Yogee New Waves×CHAI 2組が違いを超えて深く通じ合うワケ

東京・渋谷から発信する、スペースシャワ―TV主催の音楽とカルチャーの祭典『TOKYO MUSIC ODYSSEY』。その数あるコンテンツのひとつ、『SHIBUYA STREET PROJECT』に、Yogee New Wavesの角舘健悟さんと粕谷哲司さん、そしてCHAIのカナさんとユナさんが登場。シーンを賑わすアーティストが渋谷を散歩し、様々なアーティストのおすすめスポットを掲載したガイドマップを作成するこの企画を通じて、音楽の街・渋谷の今を切り取ります。

今回、Yogee New WavesとCHAIが向かったのは、プラネタリウムとゲームセンター。星空を眺めながらロマンチックに宇宙に思いを馳せ……たかと思いきや、プリクラを大いに楽しむという、なんともカオスな散歩になりましたが、渋谷を自由奔放に楽しむ4人の姿からは、今を生き、そして未来に向かって汗も涙も隠すことなく全速力で突き進んでくポジティブなエナジーが思いっきり発散されていました。CINRA.NETは2組のロケに同行し、密着取材を敢行。みなさんも、この2組とともに、今と未来を思う存分楽しんでください。

男子4人組のYogee New Wavesと、女子4人組のCHAIが通じ合うワケ

今回、渋谷でゆかりの地を回ったのは、「Yogee New Waves」(以下、Yogee)の角舘健悟さんと粕谷哲司さん、そして「CHAI」のカナさんとユナさん。今、若い世代から圧倒的な支持を得る2組は、共同のLINEグループを持っているほど親しい間柄だそう。まずは、そんな2組の関係性から話してもらいました。

左から:粕谷哲司、ユナ、カナ、角舘健悟 / ロケの模様は『TOKYO MUSIC ODYSSEY』のInstagramでも配信
左から:粕谷哲司、ユナ、カナ、角舘健悟 / ロケの模様は『TOKYO MUSIC ODYSSEY』のInstagramでも配信(Instagramを開く

カナ(Vo, Gt):去年、Yogeeのツアーに呼んでもらったんだよね。

粕谷(Dr):あれ、楽しかったなぁ。俺がCHAIのライブを最初に観たのは『SYNCHRONICITY'17』だったんだけど、すっげぇかっこよかったのを覚えてる。いいライブをするバンドだなって思った。

左から:粕谷哲司、角舘健悟
左から:粕谷哲司、角舘健悟

角舘(Vo,Gt):CHAIはニューウェーブっぽいよね。俺らはバンド名で「New Wave」って掲げているわりに、音楽性は全然ニューウェーブじゃないから(笑)。CHAIみたいにビートが基軸になっていて、そのうえでギターも歌もいいっていう、そういうバランス感覚のいいバンドは最近いなかったなと思う。本当にかっこいいよ。

カナ:嬉しい! Yogeeのイメージはね、「海」って感じ!

角舘:感覚的だなぁ(笑)。

カナ:Yogeeのステージって、「Yogee New Waves」っていうロゴのネオンが光ってるじゃん。あれがまさに、Yogeeのイメージそのものって感じ。

左から:カナ、ユナ
左から:カナ、ユナ

Yogee New Waves『SPRING CAVE e.p.』(2018年)収録曲

カナ:海の感じがあって、お洒落で、でも、どこか田舎っぽくもあって。流行っているし、お洒落な人たちが観に来るバンドなんだろうけど、でもどこか懐かしい。それが「今」の日本の音楽だなっていう感じがするし、Yogeeがトップに立ったら素晴らしいなと思うんだよね!

ユナ(Dr,Cho):私は、一緒にライブをやらせてもらったときをすごく覚えていて。Yogeeの4人の間には、「男の絆」みたいなものがあるなって思った。そのくらい、この4人には「塊」感がすごくあるんだよね。カスちゃん(粕谷)が、周りを見ながら一生懸命叩いている感じとか……。

粕谷:ははははは(笑)。ありがとう(笑)。

ユナ:Yogeeは、ライブを観ると一層よさがわかる。仲間に入りたくなるんだよね。

左から:カナ、ユナ
左から:カナ、ユナ

カナ:わかる! Yogeeは少年みたいなんだよね。だから、観ていてキュンとする瞬間があるし、Yogeeのライブを観ると、「音楽好き!」「バンドやりたい!」って思う。

