新旧が混在する下町・プラカノン(Phra Khanong)。バンコクで「次」にくる街とは?

ここ最近、アートやカルチャーを楽しめる新エリアとして注目されるバンコクのプラカノン。かつては田園と果樹園が広がっていた牧歌的なエリアでした。90年代後半以降も、スクンビット通り沿いの住宅街が次々と商業エリアに変貌していく中、プラカノンは昔ながらの生活感を残したままの下町として長らく取り残されてきました。 そんなプラカノンが再び変わりだしたのは、2014年あたりに始まったBTSプラカノン駅周辺の大規模な再開発以降。今では、若者を起点に、新たなカルチャースポットが次々と誕生しています。今、ローカルからも、「プラカノンは、まだまだ商業的なエリアではないけれど、今まさに変化していて、次に来る街」とも言われるプラカノンエリアの紹介です。

※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。

地元民の生活が垣間見える、昔ながらのタイらしさいっぱいの『プラカノン市場』

まず初めに紹介するのは、 プラカノン駅からスクンビット通り沿いをオンヌット方向に5分歩いたところにある『プラカノン市場』。およそ200x100mの小さな一角には、新鮮食品と生活雑貨がひしめき合い、今も庶民の生活を支えるマーケットして賑わいます。あちこちから呼び込みが聞こえる中、均等に陳列された色鮮やかな果物や生のハーブ、木や竹細工でできた調理器具、ゴールドやオレンジ色の仏具などが並ぶ店先を覗きながら散策すると、昔ながらの地元民の暮らしが垣間見ることができるでしょう。

布や手芸用品、制服や洋服の仕立屋さんが軒を連ねる並びで、漢方の香りを漂わせている漢方薬局が創業約50年になる『チューチャイ・ペーサッ』。数百種類の漢方が無造作に積み上げられた店内では、一つ一つ天秤を使って計量しながら漢方薬の調合が行われています。

昔から民間療法として使われてきたタイハーブも多く扱い、温湿布として使われるハーバルボールの他、お湯で煮出すだけで手軽にハーブティーとして味わえる乾燥させたクラジアップ(ハイビスカスの実)や アンチャーン(青いバタフライピーの花)などが揃います 。量り売りで少量から購入可能なので、お土産にもぴったりです。

そして、次に足を運んだのは、店を出てプラカノン運河側に進んだ高架下にひっそり営業する、名前もないアイスクリーム屋さん。

ここで数十年営業を続ける店主のソムチットさんは「 私のお店も、市場も、昔のまま変わらないね」と、静かに話します。店頭では、今もまとめ買いをしていく古いファンも多い「ココナッツ風味のミルクアイスクリーム」や、氷をカンナで削って作る「かき氷」にもち米やコーンなどのトッピングを加えた、タイの昔ならではの冷たいデザートがいただけるので、暑いバンコクの休憩がてらにどうぞ。

本を片手に訪れたい、街中で森林浴ができるカフェ『li-bra-ry - Naiipa』

次に紹介するのは、プラカノン駅のすぐ南側にあるソイ・スクンビット46の複合施設『Naiipa Art Complex』に入居するカフェ『li-bra-ry - Naiipa』。バンコクでも数店舗展開するカフェ『li-bra-ry』のNaiipa Art Complex店となります。「Naiipa」はタイ語で「森の中」というように、敷地の古い木を一本たりとも切り倒すことなく複雑に設計された建物の壁は全て鏡になっていて、その中央に位置する『li-bra-ry - Naiipa』の屋外席では、どこを見渡しても目に入るのは緑と自然だけ。そんな贅沢なロケーションの中で、飲み物や軽食を楽しめます。

オーナーはインテリアから本まで手がけるデザイナーとしても活躍するponlawitさん。「デザイン事務所から外に出て、本を読めるような場所を作りたくてこのお店を始めた」と言うように、自ら設計した店内には、誰でも手にとって見ることができるアートブックや写真集がぎっしりと並びます。

『li-bra-ry』は、アート複合施設の『The Jam Factory』をはじめとして、バンコク市内で複数の店舗展開する中、「お客さんがそれぞれの場所でいろんなコーヒーを楽しめるように」と、店舗や季節ごとにコーヒー豆のサプライヤーを変えており、この日こちらではRootsのブレンド豆を使用したコーヒーを提供しています。また、『li-bra-ry』のアイコンとも言えるのがバイトーイ(タイのハーブ)を使った緑色のワッフル。優しい甘さがクセになる一品です。

