『この人に、この人生あり!』

『この人に、この人生あり!』 第4回:「夢で終わらない夢」のうた たむらぱん(シンガーソングライター)

『この人に、この人生あり!』 第4回:「夢で終わらない夢」のうた たむらぱん(シンガーソングライター)

独学のデモテープ作りによる「シンガーソングライター就活」に始まり、地道なインディーズ活動の後にMyspaceを通して大ブレイク。そんな「たむらぱん」さんは、ひねりの効いたポップセンスを進化させつつ、いまを生きる男女の迷いや決意を歌い続けています。テレビCMでの「噛むんとフニャンフニャン〜♪」というユーモラスな歌声でも知られますが、それは彼女の魅力のほんの一面。シリアスからコミカルまで自在に表情を変えるシンガーソングライターであり、Shing02との共演から松平健への楽曲提供までこなす懐の深さも見逃せません。今回はそんな「たむらぱん」の歩みを追うインタビュー。アルバムのアートワーク制作にも参加する彼女の多才ぶりや、ローソンのカフェサービス・MACHI caféとの特製タンブラー作りのお話も聞けました。

たむらぱん プロフィール

 たむらぱん田村歩美のソロプロジェクト。作詞・作曲・アレンジから、アートワークまで手掛けるマルチアーティスト。2007年からMyspaceにおいて自ら楽曲プロモーションを開始し、4か月で24万回のストリーミングを達成。それがきっかけとなり、2008年にメジャーデビューアルバム『ブタベスト』をリリース。『ROCK IN JAPAN FES』や『SUMMER SONIC』などの夏フェス出演やワンマンライブも活発に行い、そのライブパフォーマンスを高く評価される。近年はHALFBY、Shing02、SNUFFなど様々なシーンで活躍するアーティストとのコラボレーションも実現させ、ジャンルの垣根を越えたたむらぱん流POPに磨きをかけている。またアーティストたむらぱんの活動と平行し、クリエイター田村歩美として様々なフィールドでの活動もめざましく、数々のCMでの歌唱、松平健や私立恵比寿中学への詩曲提供など、多岐にわたる活動でその才能を発揮している。
http://tamurapan.com/

歌謡曲からマリーナ・ショウまで渡り歩いた音楽遍歴

「たむらぱん」は、シンガーソングライター・田村歩美さんのソロプロジェクト名。本名の「たむら」と、フランス語でウサギを意味する「lapin(ラパン)」をくっつけて生まれた名前だそうです。

たむらぱんさん

たむらぱん:曲を作る私とは別に、それを表現する存在として、本名を取り入れつつ違う名前にしたかったんですね。響きもいいし、何かこう、悪いヤツではなさそうだなってイメージもあったので(笑)。

生まれ育ったのは、岐阜県の高山市。飛騨高山といえば「小京都」とも言われる古い街並で有名ですが、彼女が育ったのは山々に近い、緑の豊かなところでした。「わりと色んなことに興味を持つ子どもだった」との言葉通り、小学生のときは剣道や自転車クラブで活躍、さらに創作マンガやアマチュア無線にいそしむ文武両道(?)の日々。中学では部活で長距離走やクロスカントリーに、高校では野球部のマネージャーにも挑戦したとか。

なかなかのスポーツ少女だったようですが、気になる音楽への興味は、よりユニークな移り変わりを経ているようです。

たむらぱん:小中学校では、テレビでJ-POPや歌謡曲をよく聴いていました。高校あたりからは、友だちに海外のハードロック好きが多くて「ビリー・シーンのベースはいい!」とか、そのうち「ナイアシン大好き」みたいな感じになって。今思えばどのくらいわかって聴いてたのか怪しいですけど……。大学ではまた違う方向にいって、ブラックミュージック好きの音楽サークルでコーラスを担当してました。「ちょっとアース(ウインド&ファイア)やってみようか?」って、踊りも振り付けたり、あとアフロのカツラつけてみたり(笑)。私自身は女性ボーカルの魅力に惹かれて、特にマリーナ・ショウが大好きでした。

現在の作品からは意外にも思える音楽遍歴ですが、どのジャンルもそれぞれ違うかたちで感性とテクニックが求められる音楽。「たむらぱん前夜」の時期、田村少女の音楽性はこうした多ジャンルにひたる中で育っていったのかもしれませんね。

たむらぱんさん

音楽を自分で作って歌おうと思ったのは、大学卒業も目前の時期。同級生が就職活動真っ盛りのころ、彼女はひとり、デモテープを作ってレコード会社に送ってみることを決意しました。「当時の思い切りっぷりは、自分でもいまだに謎」という迷いのなさで、その計画を行動に移します。

たむらぱん:秋葉原で、録音や打ち込みもできるキーボードを買ってきて曲を作り始めました。それが私のリクルートスーツみたいなもので、「これで将来のための活動をするぞ!」って。曲作りは勉強したわけではなく、頭に浮かんだ歌メロと楽器の音を頼りに、「ひとり耳コピ」するみたいな感覚でした。実はいまでも、曲の作り始めはそうなんです。

完成したデモテープを送ると、数社からさっそくコンタクトが。始めての曲作りでそんな結果を生み出すあたり、すでに非凡な才能を感じさせます。彼女はそれぞれの担当者と話した上で、「いちばん一緒にやれそうな人」として、現在のディレクター兼マネージャーと共にインディーズでの音楽活動を始めます。2002年、いまから約10年前のことでした。

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