角舘:自分たちだってバンドやってるじゃん(笑)。……でもさ、俺たちには男だけのバンド特有のものがあると思うけど、CHAIには、「オンナバンド」特有のグルーヴ感があるよね。それは音楽的な部分じゃなくても。やっぱり「かわいさ」みたいなものって、女の子だからこそ出るものだと思うし。

左から:粕谷哲司、角舘健悟
左から:粕谷哲司、角舘健悟

CHAI『わがまマニア』(2018年)収録曲

粕谷:確かに。今まで俺らの周りに男女混合のバンドはいたけど、女性だけのバンドっていなかったんだよね。俺たちは男だけで、CHAIは女の子だけでやっていて、だからこそ、この2組の間には特別な結託感が生まれているんだと思う。

角舘健悟というソングライターのポエジーが、四位一体の「バンド」という形態を伴うことで、特別なきらめきを生むYogee New Waves。

Yogee New Waves
Yogee New Waves(最新のインタビュー記事を読む

そして「NEOかわいい」という合言葉を強烈なグルーヴに乗せて、世の価値観を変えようとする無敵のオンナバンド・CHAI。

CHAI
CHAI(最新のインタビュー記事を読む

この2組の間には、性別をはじめとした様々な違いを乗り越えて、通じ合えるものがあるようです。

「プラネタリウムで宇宙を見ながら、そこで鳴っている音を想像したりするのが好きで」(角舘)

では、ここからは渋谷散策スタート。最初にやってきたのは、Yogee New Wavesの角舘さんが選んだスポット「コスモプラネタリウム渋谷」です。

左から:粕谷哲司、角舘健悟、カナ、ユナ / 「コスモプラネタリウム渋谷」にて
左から:粕谷哲司、角舘健悟、カナ、ユナ / 「コスモプラネタリウム渋谷」にて(サイトを見る

渋谷駅から徒歩5分という立地の「渋谷区文化総合センター大和田」の12階にあるプラネタリウムは、渋谷区で40年もの間親しまれてきた「五島プラネタリウム」が2001年に閉館したのち、その跡を継ぐ形で2010年の11月に開館しました。同施設の2階には、今でも「五島プラネタリウム」の投影機が展示されています。

 

この日の「コスモプラネタリウム渋谷」では、2050年に実現化するといわれている「宇宙エレベーター」をテーマにした投影が行われていました。

角舘:プラネタリウム、好きなんですよね。恥ずかしいからあんまり言いたくないんだけど、昔付き合っていた子とも来たことがあって。このプラネタリウムのドームって、実は渋谷のスクランブル交差点から見えるんですよ。

カナユナ:へぇ~!

角舘:大学生の頃、「あの丸いの、なんだろう?」って思っていて。調べてみたら、プラネタリウムだったんだよね。プラネタリウムで宇宙を見ながら、そこで鳴っている音を想像したりするのが好きで。最近、部屋用のプラネタリウムも2個買ったんですよ。それを「いいなぁ~」って、ひとりで眺めています(笑)。

家でもプラネタリウムを楽しむという角舘さん。ちなみに、粕谷さんはSF映画が大好きだそう。優れたSF映画は、私たちの生きる現代のリアルを反映しながら、その先に広がる様々な未来の可能性を見る人に感じさせるものですが、そんなSF映画の「日常と、その一歩先」を見つめるような眼差しは、Yogee New Wavesの音楽性にも通じるものがあるのかもしれません。

左から:ユナ、カナ、角舘健悟、粕谷哲司
左から:ユナ、カナ、角舘健悟、粕谷哲司

Yogee New Waves『WAVES』(2017年)収録曲

この日、投影のナビゲーターを務めてくれた「コスモプラネタリウム渋谷」職員の佐々木勇太さんも、「星」をテーマにした世界一周の旅を経て、現在の職に就いたという生粋のロマンチスト。星空の解説では、「冬の大三角形」を構成するシリウス、プロキオン、ベテルギウスという3つの星の、それぞれが欠けてはならない関係性を「まるでバンドのよう」と例えていました。

左から:粕谷哲司、角舘健悟、カナ、ユナ
左から:粕谷哲司、角舘健悟、カナ、ユナ

左から:粕谷哲司、角舘健悟
左から:粕谷哲司、角舘健悟

「渋谷は、地元の名古屋にないものが全部揃っている街ってイメージ」(ユナ)

