K-POPアイドルからの転身。韓国のR&BシンガーSAAY(セイ)インタビュー

今、韓国で、アイドルとアーティストの境界線は、もはや曖昧だ。一般的に日本で考えられるプロデュース「される側」であるアイドルは、韓国では、自らで曲を書いてプロデュースするという人も少なくない。その最たる例が、BIGBANGのG-DRAGONであろう。そんな、アイドルやアーティストがしのぎを削る韓国の音楽シーンの中で、今話題のR&Bシンガーの1人がSAAY(セイ)だ。2012年に5人組ガールズグループEvoL(イブル)のリーダーとしてデビューし、2015年に惜しまれつつ解散。その後、ソングライター、プロデューサーとしてのキャリアを持ち、東方神起や少女時代の所属するSMエンターテイメントに曲を提供するなど才能を発揮してきた。2017年にR&Bシンガーソングライターとしてデビューし、今まさにこれからのヒップスターとして輝くSAAYに、乙支路の再開発が進む電気街・世運商街で話を伺った。

※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。

今のスタイルのベースになるのは、幼少時代に学んだ韓国の伝統音楽

―ソロキャリアのはじめにSoundCloudで『The Zone』を公開するや否や、ものすごい反響と再生回数を得ていますね。インターネットを介して多くのリスナーに注目された理由はなんだと思いますか?

SAAY:公式にソロとしてデビューする前に、自分で音楽を探して聴くようなマニアックなリスナーの方々に、私の音楽のアイデンティティを聴いてほしかったんです。その時期に多くの人が、今の音楽シーンに物足りなさを感じていたことが、ちょうど私特有のジャンルと音楽のカラーで埋められるものだったので、たくさんの反響があったのだと思います。

―時代にフィットした音楽が『The Zone』だったと。正式デビュー前には、DEANなど韓国の人気アーティストが集うCLUB ESKIMOのクルーとヨーロッパやアメリカを巡る海外ツアーをしています。今韓国でホットなクルーとも言われるCLUB ESKIMOですが、他の韓国のアーティストと一緒に海外ツアーをしてみていかがでしたか?

SAAY:どの公演も全て楽しかったです。みんな同い年くらいの友達なので、ツアー中も面白いエピソードも多くて。アメリカツアーで、韓国より先にアメリカでステージを踏むことになったんですが、そこで初めて音楽を通して観客の方々とコミュニケーションすることができたように感じました。音楽には言語が関係ないから、私の曲の歌詞が英語であれ日本語であれ、気にすることなく楽しんでいただけたのが印象的でした。まだその時の喜びと感動が忘れられないんですよね。その時に出会ったお客さんのエネルギーが今でも私にとって大きな力になっています。

―アメリカでデビューのステージを経たということですが、SAAYさんは子供の頃から韓国の伝統音楽を学んでいたそうですね。韓国の伝統音楽がSAAYさんの現在の音楽に影響を与えた部分はありますか?

SAAY:物心がついた時時から家族全員が音楽をしていました。その中で、私が初めて音楽に触れたのが、母親から学んだ韓国伝統音楽なんです。伝統音楽は、私の舞台で立ち振舞いから表情、ボーカルスキルなど、今のスタイルの多くの部分のベースとなっています。

―幼少時代以降には、日本とアメリカにも住まれていた経験があるそうですね。

SAAY:はい。小学校に入学する前にアメリカでホームステイしていました。中学・高校になると、日本の大学に行きたいと思い始めて、長期休みになるたびに福岡に行って勉強をしていました。韓国で学校に通いながら、英語と日本語は並行して勉強していましたね。

日常生活のすべてのものに、インスピレーションの源が存在する

―様々な国の文化を体験してきたSAAYさんですが、海外と韓国の音楽シーンにどのような違いがあると感じますか?

