巨匠ism 〜余は如何にしてクリエイターとなりし乎〜 第4回早川義修先生(ボディセラピスト)第四章

第四章「自分で自分を変える」って究極の幸福だと思いませんか?

媒体に載らないかぎり、このラボにおさまったままなんだよ!

―え、お腹を?

早川:うん。イヤだという人もいるから、もちろん事前に確認はするけどね。その時、僕がドスドス殴っても、委ねてしまえばまったく痛くない。ミットにボールを投げ込む感じですよ。これをやるのが好きな人もいるくらいで、おなかがゴロゴロいいだしたりする。殴るほうの僕の手が真っ赤になって根負けするの(笑)。でも、「怖いな」「イヤだな」「照れくさいな」といった思いが出てきてクッと力が入ると、両方ともバランスを崩す。そうすると「痛っ」ですよ。内面も委ねないとダメなんです。

「委ねた」と口で言っていても体は正直だから、「体はカチカチじゃん、あなた!」ということもある(笑)。体には英知が宿っているんです。頭なんてなまじ働いてないほうが、ちゃんと守るんですよ。そうしてうまくケアできたとすれば、「筋肉が元に戻る力を増やす」というメカニックとしての仕事を僕が果たせたことになるよね。お腹の筋肉を伸ばしていくと、女の人ってだんだんスーッと線が入ってくるのね。ニコール・キッドマンみたいに。

―それ、私にもありますよ。お見せしたいくらいです!

早川:いいじゃないですか、有望ですよ。今までの本には、実はこのあたりの記述がちょっと足りないところがあるんですよね。「読者には理解できないだろうから」「危ないから」という理由で載せてもらえないんですよ(笑)。同じような理由でお蔵入りしている僕のメソッドは、いっぱいありますよ。

巨匠ism 〜余は如何にしてクリエイターとなりし乎〜 第4回早川義修先生

―もったいないですね〜。

早川:本当にもったいないよ。媒体に載らないかぎり、このラボにおさまったままなんだよ!

―それをまとめて本にする、という計画は? 今回のインタビューでは、できれば先生のご著書を紹介したいと思っているんですけど、ついでに近刊の予定があれば。

早川:ああ、ぜひ僕の本を紹介してください。それと同時に「出すつもりなんだ」と、今までの範疇を超えた本を。それがアランではなくて義修の『幸福論』になればいいのかな、と。「体がないとダメですよ」という結論ですね。まずは本が出るように念じてください(笑)。

―先生にとって転機となった出来事って何ですか?

巨匠ism 〜余は如何にしてクリエイターとなりし乎〜 第4回早川義修先生

早川:僕がこの仕事を思い立ったときは、まだオウム真理教が起こした事件の余波が強くて、「ヨガ」という言葉は禁句だったんですよね。そういう時代に「ヨガ」(注:正確に言うと「ヨーガ」という発音に近い)とは昔の向こうの言葉で「統合」という意味だと教わったんです。やっぱりそうなんだ、昔の人はもうそうやって考えていた、統合するのは「頭と体」とも言えるし「言葉と体」とも言える、もしかするとそれは「男女」かもしれない。その話を聞いてから突っ走り始めました。

あと、僕が30kg減量して、その後葛藤して――という話、その時悩んだのは「自分は痩せても何ら変わっていない」と思ったからなんですね。ただ痩せただけ。もともと「カッコよくなりたい」と思っていたわけではないんですよ。でも僕もミーハーだから大真面目にいろいろ読んで、「そうか、減量するとモテるよね、服が似合うよね」と甘い期待を抱いていたんですね。それが裏切られたんですよ(笑)。サイズは着られるけど、「着られる」のと「似合う」のは違う。「美容」と言い始めたら、その間にものすごく大きな溝が存在することに気づいたんですね。その葛藤ですよ。僕には体重を計る習慣がないから正確には言えないけど、東京に出てきたときと今とを比べると、どうも体重が増えているらしいんですね。でもサイズは減っているわけ。だから「体重を減らさなくても『形』は変えられる」と実証できた。それで自分でも少しは得心がいくようになったわけ。

―なるほど。

早川:もともと僕は自分がものすごくチビなのがイヤだったのね、170cmないし。

自分で自分を変えちゃったんですよ。これはお金では手に入らないでしょう。

―全然そんなふうに見えないですけどね〜。

早川:……と、今はみなさん言ってくださるようになったんですよ(笑)。でも、学生のとき某ホテルのバイトに応募して、身長で切られたんだから! だからこれは僕の中ではすごく大きなことなのね。しかも今はふつうのお勤めをしているわけじゃないし、ヒールを履いてもいいような立場でしょう? それでトラウマが解消されて抜けましたね。過去の打ちひしがれた自分に打ち勝ちました。「どんなもんだい」ってね。

―そういうふうにコンプレックスが解消できるとうれしいですよね。

早川:この取材を離れて、いち読者さんとしてお話しするとすれば、ボディワークを究めてほしいよね。僕はそれが楽しくてやっているんだから。「自分の力で変わる」って大事なんですよ。ここに来ているお客さんや本を通じて知り合った人たちが自分の力で変わるでしょう? 女性の場合、こういう変化は僕の「どんなもんだい」をはるかに超えていますよね。人生観が変わっていっちゃうもん。

―見た目が変われば、それは変わりますよ!

早川:ここにくるお客さんには、「私に会うたびに友だちが『太った?』って言うんですよね」と初回のカウンセリングでおっしゃる方が多いんですよ。でも通い始めてしばらく経つと、「最近、友だちが焦っているんですよね」って。明らかに自分の存在が友だちを焦らせているわけなんですけどね。ただ、お客さんのほうはもう僕なんて超えているから、そうして友だちがあたふたしているのを子どもを見るように痛々しく見たり、かわいく見たり……もう上に立ってしまっているんですね。自分で自分を変えちゃったんですよ。これはお金では手に入らないでしょう。それって究極の幸福だと思いませんか?

―人間ってどうしても他力本願になりがちだけれど、「自分で自分を変えた」という経験が一度でもあれば本当の意味で生きる楽しさが分かってくるんだろうな。まずはそこにたどりつけるよう、地道にボディワークを続けてみます。今日はどうもありがとうございました。

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