続いてはCHAIが選んだ渋谷のスポットに移動です。ここで、2組にとっての「渋谷」という街のイメージを訊いてみました。

角舘:Yogeeの曲や歌詞のイメージって、渋谷みたいな都会よりも、もっと身近な、自分のたちの住んでいる街っていう感じだと思うんですよね。もっとあたたかいというか。でも、渋谷には個人的な思い出もあって。

 

角舘:俺、3歳くらいからパーカッションを習っていたんですけど、その練習の帰りに、いつも渋谷でご飯を食べさせてもらっていて。それが楽しみで毎週練習していたんですよね。今の自分にとって渋谷は、長居する場所ではないけど、レコード屋や楽器屋に行ったり、喫茶店に行ったりはしますね。

粕谷:「トップ」っていう喫茶店にはよく行くよね。そこでバンドの会議をしたり、1年くらい前に新メンバー(竹村郁哉、上野恒星)が入ったときも、そこで顔合わせをしたりして。あと、バンドとしては、昔はよくスタジオ帰りに渋谷で卓球やったりもしていましたね。

ユナ:私たちは、まだ上京してから2年くらいしか経っていないんだけど、渋谷は、地元の名古屋にないものが全部揃っている街ってイメージ。発信源がいっぱいある。

 

ユナ:私は高校卒業してから、名古屋からバスに乗ってドラマーのセッションライブを観に来たりしてた。カースケ(河村智康)さんのドラムが観たくて、来たりしてたなぁ。

カナ:最近は、化粧品を見にきたりすることが多いんだけど、渋谷は、やっぱり人が多いよね。この人の多さには、まだ慣れないなぁって思う。

 

一行はプリクラへ。カナとユナの無邪気な姿に垣間見たCHAIの本質

まだまだ、渋谷には新鮮な想いを感じているというCHAIですが、ここで、CHAIが選んだ渋谷スポットに到着。CHAIが選んだのは、なんとプリクラ。まだ東京に来て間もないCHAIは「Yogeeと一緒にプリクラが撮りたい!」ということで、この場所を選んだようです。

「アドアーズ 渋谷店」にて
「アドアーズ 渋谷店」にて(サイトを見る

今回やってきたのは、宇田川町にある「アドアーズ 渋谷店」。店内ではコスプレ衣装の貸し出しを行っているほか、白ホリスペースの利用も可能という、渋谷最大級のプリクラ専門店です。店内に入るなり、どの機種で撮ろうかとウロつくCHAIの2人。Yogeeの2人は、アイスを買って食べはじめるという自由っぷりも発揮しつつ、4人でプリクラを堪能していました。

 

 

 

 

今、CHAIは「NEOかわいい」「コンプレックスはアートなり」というコンセプトを掲げています。そこには「自分たちのありのままも欲望も、全てを肯定しながら生きいこう」という、特に世の女性たちに向けられた力強いメッセージがあります。無邪気にプリクラを楽しむCHAIの2人を見ていると、彼女たちのメッセージが決して上から目線の大言壮語や理想論などではなく、等身大の女性の視点から発せられる、とてもあたたかなものなのだと改めて感じさせられました。

カナ、ユナ
カナ、ユナ

CHAI『わがまマニア』収録曲

「私たちは明るいよね。Yogeeもすごく明るいと思う」(カナ)

Yogee New WavesとCHAIの2組の渋谷散策を密着して感じたのは、今、この瞬間を目いっぱい楽しもうとすること、そして、少しずつでも「いい方向」へと、自分や世界を変えていこうとすること――そんな、この2組に共通した姿勢のようなものでした。

 

 

「コスモプラネタリウム渋谷」で見た「宇宙エレベーター」をテーマにした投影では、19世紀にフランスのパリでエッフェル塔が建造されたときから「宇宙エレベーター」まで続く、「より高い場所に行ってみたい」「そこから世界を見渡してみたい」という人類の夢と理想の歴史も語られていました。

もちろん、未来を語ろうとするときに、私たちが思い描くことは、決して明るい未来だけではありません。映画や小説のSF作品のなかには、ディストピア的な風景が広がる未来を描いた作品もたくさんありますし、そういった作品が、今の時代を生きる私たちに様々な問題提起をしてくれることも多々あります。

しかしながら、Yogee New WavesとCHAIという2組のバンドがこの2018年に鳴らしているのは、今の自分たちを肯定し、未来へと進もうとする強い意志です。こうした新世代の表現者たちがいることもまた、私たちにとって、大きな希望なのだと思います。

