BENIがポジティブに歌い上げるベートーベンの名曲“悲愴”

BENIと渡辺直美、盟友コンビが再び共演

10代、20代を中心に圧倒的な歌唱力で人気を誇る、実力派歌手BENI。ジャンルを超え、マルチに活躍しているお笑いタレント渡辺直美。一見まったく関係ないようにみえるこの二人、実はプライベートで親交があるらしい。その盟友ぶりは、BENI“フォエバ”のPVを見ていただいたほうが早いかもしれない。ロケ先のグアムでプライベートのように陽気にはしゃぐ二人の様子に、その親密な関係性が見てとれる。

意気投合ぶりをみせた二人が今回「ダイナマイトボートレース」のテレビCMで再び共演した。冒頭、渡辺直美の登場とあわせて美声を披露したかと思いきや、BENIのボーカルに切り替わるという内容で、臨場感溢れるアングルで撮影されたボートレースの映像も特徴の一つだ。既に2017年の年明けからオンエアされているので見た方も多いかもしれない。

ダイナマイトボートレースCM『Let`s BOAT RACE 「渦潮」篇』
ダイナマイトボートレースCM『Let`s BOAT RACE 「渦潮」篇』

なぜか耳に馴染む理由は、クラシックの名曲のアレンジにあった

BENIが歌うこの楽曲を、どこかで既に聴いたことがあると感じた方も多いかもしれない。それもそのはず、この楽曲はクラシックの名曲のアレンジなのだ。

ベートーベンの初期の傑作とされている“ピアノソナタ第8番 ハ短調 作品13 悲愴”がこの曲の原曲となっている。なぜベートーベンはタイトルに“悲愴”とつけたのか、作者自身による解説は存在しないが、この曲が作られた時期に、ベートーベンは難聴を自覚したと伝えられている。穏やかに聴こえるメロディーには、聴覚を失うことの底知れない深い悲しみが潜んでいるようだ。ベートーベンが自作に表題をつけることは珍しく、ピアノソナタでは他に『告別』があるのみだという。

クラシックの悲しい名曲が、現代のポジティブソングに変貌を遂げる

自作に限らず1990年代から00年代の日本の名曲を英語詞でカバーし、多くのファンを魅了してきたBENIでも、クラシックをベースにした曲を歌うのは今回が初めてだったという。また当初、ベートーベンの名曲をアレンジすることは光栄である反面、プレッシャーにも感じていたようだ。

「誰もが知っているメロディーだからこそ、ボーカルをのせるのが難しくて、普段と違う緊張感があった」と語るBENI。レコーディング時に一緒になったオーケストラのメンバーに背中を押された部分がたくさんあったそうだ。

今回初めてオーケストラをバッグにレコーディングを行なったことが、歌のパフォーマンスの向上にも繋がったという。レコーディング後、「何かに向かっている道中の、その間に見つける大切なものを忘れたくない」と語ったBENIは、このレコーディング中になにか得るものがあったに違いない。

“見えないスタート”レコーディング風景
“見えないスタート”レコーディング風景

名曲“悲愴”は“見えないスタート”へとタイトルを変え、メッセージの力で聴く人の背中を押す前向きな楽曲へと大きく変貌を遂げた。冒頭、<なぜに恐れないの?>と歌われるこの問いかけは、BENI自身がこの楽曲に挑む気持ちの表れとも重なるようだ。18世紀末、深い悲しみの中で作られた歴史に残るクラシックナンバーは、200年余りの時を経て、みごと現代人の背中を押すポジティブソングへと生まれ変わった。

リリース情報
“見えないスタート”

2017年2月8日(水)からLINE MUSIC、iTunes Store、レコチョクで配信リリース

プロフィール
BENI
BENI (べに)

沖縄県出身。アメリカ人の父と日本人の母を持つバイリンガル。2008年に発売した「もう二度と…」が着うたランキング1位を記録し話題に。女性のリアルな気持ちを歌ったラブソングが多くの共感を呼び、2ndアルバム「Lovebox」がオリコンチャート1位を獲得。ファッションアイコンとしても注目を集め、BENIプロデュースの商品が10万個のヒットを記録する。2012年には自身初となる英語詞カヴァーアルバム「COVERS」をリリース。オリコン1位を記録しロングヒット、第27回日本ゴールドディスク大賞『企画・アルバム・オブ・ザ・イヤー』受賞。iTunes年間アルバムランキング、レコチョク年間アルバムランキングでも共に1位を獲得、「COVERS 3」と合わせシリーズ合計100万枚の大ヒットを記録した。2016年第1弾は季節をテーマにしたアルバム「四季うた summer」をリリース、新しいコンセプトアルバムとして話題を呼んでいる。確かな歌唱力と音楽性の高さに注目が集まる実力派シンガー。



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