夏曲カバーから読み解く「90年代リバイバル」と「ラップブーム」

90年代ヒップホップの2大サマーアンセムが、この夏復活

小沢健二とフィッシュマンズがそれぞれひさびさのライブツアーを行い、UAやサニーデイ・サービスの新作が共に高い評価を獲得するなど、2016年は「90年代リバイバル」が本格的に到来した年になっている。

この夏、鎮座DOPENESS、環ROY、U-zhaanの三人がスチャダラパー“サマージャム'95”のカバーをYouTubeにアップしたのに続いて、DJみそしるとMCごはんの新作『味の向こう側~入り口~』には、同じく1995年に発表されたかせきさいだぁの“じゃっ夏なんで”にオマージュを捧げた“夏とセンパイなんです”が収録されているのは、ただの偶然とは思えない。

90年代ヒップホップを代表する2大サマーアンセムが相次いで取り上げられたのは、前述の「90年代リバイバル」と「ラップブーム」が関係しているのではないだろうか。

「スピード写真」や「テープ」。往年の名曲の歌詞を聴き直す楽しみ

セミの鳴き声で始まるイントロからして、蒸し暑い夏の日にアイスを食べながら聴きたい“夏とセンパイなんです”には、1997年に発表された広末涼子“大スキ!”がサンプリングされていて、ここにも「90年代リバイバル」が感じられる。そして、ドライブデートにピッタリな“大スキ!”の歌詞には、90年代の時代感がよく表れている。

写真いっぱい撮ったね
「今すぐ見たいよぉ」

夕焼けの帰り道 予定変更
スピード写真に寄り道
「1時間後です。」
あと 1時間 ドライブ
ごめんね ほんとは
もう少し 一緒にいたかったんだ

広末涼子“大スキ!”(1997年)より引用

現代のように誰もがスマホを持っていないからこその歌詞が今聴くと新鮮だが、“サマージャム ‘95”にしても、原曲の<夏用のテープとかはしっかり作るのよ>という歌詞の「テープ」が、カバーだと「ミックス」に変わっていて、PVでもパソコンの画面上でミックスを作っていることに時代の流れが見て取れる。90年代夏曲のカバーと言えば、山下智久がカバーした真心ブラザーズの“サマーヌード”(オリジナルは1995年発表)も有名だが、こちらも原曲と聴き比べてみると、何か発見があるかもしれない。

若手バンドのサマーアンセムと現在のラップブームの関係性

もうひとつ、“サマージャム ‘95”と“じゃっ夏なんで”が2016年に再び取り上げられたもう一つの理由として、現在の「ラップブーム」を無視することはできない。ブームの直接的なきっかけは、テレビ番組『フリースタイルダンジョン』のヒットだが、近年のインディーシーンでは、R&B / ヒップホップ的な音を鳴らすバンドが増えていたのも、ブームの背景として見逃せないように思う。そして、この流れを象徴する2つのバンド、ceroとSuchmosも、それぞれ“Summer Soul”と“Pacific”というサマーアンセムを持っていて、どちらも海の見えるロケーションにぴったりだ。

茅ヶ崎出身のYONCEがフロントマンを務めるSuchmosの“Pacific”の中には<SNSよりbeachで 愛の言霊をささやいて>という歌詞があり、これは地元の大先輩であるサザンオールスターズが1996年に発表した“愛の言霊~Spiritual Message~”のオマージュ。ここからも「90年代リバイバル」が垣間見える。

気分やシチュエーションにあわせて豊富なプログラムが楽しめる定額制音楽サービス「dヒッツ」

さて、ここまでに紹介した夏曲を一度おさらいしてみよう。

スチャダラパー“サマージャム ‘95”(1995年)
かせきさいだぁ“じゃっ夏なんで”(1995年)
DJみそしるとMCごはん“夏とセンパイなんです”(2016年)
広末涼子“大スキ!”(1997年)
真心ブラザーズ“サマーヌード”(1995年)
cero“Summer Soul”(2015年)
Suchmos“Pacific”(2014年)
サザンオールスターズ“愛の言霊~Spiritual Message~”(1996年)

「夏のカバー曲」「90年代」「ヒップホップ」というキーワードを軸に、「2016年の夏」を感じられるようなプログラムを作り上げてみたが、これらの楽曲はすべて定額制音楽配信サービス「dヒッツ」で聴くことができる。今やこうしたサービス自体は数多くあるが、「dヒッツ」はオリコン2015アーティストトータルセールスTOP100配信アーティスト数が国内ナンバー1で、過去の名曲から2016年の最新のJ-POPまで幅広く楽しむことができる。もちろん、取り扱っているのはJ-POPだけではなくて、国内で人気の洋楽からアニソンまでを網羅している。

dヒッツ
dヒッツ

中でも、「dヒッツ」最大の特徴となっているのが、シチュエーションや気分に合わせて選ぶことのできる豊富なプログラムの存在で、3000以上ものプログラムが聴き放題。「お散歩BGM」や「ちょいワルな夜のBGM」のように設定がかなり細かく、夏のプログラムだけでも、「アガる↑SUMMERチューン」「潮風に吹かれながら聴きたい曲」「ビアガーデンに行こう♪」、さらにはちょっと変わった「衣替えの夜」など盛りだくさん。細やかなシチュエーションにあわせてプログラムを選ぶことができ、さらに気に入った曲を登録できる「myヒッツ」が実装されているので、オリジナルのプレイリストを作ることも可能だ。

dヒッツ「夏に聴きたい!」プログラム一覧
dヒッツ「夏に聴きたい!」プログラム一覧

ちなみに、今回リストに挙げた曲で言うと、“サマーヌード”は「夏のにおいとセツナソング」「花火ソング」といったプログラムに入っているが、例えば、“サマージャム ‘95”はプール帰りのちょっと気怠い午後に、“じゃっ夏なんで”は浴衣を着てお祭りに出かけるときに、“愛の言霊~Spiritual Message~”は肝試しの気分の盛り上げに使ってみるのも良さそうである。「dヒッツ」で夏の終わりを素敵な音楽で彩ってみてほしい。

サービス情報
dヒッツ

国内で人気のアーティスト配信数No.1で、最新J-POPから洋楽やカラオケのヒット曲、懐かしの名曲、シチュエーション別の楽曲まで3000プログラムを取り揃え、毎月定額500円(税抜)で、好きな時に好きなだけ音楽を楽しむことができる。ドコモ以外の方でも利用可能。初回31日間無料で使えるキャンペーンも実施中。



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