電波少女が提言、オタクやネットラップをバカにしてきた人たちへ

電波少女が、アルバム『HEALTH』をもってついにメジャーデビューを果たす。客演に、ぼくのりりっくのぼうよみ、ササノマリイ、Jinmenusagi、NIHA-C、れをるを迎え、さまざまなビートメイカーが提供した最新のビートに目配せしながらも、ジャンルに縛られないトラック群を今の電波少女が鳴らすべきヒップホップを通過したポップミュージックとして昇華している。ネットラップ出身の彼らが、30歳になりメジャーフィールドで勝負する意義と覚悟を、MCのハシシとパフォーマーのnicecreamに聞いた。

正直、ヒップホップシーンで繋がりたい人はあまりいないですね。余計なトラブルに巻き込まれたくないし(笑)。(ハシシ)

―ネットラップ界隈も含めて、電波少女にとって「近い先輩」みたいな存在っていますか?

ハシシ(MC):ネットラップ界隈だといないですね。今も活動をしている人が、もうほとんどいないので。かと言って、可愛がってくれる先輩のバンドマンとかも特にいないです。

―むしろ募集中、みたいな。

ハシシ:はい、募集中ですね(笑)。

左から:nicecream、ハシシ
左から:nicecream、ハシシ

―自分たちから繋がりにいきたい人はいないですか?

ハシシ:正直、ヒップホップシーンではあまりいないですね。余計なトラブルに巻き込まれたくないし(笑)。

―それは前回のインタビューから繋がってくる話ですよね(電波少女・ハシシが語る、性格の悪さ、器の小ささ、そして野望)。ヒップホップ以外では?

ハシシ:それこそ、の子さんはおもしろいなと思うし(対談記事:電波少女×神聖かまってちゃん対談 ネット世界の変化に意見する)、の子さんの前に別の媒体でゴールデンボンバーの鬼龍院翔さんと対談させていただいて。僕が勝手に想像してるだけなんですけど、落ち着いていて、クリーンな方だなと。

―でも、やってることは突き抜けてるという。

ハシシ:そうですね。活動自体はおもしろいですけど、普段は悪いことをやってないんだろうなと思える人がいいですね。

―でも、ラッパーだってクリーンな人も多いでしょう。

ハシシ:いると思うんですけど、選別が難しいなっていう(笑)。でも、DOTAMAさんにはよくしていただいてます。ライブに呼んでいただいたり。

―DOTAMAさんも異端のラッパーという自覚があるから、電波少女にシンパシーを覚えるところがあるんですかね。

ハシシ:それもあるかもしれないです。全然面識がないときから好意的で。打ち上げの席でも自分たちが隅っこに座っていたら「電波少女、こっちに来なよ!」って言ってくれたり。

左から:ハシシ、nicecream

―アルバム『HEALTH』に参加したトラックメイカーやラッパーのメンツ(ぼくのりりっくのぼうよみ、ササノマリイ、Jinmenusagi、NIHA-C、れをる)は、ネット上で知り合った人が多いんですよね?

ハシシ:ネットラップ界隈の人もいますけど、ニコニコ動画で知り合った人もいますね。このメンツは最終的にそうなったという感じもありますけど、あえて選んだところもあります。ラッパーだとJinmenusagiくんとNIHA-Cくん以外はもうメジャーデビーしている人たちで。みんな素人から始めてるんですけど、ニコニコ動画でちょっとプロップスがある人たちって、境界線が曖昧じゃないですか。

―アマチュアなのか、プロなのか。

ハシシ:そう。そこからちゃんと今大きな場所に移ってがんばっている人たちと、どれだけおもしろいものを作れるのかという思いがありました。

―前回のインタビューでハシシさんは、ぼくりりくん(ぼくのりりっくのぼうよみ)とのコラボに対して「いいタイミングで実現したいですね。今の時点でコラボしても得するのはこっちだけなので」と言っていましたけど、今回実現しましたね。