また『li-bra-ry - Naiipa』は毎朝9時から営業しており、午前の涼しく静かな時間帯は読書にも最適。しばし街の喧騒を忘れ、美味しいコーヒーと緑に囲まれた爽やかなひと時を味わってください。

この街のアートスポットとしてはもちろん、夜遊びスポットとしても外せないのが、スクンビット71通り(Pridi Banomyong通り) ソイ3にある『Goja Gallery Cafe』。日中はカフェ、夜はバーとして使えるこのスペースは、ここ1年で日系飲食店が急増中のこの路地にまだ何もなかった4年前に、雑居ビルの1階を改装して作られました。全面ガラス張りの開放的な店内は、いつも現地アーティストや近所に住む外国人で賑わいます。

バイクや人が忙しく行き交うローカル風景に自然と溶け込ませた独自のスタイルを持った『Goja Gallery Cafe』のオーナーは、タイを拠点にDJ・プロデューサーとして活躍する日本人の DJ TORUさん。「音楽活動を通して培ってきた人脈を生かし、様々な人が音楽とアートを気軽に楽しめる場所として始めた」と言います。

いろんなものが「ごじゃごじゃ混ざった」という意味を持つ店名のように、セレクトするアートや音楽のジャンルは多岐に渡るなか、とりわけ個性が光るのが音楽とサブカルチャーがクロスオーバーしたアート作品の展示や音楽イベント。 店内にはストリートカルチャーの分野で活躍する、タイ国内外の著名グラフィックデザイナーやグラフィティーアーティストが手がけたポップな作品が展示されていることが多く、日頃アートギャラリーに足を運ばない人でも、気軽にアートに触れることができます。

取材日には、ギャラリーの4周年を記念したグループ展が開催されており、HereNow Bangkokのイメージイラストも手がけるバンコクの人気イラストレーターJackkrit Anaatakulの作品も飾られていました。

エキシビションのオープニングパーティーや不定期に開催される ライブの他、毎週木曜日と日曜日の夜にはDJイベントが開催されており、路上いっぱいに人が溢れるほど盛り上がることもしばしば。お酒はもちろん、コーヒーやノンアルコールのメニューも充実しており、いつ一人でふらりと訪れても暖かく迎えてくれる気さくなスタッフたちとのコミュニケーションも魅力。きっと国籍やジャンルの垣根を超えた人・アート・音楽との新たな出会いが見つかるはず。

プラカノンに宿泊するなら、博物館がテーマの個性派デザインホテル『The Mustang Nero Hotel』

最後に紹介するのは、バンコクに数多くあるデザインホテル中でも、ひときわセンスが光る『The Mustang Nero Hotel(ザ・ムスタング・ネロ・ホテル)』。2015年にオープンして以来予約が途絶えない、個性的なインテリアが魅力のホテルです。

プラカノン駅から歩くこと数分、ラマ4世通りから小道に入った閑静なエリアに突如現れる、看板もなく黒一色に塗られた外観の建物。木々の間に隠れるようにある扉を開けて中に足を踏み入れると、ぎっしりとビンテージのインテリアで埋め尽くされた、明るいグラスハウスのような空間が広がります。

コンセプトは「博物館」というように、ビンテージの書物や図録、スコープ、動物剥製、骨格見本が並ぶ、異様とも言える空間。この細部まで作り込まれたインテリアとデザインは、人気ファッションスタイリストでもあるオーナーのJoy Anandaさんが全て手がけており、どこを切り取ってもフォトジェニックで見るものを楽しませます。

建物の1階は全てロビーとラウンジの共有スペース。宿泊者はここで朝食をいただいたり、ホテルに住み着く5匹の猫と遊んだり、ピアノを弾いてみたりと、思い思いにくつろいで過ごすことができます。

そして、このホテルの見どころの一つが、フロントデスクの裏にあるラウンジ。ヘラジカやキリンの子供など、世界中から集められた動物の剥製がひしめく、凄みがある一角です。

現在10室ある客室は全てデザインが異なり、「The Lion Sleeps」「The Zebra Song」「Octopus’ Garden」といった古い曲名にちなんだ名前が付けられていたり、それぞれが映画のセットのようなストーリーが感じられる非日常的な空間を演出。採光豊かで緑とビンテージインテリアが調和した部屋は心地よく、連泊して色々な部屋を楽しむ客も多いそう。

宿泊者に無料で提供される日替わりメニューの朝食は、ベジタリアンにも対応。人気の部屋は予約が取り辛いので、旅行の予定が決まれば予約はお早めに。ご飯もアートも音楽も、なんでも揃うプラカノンの滞在に、ぜひ利用してみてください。



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