『クリエイターのヒミツ基地』

『クリエイターのヒミツ基地』Volume21 マキヒロチ(漫画家)

『クリエイターのヒミツ基地』 Volume21 マキヒロチ(漫画家)

「創作のテンションが上がる」愛すべきヒミツ道具たち

日々、作品が生み出されているのは、ご自宅兼仕事場。シンプルな部屋でひときわ目を引く背高の本棚は、資料や大好きな本でびっちりです。そしてその上には先ほどのゲームがところせましと積まれています。ここで、常時3人のアシスタントさんとともに、朝9時から夜は23時ごろまで制作をされているのだそう。作業机の前の壁には、手書きのメモや映画のフライヤー、記念写真などマキさんの「好きなもの」がズラリと貼られています。そんな愛するものに囲まれたマキさんの「ヒミツ基地」から、特に創作に欠かせないヒミツ道具をお届けします。

FUJIFILM X10(富士フイルム)

FUJIFILM X10(富士フイルム)

現在抱えている3つの作品は、いずれも取材をもとに描いており、このデジタルカメラが大活躍しています。「写真を撮るのも、撮られるのも好き」というマキさんが、数あるカメラから本製品を選んだポイントとは?

マキ:モックン(本木雅弘)が出演しているCMに惹かれて買いました(笑)。2011年の発売と比較的最近に発売されたものですが、ボディ部分がザラついた革のような質感になっていたりと、レトロなデザインがかわいいんです。ズームリングを回すと電源がオンになる仕様も、他のデジタルカメラではあまりないと思いますし、使いやすくて気に入っています。しかもこう見えて、一眼にも負けない写りなんですよ。

東屋(あづまや)のプロ.ノート1

東屋(あづまや)のプロ.ノート1

古きよき日本の道具を現代に蘇らせ、今の生活にマッチした使いやすいデザインに改めるブランド、東屋(あづまや)の製品である「プロ.ノート」シリーズ。デザイナーの立花文穂が手がけたこちらのノートを、マキさんは「ネタ帳」として重宝しています。

マキ:すごく好きなノートです。特に気に入っているのは、表紙の質感ですね。使っているうちにボロボロになってくると、ますます味わい深さが出てくるんです。この適度な厚さも、メモをするのにちょうどいいですね。急に思いついたアイデアを書き留めるのは、iPhoneのメモ機能を使うことが多いんですけど、取材には、必ずこのノートを持っていきますね。落書きもけっこうしちゃうんですけど(笑)。

XYLISH HYPER COOL(明治)

XYLISH HYPER COOL(明治)

常に机で作業しているマキさんにとってなくてはならないのが、眠気覚ましのためのガム。昼間はJ-WAVE、夜間はTBSラジオというお気に入りのラジオ番組を聴きながら、ガムを一日中噛んで作業をするのが、基本スタイルだそう。中でも、超強烈なミント味が特徴の「XYLISH HYPER COOL」にハマっています。

マキ:辛い味のガムが好きで、いろいろと試してきたんですけど、4年前くらいに出会ってから、今では「これしか食べられない」っていうぐらい好きですね。味が無くなっちゃっても延々と噛んでいます(笑)。パッケージのデザインも好きだし……もう全体的に大好き! アシスタントさんには「ストライド」(日本クラフトフーズ)派もいたり、うちの職場はみんなガムが好きですね。

ペンタブレット「Intuos5」

ペンタブレット「Intuos5」

3年ほど前からBambooを使用していたというマキさん、最近Intuos5に買い替えました。その理由は「時代に乗り遅れないため」。周囲の漫画家さんの多くがIntuos5や液晶ペンタブレットなど、最新のペンタブレットを使っていることに刺激を受け、購入に踏み切ったのだそうです。特徴的なのはIntuos5の置き場所です。まずマキさんがイスの上に正座。ふとももの上に画板を乗せ、その上にIntuos5を置いて作業をしています。

マキ:机の上はペンとかほかの制作道具も置かなきゃいけないので、空けておきたいんですね。だからBambooのときはsmallサイズを使っていましたが、Intuos5はmediumサイズにして、ひざや画板の上に乗せて使うようになりました。この姿勢だと前傾姿勢にならずに済むので、腰に負担がかかりにくくていいんです。それとBambooからIntuos5にして一番変わったのは、色塗りやペン入れが筆のような感じで、描き味が格段によくなったこと。すごいものを手に入れちゃった! って思います(笑)。あと、この黒くてシンプルなデザインも気に入っていて。やっぱり仕事道具を愛せなければ制作のテンションも上がらないので、見た目がカッコいいのかどうかは、重視して選びますね。

お話に共通していたのは「気に入った道具を揃える」こと。機能だけを重視するのではなく、一度自分の感性というフィルターを通して大好きになれる道具だけを選んで使う、それがストレスの少ない制作環境の維持につながっているのでしょう。マキさんの生み出すポジティブさあふれる作品の源泉は、そうした姿勢にあるのかもしれませんね。

部屋の様子
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