ハシシ:そうですね。メジャー1stというタイミングで、あいつにメリットがあるかどうかわからないですけど、こちらとしては胸を張って呼べるタイミングだったので。

電波少女『HEALTH』ジャケット
電波少女『HEALTH』ジャケット(Amazonで見る

―このアルバムは、これまで培ってきた人たちとの繋がりもフィードバックしつつ、今、電波少女が提示したいことを音楽的にもリリックの内容的にも全部詰め込んだような内容になっていると思うんですね。

ハシシ:一貫したテーマはないんですけど、外枠だけはイメージが最初からあって。すべての曲のタイトルに身体のパーツを入れていたり(“ME”=「目」、“NO NAME.”=「脳」など)。ただ、曲に関してはとにかく1曲1曲いいものを作ろうと思って、自分が好きことを詰め込みました。

―その「好きなこと」を詳しく言うと?

ハシシ:ジャンルレスにいろんなタイプのトラックがあるということもそうです。トラックメイカーも顔なじみの人ばかりなので、徐々に距離感が縮まってるのも確かなんですよ。みんな電波少女のカラーを理解してくれていて。だから、ただ単に「最近のトラップっぽいトラックを作りました」とか、「トロピカルハウスっぽいトラックを作りました」とか「ロックっぽいトラックを作りました」って持ってきてくれたわけじゃない。

ちょっと「電波味」にしてくれてるんですよね。自分も口出しするところはあるんですけど、どんなトラックも「電波味」にしてくれているから、アルバム全体を通したときにまとまりができてると思うんです。

ゴリゴリのトラップのトラックは、正直あまりノる気がしない。「これって瞬間的にしか聴かれないんじゃないか?」って思うんです。(ハシシ)

―トラックメイカーに対して口出しするときは、どういうことを言うんですか?

ハシシ:これまでも口うるさく言ってきたのは、「ここまでエッジーにするんだったら別に電波少女のトラックじゃなくてよくない?」みたいな。そこにもうひとエッセンス、電波少女っぽさがほしいということですね。

左から:nicecream、ハシシ

―では、「電波少女っぽさ」というのは?

ハシシ:具体的には言えないんですけど、パッと聴いたときに……たとえばゴリゴリのトラップのトラックが送られてきても俺は正直あまりノる気がしないというか。「これって瞬間的にしか聴かれないんじゃないか?」って思うんです。そうなったら嫌だなって。長く聴いてもらう曲を意識してます。よくカレーにたとえるんですけど、日本味のカレーってあるじゃないですか。

―いわゆる家庭的な味のカレーだったり。

ハシシ:そうです。最初は本場のインドカレーからインスパイアされて作るんだけど、日本人の舌に合うバーモントカレーみたいなものが生まれた。電波少女は日本で勝負しようと思ってるので、インドカレーを作っても意味がないと思うんです。それだと広がっていかない。だから、本格的な味も混ぜつつ、日本で広がっていく「電波味」を作りたいと思っているんです。

―日本で得るポピュラリティーを意識していると。そのうえでトラップやトロピカルハウスのテイストを入れている。“21世紀難民”のトラックは和テイストのトラップという趣ですけど。

ハシシ:そうですね。そういうエッセンスもないと今の若い子が聴けないんじゃないかと思って。常に新しいことと広がりを持たせることの両方を意識していますね。

ハシシ

考えが何周もした同世代の人や、もっと大人の人たちにも共感してほしいんですよね。(ハシシ)

―nicecreamさんはどうですか? このアルバムの感触は。

nicecream(ボタンを押す係&パフォーマー):今まで聴いたなかで一番いい作品だなと思います。単純に自分の好みに近い感じがあって。

―好みというと?

nicecream:ポップすぎないというか。特に僕は“A BONE feat. Jinmenusagi&NIHA-C”が好きなんですけど。でも歌詞は、今の段階で全曲はもらってなくて。俺、もらってないよね?