Yogee New Waves『WAVES』収録曲

CHAI『わがまマニア』収録曲

カナ:確かに、私たちは明るいよね。Yogeeもすごく明るいと思う。

角舘:そうだね。周りに認められないから音楽をやるとか、ネガティブなモチベーションで音楽をやりたくないってすごく思う。もっとハッピーな気持ちで音楽をやりたいし、それによって、人がよくなっていく様が見たい。

左から:粕谷哲司、角舘健悟
左から:粕谷哲司、角舘健悟

角舘:自分たちの生きていく環境がよくなっていったり、自分自身が音楽のおかげでオープンマインドになっていったり……俺たちは、そういうことに感動したいんですよね。だから、未来は明るいって思いたいです。いつか、CHAIとYogeeで、宇宙で対バンやろうぜ。

カナユナ:やりたい!

カナ、ユナ
カナ、ユナ

今回の『TOKYO MUSIC ODYSSEY』の舞台となっているのは、今、100年に一度の大開発が進んでいる渋谷です。もちろん、なにかが変わっていくときには、そこで失われていくものもあります。しかし、変わっていくことで生まれるポジティブなこと、新しく出会える物事に思いを馳せることも、きっと、生きていくうえで大事なことなのだと思います。「宇宙で会おう」――そんな約束が現実的にできる日も、そう遠くはないかもしれないのですから。

 

 

 

 

プロジェクト情報
『SHIBUYA STREET PROJECT』

渋谷のストリートスナップ、日々変わっていく渋谷の風景をキャプチャーしながら、東京ローカルの遊び場や東京で活躍するアーティスト、クリエイターが旬な渋谷の音楽&カルチャー情報を発信。スクランブル交差点だけじゃない、観光ガイドには載らない渋谷の面白ポイントをチェック!

イベント情報
『TOKYO MUSIC ODYSSEY 2018』

『TOKYO MUSIC ODYSSEY』とは、「都市と音楽の未来」をテーマに、スペースシャワ―TVが東京、渋谷から発信する音楽とカルチャーの祭典。時代を創るアーティスト、クリエイターと、この街に集まる多種多様な人々が出会い、共に未来を描く、都市型フェスティバルです。

プロフィール
Yogee New Waves
Yogee New Waves (よぎー にゅう うぇいぶす)

2013年に活動開始。2014年4月にデビューEP『CLIMAX NIGHT e.p.』を全国流通でリリース。その後『FUJI ROCKFESTIVAL』《Rookie A GoGo》に出演。9月には1st album『PARAISO』をリリースし、年間ベストディスクとして各メディアで多く取り上げられる。2015年2月に初のアナログ7inchとして新曲『Fantasic Show』を発表。12月には2nd EP『SUNSET TOWN e.p.』をリリース。2017年1月にBa. 矢澤が脱退し、Gt.竹村、Ba.上野が正式メンバーとして加入し再び4人編成となり始動。5月17日に2ndアルバム『WAVES』をリリースし、CDショップ大賞2018前期のノミネート作品に選出。リリースツアーは全国8都市でワンマンを決行し各地ソールドアウト。夏には、『FUJI ROCK FESTIVAL』『ROCK IN JAPAN』『頂FES』『CIRCLE』『森道市場』『SWEET LOVE SHOWER』『WILD BUNCH』など、全国の大型野外フェスに多数出演。11月から全国公開の映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』の主題歌に「SAYONARAMATA」が起用される。2018年3月14日にはメジャーデビューとなる新作『SPRING CAVE e.p.』をリリースした。

CHAI (ちゃい)

ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、「NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド」、それがCHAI。誰もがやりたかった音楽を全く無自覚にやってしまった感満載という非常にタチの悪いバンドで、いきなりSpotify UKチャートTOP50にランクイン、2017年SXSW出演と初の全米ツアーも大成功、FUJI ROCK FESTIVAL“ROOKIE A GO GO”超満員を記録など、破天荒な活動を繰り広げる。そして期待値最高潮のなか2017年10月に1stアルバム『PINK』をリリースし、オリコンインディーチャート4位、iTunes Alternativeランキング2位にランクイン。また日本テレビ系『バズリズム02』の「コレはバズるぞ2018」では1位にランクイン、『第10回CDショップ大賞2018』に入賞など、注目度が更に増す中、2月に『PINK』US盤をアメリカの人気インディーレーベルBURGER Recordsよりリリースし、3月にはアメリカ西海岸ツアーと2度目のSXSW出演を大成功に収める!彼女たちに触れた君の21世紀衝撃度No.1は間違いなく『NEOかわいいバンド』、CHAIだよ!



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