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『ヨコハマ カルチャーガイド』-街から生まれるクリエイティブ- vol.3:大谷能生と行く横浜

シリーズ最後に登場して頂くのは、音楽家・批評家の大谷能生さん。横浜国立大学入学を機に青森から移り住んだのが20年前。それからずっと、この街に住み続けています。アートはもちろんのこと、ジャズ、古本、映画、レコードなどの文化が根付いているのも横浜の姿。「毎日過ごしている街なので、今さらおすすめスポットとかはないですが、いつも行っている場所なら案内できますよ」と語る大谷さんと共に、「横浜の日常」を歩きます。スポットへ遊びに行くだけではなかなか見ることのできない、人懐っこい横浜をお楽しみください。

(取材・テキスト:田島太陽 撮影:柏井万作)
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1972年生まれの批評家、音楽家。著書に『大谷能生のフランス革命』、『東京大学のアルバート・アイラー ―東大ジャズ講義録』シリーズ(菊地成孔との共著)、『貧しい音楽』、『持ってゆくうた 置いてゆくうた』など。その他、mas、sim、mjqtなどのバンドで活躍している。公開中の映画『乱暴と待機』では音楽を手がけており、「相対性理論と大谷能生」名義で主題歌も担当した。

ディスクユニオン横浜関内店

まず訪れたのは、馬車道駅から歩いて5分のディスクユニオン横浜関内店。古本屋でバイトをしていた学生時代はほぼ毎日通っていたと言う大谷さんが、今でも時間を見つけて訪れるお店です。「貧乏だった頃、300枚くらいのレコードをまとめて3万円ぐらいで売ったこともあります。でもそのお金でまた新しいレコード買ってました(笑)」。

79年にオープンした老舗店で、メインはやはりジャズ。ロックは60年代と70年代が中心で、他店舗には置いてあるようなパンクやフォークは取り扱っていないそう。「メインのターゲットは40代50代の方なんです。今はDJもレコードを使わなくなってきているし、若いお客さんは減ってしまいましたね」と店長の篠崎さん。それでも他店舗よりアナログレコードがよく売れるのは、横浜ならではの特徴のようです。

神奈川芸術劇場(KAAT)

大谷さんがジャズを好きになったのは中学の頃。「やってみないと本当の良さは分からないのでは」と考え、演奏を始めたのが18歳。以来何十年も音楽に関わり続けながら通うこのお店は、その音楽観の根底を支えた場所ともいえるでしょう。この日も20分ほど店内をぐるりと周り、2枚のレコードを購入。「昔からお世話になってきましたけど、実はトイレが広くてきれいなのも気に入っています(笑)」と話しながら、お店をあとにしました。

住所: 横浜市中区常盤町4-45
電話:045-661-1541
HP:http://diskunion.net/

店長の篠崎さん。レコードの魅力はやはりモノとしての存在感だと言う。 日本人JAZZの棚
馬車道駅から関内駅へ向かうと気持ちのいい街並み広がっていた

試聴室その2

続いては黄金町にある「試聴室その2」。2年前に開催された「黄金町バザール」の憩の場所としてスタート、その後も営業を続けている、ライブ用のステージも備えた喫茶空間です。ギャラリースペースやイベントスペースも併設されており、ギャラリーでは大谷さんとチェルフィッチュの山縣太一さんによるユニット「ライン京急」が公演を行ったこともある居心地の良い空間。

自由に読める本や飲み物が充実しており、大谷さんは散歩ついでにフラっと寄ることも多いそう。壁にはたくさんのレコードがかけられ、大谷さんも「面白い本もいいレコードもいっぱいあるんですよね」と羨ましそう。「自宅の本棚に入らないものを持って来たら、だんだんと自分の部屋みたいになってきちゃっただけですよ」と笑うのは、店長の永山さん。お二人はよくレコードの話で盛り上がるのだとか。では、アナログの良さとは何でしょうか?

「アートっていうとおおげさだけど、好きな写真を1000円で買うと思えば安いですよね。そう考えればこのレコードのジャケットサイズって、飾るのにちょうどいいですしね。そこに音楽までついてくるんだから、お得なんですよ」(永山)。

「ソファとかイスのような調度品みたいなものですよ。僕はそこまで大金は使わないけど、こういう感覚って今の若い人には伝わらないんですかねぇ」(大谷)

リラックスして話しを楽しむ大谷さん

話しが盛り上がっていた頃、50年以上前から横浜に住んでいるという常連の方が来店。昔の黄金町の話や、映画『ヨコハマメリー』で有名なメリーさんとの思い出話を披露して下さいました。こういったコミュニティが生まれるのも、古くからの歴史が根付く街の面白さかもしれません。

後半はまち歩きスポットとしても有名な伊勢佐木モールそして、生活の営みを感じさせる横浜橋商店街 へ
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