ハシシ:そうだね(笑)。

左から:ハシシ、nicecream

nicecream:“A BONE”の歌詞もライブの楽屋に置いてあった資料を盗み見したくらいで、ほとんど理解はしてないんですけど、いい曲だなと思いました(笑)。

―いや、自分から資料をもらえばいいじゃないですか(笑)。スタッフに言えばすぐもらえますよね?

nicecream:もらえるんですかね?(笑)

ハシシ:こいつは受け身なんですよ。自分でもらいに行けよって思いますよね(笑)。

nicecream:「もらっていいのかな?」と思うところもあって(笑)。

―絶対にもらっていいですね。

nicecream:言い出すタイミングがわからないんですよね(笑)。

左から:ハシシ、nicecream

―nicecreamさんはハシシさんのラップを誰よりも近くで見ているじゃないですか。彼の歌っていることに変化を感じるところもありますか?

nicecream:昔と比べると喋り口調の歌詞が増えたなと思いますね。

ハシシ:それはもうだいぶ前に変化してる。こいつ、さっき受けたインタビューでもそう言ってて、「なに言ってるんだろう?」って思ったんですけど(笑)。

nicecream:歌詞の基本テーマみたいなものは特に変わってないなと思います。アウトプットの仕方が上手くなったとは思いますね。

―ハシシさん、その発言を受けてどうですか?

ハシシ:いや、変わったと思います。やっぱり歌詞って生きていくうえで自分に入ってくるもの、出ていくものみたいな感じなので。人間的な中身も徐々に変化してるし。それについても、さっき受けたインタビューで僕は「こういうところが変化しました」って言っていて、こいつもそれを横で聞いてるのに「変わってない」って言うんで(笑)。

nicecream:いや、変わってないのは根本的な部分がという意味でね(笑)。

ハシシ:まぁ、ネガティブをテーマにしてる部分はずっと変わってないですね。ただ、そこも徐々に変化していて。今まではずっとネガティブを吐き出してるだけだったんですけど、だんだん「そこからどうするか?」という視点を持つようになりました。それは「前を向こう」だけじゃなくて、「諦めよう」のときもあると思うんですけど。

左から:nicecream、ハシシ

―自分たちの音楽を広く届けようと思うがゆえの変化なんですかね?

ハシシ:それもあるし、あとは年齢もあると思います。当然、若いリスナーにも聴かせたいですけど、考えが何周もした同世代の人や、もっと大人の人たちにも共感してほしいんですよね。若い子に共感してもらえるのもありがたいですけど、正直若い子の考え方には厚みを感じないというか。偉そうなことを言うと、「それって1周目の考えじゃん」って思うんです。

1周目の「苦しい」と3周目の「苦しい」じゃニュアンスも違う。でも、それは何周も巡ると思うので。歳をとって「あのとき聴いた曲はもう共感できないな」って思ってもいいし、また同じところに戻ってきて「さらに深く意味がわかった気がする」って思ってもらってもいい。

―ハシシさん的に自分が迎えた何周目感が浮き彫りになっている曲はどれだと思いますか?

ハシシ:わかりやすいところで言うと、リード曲(“ME”“FOOTPRINTZ”“NO NAME.”)だったり、“A BONE~”だったり。たとえば“FOOTPRINTZ”は一見爽やかに「がんばろうぜ、前に進もうぜ」みたいな曲にも聴こえるんですけど、<心さえも 置き去りにして>というフレーズとか、わりとリスナーはサッと聴き流してる印象を受けて。正直、もっと深く考えてほしかったなって。それは自分がもっと上手い表現をすればよかったんですけど、「クソガキが聴いても絶対わかんねぇよな」とも思っちゃったんです。でも、今は理解できなくていいとも思う。

ハシシ:自分もGOING STEADYやTHE BLUE HEARTSを、わりと大人になってから聴くようになって。もちろん、それ以前にも聴いたことはあるんですよ。でも、いざ大人になって聴いたときに、「もし俺が高校生のときにハマってこの歌詞を聴いていても、深いところまで理解できてたかな?」と思うんですよね。だから自分の曲も、ここから年齢を重ねて、40代、50代になってまた聴こえ方が変わってくる感じを狙いたいんです。

僕はダンスをやっていて、肉体的にも賞味期限が長くないと思う。(nicecream)

―30歳でメジャーデビューって最近では珍しいことではないですけど、ハシシさん自身にとってはどういう感覚なんですか?

