代目にあたる。

初代の建物の設計は、横河民輔が手掛けた。1923年には関東大震災による火災で大部分が焼け落ちたが、1924年に改修、営業を再開。1930年代に一時的に映画の劇場となる。1940年から内閣情報部が庁舎として利用したことで、休演となった。第二次世界大戦後、1945年10月から公演が再開された。1955年から映画館として営業したが、1964年に解体となった。

2代目の建物は1966年に落成。設計は谷口吉郎が担当した。東宝の専務取締役(当時)であり、『がめつい奴』『放浪記』などで知られる劇作家でもあった菊田一夫の陣頭指揮により、マーガレット・ミッチェルの『風と共に去りぬ』の世界初となるストレートプレイでの舞台化を想定して建設された。

2代目の帝国劇場では1966年から上演されている『風と共に去りぬ』をはじめ、『屋根の上のヴァイオリン弾き』『王様と私』『ラ・マンチャの男』『マイ・フェア・レディ』『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』『エリザベート』といった演目を上演。さらに『ローマの休日』『マリー・アントワネット』といったオリジナルミュージカルを上演し、今年は人気アニメを舞台化した『千と千尋の神隠し』でも話題を集めた。来年には人気漫画を原作とする『キングダム』『SPY×FAMILY』の上演も控えている。

東宝のオフィシャルサイトの発表は、次の一文で閉じられている。

現帝国劇場の2025年大千穐楽まで、どうぞ変わらぬご支援を賜り、新劇場の誕生をご期待くださいますよう心よりお願い申し上げます。
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