SAAY:歌詞がどんな言語でも、音楽が良ければすべてを感じることができると思います。ただ、国ごとに情緒や文化が違うから、大衆が好きなジャンルや曲の雰囲気が少しずつ異なっているようには感じますね。

―最近では、韓国のアーティストが世界的にも活躍していて、韓国全体でもトップを目指すエネルギーが強く感じられます。SAAYさんも“ENCORE”という楽曲ではジャスティンビーバー、ファレル・ウィリアムス、ケンドリック・ラマーなど錚々たるビッグアーティストと活動している世界的なダンサー達と一緒にパフォーマンスを披露していますね。

SAAY:“ENCORE”では、世界的なダンサーたちとコラボをしたということ自体がとても有意義で、すごく満たされました。“この曲のの振り付けは録音スタジオで録音をしながら、たった30分で構想したのものなんです。全体的に自然な流れを意識しつつ、途中で映画的な構成も入れたので、その部分をじっくり見てもらうことで、この振り付けをよりよく感じていただけると思います。

―SAAYさんは、振付けだけでなく、自ら作詞作曲も手がけていますよね。曲作りのアイデアは、どこから生まれていますか?

SAAY:私は、アイデアを見つけるために強引に環境を作ったりはしません。それよりも、日常生活のすべてのものにインスピレーションの源が存在すると思います。だから私の役割は、いつも浮かんでくる特別な瞬間をうまくキャッチして出していくことかな。

―日常生活からインスピレーションをキャッチしていくとのことですが、今まで影響を受けているアーティストは誰でしょうか?

SAAY:Michael Jackson、Janet Jackson、Earth、Wind&Fire、Prince、Chaka Khanなどオールドスクールアーティストを本当にリスペクトしています。このようなレジェンドたちのアルバムを聴いて、自分の音楽についても常に研究を重ねていますね。

自分に関わるすべてを自分で行う、“セルフメイド”なアーティスト

ーでは、ご自身が思う「SAAY」の個性とはどういうものなのでしょう?

SAAY:作詞、作曲、歌、振付、プロデュース、自分に関わるすべてのことを自分自身で行う“セルフメイド”なアーティストだということかな。振り返ってみると、これまで私が好きで始めたことが、全てひとつとなり、今の私になり、かけがえのない武器になったと思います。私は音楽を通して自分自身を語って、世の中にメッセージを伝えている。そして、リスナーにとって一生に残るようなアルバムを作ることができればアーティストとして「成功」したと言えると思います。「all round-all player」という言葉が、一番私の個性を表しているかもしれないですね。

―ファッションでも強い個性を感じますが、スタイリングに関しては、なにかポリシーがありますか?

SAAY:もちろん、ファッションにもすごく興味があります。でも、ブランドを見て服を選んだりしませんし、ネームバリューは重要じゃないと思っています。一番大切なのは自分の体に合った服を着るということ。服が一流である前に、それを着る人自身が一流にならなければいけないと思うので。

―では、8月8日に発表された新作『HORIZON』で、特にオススメしたい曲などはありますか?

SAAY:私は明白なアイデンティティを持ちながらも、世界中のどこからでも見て聴いて、感じることができる水平線のような音楽を作りたいと思っていて。そんな信念が込められた“QUIET DOWN”と“WAKE UP!”がオススメですね。

―最後に、今後の活動についても聞かせてください。作詞、作曲、振付など、すでにマルチな才能を持っているSAAYさんですが、これからさらに挑戦してみたいことはありますか?

SAAY:まずは、私がしてきたことをより確実にして、もっとこだわりを持って活動していきたい。今の私は、自分自身が掲げた基準にすら届いていないと思うので、完璧になるまでもっと努力したいですね。

―日本でも活動するプランがあったら嬉しいです。読者にメッセージをお願いします。

SAAY:日本はいつも身近に感じている国なので、良い機会があれば、ぜひ音楽を通して日本のみなさんにお会いしたいです。『すぐ会うときまでみんなお元気で! ありがとう。じゃあね!♡♡』(←SAAY自身の日本語より)



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