ハシシ:逆にどう思われてるのかな? って思いますね。ライブに行っても年下ばかりという状況になってはきているんですけど、時代的には受け入れてもらえているのかなと思います。「30代がモテる」みたいな記事とかも見たりするので、まだ夢があるかなと思ったり(笑)。

でも、長い尺度で見たときに、レコード会社にとっても、賞味期限は当然10代の子たちよりは短いわけじゃないですか。だから、短期間でちゃんと集中して早めに結果を出したいとも思っています。

―nicecreamさんはどうですか?

nicecream:ハシシの言った通りだと思うんですけど、僕はダンスをやっていて、肉体的にもより賞味期限が長くないと思うので。そのなかで効率よく練習しないといけないなって。

左から:nicecream、ハシシ

―10年後に電波少女のステージで踊ってるイメージは浮かべられますか?

nicecream:40歳のブレイクダンスか(笑)。踊ってるかもしれないですけど、スキルフルにというよりは、そのとき出せるフレーバーで魅せられるように方向転換する時期が来るのかなと思いますね。実際、周りにも40代でブレイクダンスをやってる人はいるので。

ハシシ:歌には、歳を重ねて出る深みや説得力があると思うんです。でもこいつは、アクロバットやブレイクダンスがどうしてもできなくなる日が来ると思う。なので、別のジャンルの要素を覚えるとか、そういう選択肢が必要になると思うんですよね。

日本のネットラップって、マッチョな人たちから見たら「雑魚がラップしてるから気に食わない」という意識があると思っていて。(ハシシ)

―さっきハシシさんはネットラップ界隈の先輩は活動してる人がほとんどいないと言ってましたけど、それはどうしてだと思いますか?

ハシシ:う~ん……同世代が多いというのもあると思うんですよ。ネットラップは俺らの世代がすごく多くて、歳上の人はそこまでいないんです。あと、10年くらい前、まだ今よりインターネットがちょっとアンダーグラウンドな時代にネットラップを始めた人たちってほとんど特殊な人だったんですよね。メンタルの病気になる人も多くて。普通に会社員になって家族を持って引退してる人もいるし。でも、病気になる人が多いなというイメージがありますね。

―社会からドロップアウトしてるような?

ハシシ:そう、ドロップアウトしてる人が多いですね。

―でも、ものすごい可能性を秘めたままドロップアウトしてしまった人もいるわけですよね?

ハシシ:そうかもしれない。それが上手く開花できたのか、できなかったのかという違いはあると思います。そもそも音楽をやってる人って社会に上手く適合できる人のほうが少ないと思ってるので。でも、逆にそういう人のほうがおもしろい作品を作れると思うんですよね。だからこそ、おもしろいと認知されなかったときが悲惨だなとも思うんですけど。

―その話に自分自身を照らし合せたときにどんなことを思いますか?

ハシシ:僕も、音楽を続けられなかった可能性がたくさんあったと思うんですよ。結局、勘違いで続けている結果というだけで。でも、チャンスを与えていただいたから、全力でできる限りやりたいなと思ってます。

―ただ、なんらかの能力や魅力がないと周りも自分を勘違いさせてくれないですよね? だから、ネットラップのシーンだけで終わらなかったとも言えませんか?

ハシシ:「根拠のない自信をどこまで減らさないか」みたいなゲームになってきてるというか。今も僕はネットラッパーって言われるし、一時期はバカにされてる感じがして嫌な思いをしてたんですけど、今はなんとも思わなくなって。むしろ、ネット出身でメジャーに上がってきた人たちにかっこいい人が多いという自負がある。

最初から、インターネットを使いこなして音楽を表現するのって、ハイテクで超かっこいいなと思ってたんですよね。でも、オタクだから嫌われてるんだなとも思っていて。これが、たとえば生意気そうな白人がやってたらかっこいいと思われていたと思うんですよ。ヴェイパー的なとか。

―ヴェイパーウェイヴ(2010年代初頭にネットコミュニティーから生まれた音楽ジャンル)ですか?

ハシシ:そうです。日本のネットラップって、マッチョな人たちから見たら「雑魚がラップしてるから気に食わない」という意識があると思っていて。でも、ストリートヒップホップの活動ってなにかと言われたら、別にないじゃないですか。

左から:ハシシ、nicecream

―たとえばサイファーとかはどうなんですかね?

