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吠える! 難波章浩(Hi-STANDARD、ULTRA BRAiN)インタビュー

吠える! 難波章浩(Hi-STANDARD、ULTRA BRAiN)インタビュー

インタビュー・テキスト
柏井万作(CINRA.NET編集長)
2009/03/27

Hi-STANDARDのボーカルとして日本中の若者を熱狂させた難波章浩。音楽を通して人の輪を作り上げてきた彼が、チベットの自由を支援する為にベネフィット・コンピレーション・アルバム『ソングス・フォー・チベット・フロム・ジャパン』を作り上げた。 難波の呼びかけに応じたのは、CORNELIUS、細野晴臣、THA BLUE HERB、BOREDOMS、SHINICHI OSAWAなど全18組。他では考えられないラインナップである。これほどのアーティストたちがどうして難波に呼応し、「チベットの自由」を訴えているのだろうか。

去年ああいうことが起きて、何もやらないわけにはいかない、なにかしら動かないと自分が許せなかった。

―難波さんが「チベット問題」を知ったきっかけは何だったんでしょうか?

難波:『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(1997年 ブラッド・ピット主演)という映画がきっかけでした。その時はまだ「チベット問題」は知らなくて、ダライ・ラマに興味をもったんですよね。すごい人だなーって。それで、ダライ・ラマが書いた『死の謎を解く』という本を読んだんです。

―その本にはどんなことが書かれていたんですか?

難波:人はいつか死ぬんだと。だから今を一生懸命生きろと。そういうことを言ってて、すごい感動したんだよね。そうやってチベットに興味を持ち始めた時期に、ビースティー・ボーイズから連絡があったんだ。「『チベタン・フリーダム・コンサート』に出ませんか?」って。

―1999年に行なわれた4回目の『チベタン』ですよね。世界4カ所で同時開催されて、東京ではHi-STANDARDや忌野清志郎が出演して。

cornerius

難波:そうですね。だけど最初は、出演するかどうか悩んだんですよ。社会的な問題を提起するイベントだから、そこにハイスタが参加するとファンの人達はどう思うんだろう? って考えていたんです。その時はまだ若かったし、そこに踏み込んでいいのかどうか、すごく怖かったんだよね。

―確かに、バンドが社会性を帯びていきますもんね。

難波:その時に初めて、人を集めることによって社会性を帯びちゃう、それくらいの規模のバンドになってるんだと自覚した。人を集めることで、自分たちに責任が出てくるんじゃないかって思ったんだよね。

―そうだったんですね。でもハイスタは、『AIR JAM』という時代を象徴するロックフェスまで主催していたじゃないですか。

難波:『AIR JAM』もさ、人を集めてただワーワーやるだけじゃなくて、最終的にはひとつの輪になれるような、そういうムードを持ちたいなって思ってた。大きな影響力を持つようになった時、ぼくはそういう方向に進んでいったんだよね。

『チベタン』に出た時、音楽のパワーのすごさを感じたんだよね。ぼくらだけじゃなくて、一万人くらいのお客さんも一緒にさ、みんなで「フリーチベット!」って叫んだんだよね。

―音楽によって、お客さんの意識がチベットに向いたんですね。

難波:でもそうやってファンの意識をチベットに持っていったのに、ハイスタが休止しちゃって、そういうことに携われなくなってしまった。それがずっとジレンマ だったんですよ。

―それで、今回のベネフィット・コンピレーション・アルバムを作ろうと思ったんですね。

THA BLUE HERB

難波:自分にできることってなんだろう? って考えてて、それはやっぱり曲を作ることだったんだよね。去年は北京オリンピックのボイコットが起きたり、世界中の意識がチベットに向かったじゃないですか。でも結局、何も変わらなかったんだよね。

―報道されている時は話題になっても、報道が止むと途端に忘れ去られていきますよね。

難波:そうやって忘れられちゃうことって多いじゃないですか。せめて自分は忘れたくないなって思ったし、方向だけは見失わずに続けていこうと思って。

―北京オリンピックに端を発した一連の出来事が決定的だったんですね。

難波:そうだね。去年ああいうことが起きて、何もやらないわけにはいかない、なにかしら動かないと自分が許せなかった。その時に作ったのが、コンピに収録される “ヒマラヤは泣いている”っていう曲なんです。現地の人たちの怒りとか悲しみとか、それを自分で想像しながら音に込めたんですよね。

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リリース情報

V.A.『ソングス・フォー・チベット・フロム・ジャパン』
V.A.
『ソングス・フォー・チベット・フロム・ジャパン』

2009年3月25日発売
価格:2,600円(税込)
ULTRA BRAIN/TRAFFIC TRUB 1

1. ヒマラヤは泣いている / ULTRA BRAiN
2. HARVEST DANCE feat. HIFANA / dj KENTARO
3. A HOpe / TURTLE ISLAND
4. heiwa / RIZE
5. dcdc-feat.HIFANA / WRENCH
6. 3 / BOREDOMS
7. THE END / DISCHARMING MAN
8. OUR SONG / SHINICHI OSAWA
9. SUCH A GOOD FEELING / THA BLUE HERB
10. ARRIVAL TIME / BRAHMAN
11. 琉球愛歌 / MONGOL800
12. LIKE A ROLLING STONE / CORNELIUS
13. 恋は桃色 / 細野晴臣
14. あふりらんぽウォーーー!! / あふりらんぽ
15. Freedom Train / HAWAIIAN6
16. PEOPLE TO PEOPLE / COKEHEAD HIPSTERS
17. DHARMA feat.いとうせいこう / DJ BAKU
18. WORLD IS YOURS / CUBISMO GRAFICO

プロフィール

難波章浩

バンドHi-STANDARDのボーカル・ベース担当。現在は主にULTRA BRAiN名義での活動中。99年、Beastie Boysのアダム・ヤウクが提唱者となって日本で行われたチベタン・フリーダム・コンサートにHi-STANDARDとして出演。その時のライヴではチベット人アーティストとのコラボレーションを行なう。08年9月に発売されたチベットへのベネフィット・アルバム『ソングス・フォー・チベット(アート・オブ・ピース)』に楽曲を提供するなど、音楽を通じてチベット支援活動を積極的に行なう。そして今年3月、日本人アーティストによる、チベット支援コンピ『ソングス・フォー・チベット・フロム・ジャパン』の制作を自ら企画し、リリースする。

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