ハシシ:サイファーもネットでできるじゃないですか。人との出会いもインターネットでできるし、トラックをもらったり、ラッパーの友達を作ることもできる。それってクラブで遊んで人間関係が生まれることと一緒だと思うんです。

でも、ネットのほうが効率がいい。ネットのメリットはそこだと思うんです。ただ、生の現場を否定するつもりはなくて。クラブでの活動からしか見えない景色や感じられない熱もあると思います。人としての魅力的なバックボーンや説得は当然生の現場のほうが特化してるなとも思いますし。

―ハシシさんの場合は生の現場もネットの世界も両方知ってるじゃないですか。それは電波少女にとってポイントだと思います。

ハシシ:そうですね。俺は生の現場の活動は余剰が多すぎるなと思うんです。クラブで朝まで拘束されて、出番が15分とか。「その15分で一体何人に聴かせられるんだろう?」って思うし。それよりもネットで何百人、何千人がいるコミュニティーで発信するほうが効率がいい。でも、最初の話に戻るんですけど、インターネットを使う人種が「オタク」と呼ばれるから、そうでない人たちから嫌われたんだろうなってすごく思うんですよ。

ただ、そういう流れも変わったと思います。マッチョな人たちもミュージックビデオにしろ、YouTubeにしろ、SoundCloudにしろ、ネットを使ってるし。告知だってSNSを活用してる。その垣根はほぼなくなっているなって。だから、むしろネットラッパーのほうが勝手に疎外感を感じてるところがあるのかもしれないです。

―漢がYouTuberとビーフする時代になってるし(笑)。

ハシシ:たとえば漢さんがああいうアクションを起こすと、それが皮肉めいていて、ギャグでやってるんだろうなというのが伝わるからおもしろいというのもあると思うんですよね。でも、10年前くらいはオタクの人たちが集まって、ネットを使って自分たちの曲をアップしてみたら、「こんなことができるんだ」と思われた一方で、「でも、オタクがやってるんでしょ? 気持ち悪いな」みたいなムードがあったと思うんですよね。

―でも、オタクの人たちも強いプライドがあったわけですよね?

ハシシ:あったと思います。だから、一時期はよく「ネットラッパーはスキルがヤバい」って言われていたし。今は生の現場にいる人たちも自宅で手軽に音源が録れる時代なので、みんな本当にラップが上手いし、クオリティーが高い曲を作ってますよね。

当時から、音源のクオリティーはネットラップのほうが高かったかもしれないですね。これはJinmenusagiくんが言っていたんですけど、オタクの人たちは追求する執念がすごくある。なにかにのめり込む人たちのことをオタクって呼ぶのは本当にその通りで。あと、自分は違いますけど、ネットラップ上がりの人は縦社会を経験していない人が多いので、横着だなと思う瞬間もあるんです。でも、逆に堂々としてる生意気さがいいのかもしれない。

語弊を生むかもしれないですけど、俺はフリースタイルバトルが好きでよく動画を見ていて、今だと高校生の子が大御所の怖いラッパーにバトル上で「殺す」みたいなことを言うじゃないですか。それって全然リアルじゃないですよね。でも、競技として成立している。つまり、ヒップホップが体育会系じゃなくなっているんですよ。否定ではなく、新しい文化になったんだなって思います。それこそ10何年前にバトルでそんなことを言ったら、普通に裏に連れて行かれてたと思うし。

―ハシシさんはそういう文化になってよかったと思いますか?

ハシシ:う~ん……俺はわりと老害っぽくて、縦社会は必要だと思ってるタイプですね(笑)。ぼくりりとかも、体育会系ではないけどちゃんと礼儀が正しいし、そういう子のほうがかわいいなって思います。

でも、今のいろんな人が入り乱れてる感じはすげぇおもしろいなと思います。なんでもできる時代だなって。やっちゃダメなことが少なくなってきてるので。だから、フリースタイルやバトルが流行ってるのはすごくいいことだと思う。

そういう時代になっても日本にヒップホップが根付かないのであれば、それはアーティストのせいだと思います。これだけチャンスがあるからこそ、みんなちゃんといい曲を作らないといけないと思いますし。今はその言葉を自分にも言い聞かせてる感じですね。

左から:nicecream、ハシシ

―電波少女がメジャーデビューしたのも時代の潮流の影響があると思いますか?

ハシシ:いや、関係ないですね。フリースタイルバトルブームの恩恵は1ミリも受けてないですし。

―それは間違いないですよね。日本語ラップシーンの動きとは一線を画してるわけで。

ハシシ:フリースタイルバトルが流行ってなくてもメジャーデビューはこのタイミングだったのかなって思います。逆に言えば、そのシーンとの見えない壁はあると思うんです。

でも、バトルに出てるような子が電波少女を聴いてくれているみたいなツイートをたまに見かけたりするし、みんなに聴いてほしいなと思っています。音の作り方はヒップホップが好きな人に届くようにも作ってるつもりなので。電波少女はいい感じにブレているところがブレてないと思うんですよ。それをちゃんとこの先も貫きたいですね。

左から:nicecream、ハシシ

リリース情報
電波少女
『HEALTH』初回限定盤(CD+DVD)

2017年9月27日(水)発売
価格:3,799円(税込)
BVCL-823/4

[CD]
1. INTRO
2. ME
3. FOOTPRINTZ
4. 21世紀難民 feat. れをる(from REOL)
5. 先天性ハートブレイク
6. 花火 feat. NIHA-C
7. MONE\CLIP feat. Jinmenusagi
8. SKIT1
9. 未来は誰かの手の中
10. クビナワ feat. ぼくのりりっくのぼうよみ&ササノマリイ
11. SKIT2
12. NO NAME.
13. A BONE feat. Jinmenusagi & NIHA-C
14. OUTRO
[DVD]
『電波少女 ワンマンライブ“EST.”at Shibuya WWW X(2017.06.18)』
1. INTRO
2. FOOTPRINTZ
3. オルタネートエラー feat. トップハムハット狂
4. Mis(ter)Understand
5. Earphone feat. Jinmenusagi
6. RY feat. Jinmenusagi
7. オーバードーズ feat. NIHA-C
8. MO feat. NIHA-C
9. ME
10. 笑えるように
11. COMPLEX feat. Jinmenusagi, NIHA-C
『MV & Short Movie』
12. ME MV
13. FOOTPRINTZ MV
14. NO NAME. -Short Movie-『デイドリーマーA』

電波少女
『HEALTH』通常盤(CD)

2017年9月27日(水)発売
価格:2,800円(税込)
BVCL-825

1. INTRO
2. ME
3. FOOTPRINTZ
4. 21世紀難民 feat. れをる(from REOL)
5. 先天性ハートブレイク
6. 花火 feat. NIHA-C
7. MONE\CLIP feat. Jinmenusagi
8. SKIT1
9. 未来は誰かの手の中
10. クビナワ feat. ぼくのりりっくのぼうよみ&ササノマリイ
11. SKIT2
12. NO NAME.
13. A BONE feat. Jinmenusagi & NIHA-C
14. OUTRO

イベント情報
電波少女
『メジャーデビューアルバム「HEALTH」リリースパーティー』

2017年10月7日(土)
会場:東京都 高円寺HIGH
※スペシャアプリ、LINE LIVEで生配信

プロフィール
電波少女
電波少女 (でんぱがーる)

2009年、インターネット動画投稿サイトに突如姿を現した数名の個性派MC・TMで電波少女結成。幾度のメンバー加入、脱退を経て、現在はMC担当ハシシとパフォーマンス&ボタンを押す係担当nicecreamの2名で活動。ハシシの等身大でリアルなリリックと、キャッチーなメロディーは一度聞いたら耳から離れない中毒性を持ち、ライブにおけるnicecreamのダンスパフォーマンスは、ほかでは味わえない華やかさがありライブならではの一体感を生み出している。各動画サイトにアップロードされたMVなどの映像は累計で300万再生を突破しており、今、最も注目と期待を集めているHIPHOPCREWである。2017年9月27日メジャーデビューアルバム『HEALTH』発売。



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