特集 PR

不思議っぷり全開! henrytennisインタビュー

不思議っぷり全開! henrytennisインタビュー

インタビュー・テキスト
杉浦太一(CINRA, Inc. 代表取締役)
2009/10/29

突然、「ちょっと待って! でっかいUFOが〜」って(笑)。

―11月11日発売の最新アルバム『R.U.R』ですが、ロック、プログレ、クラブミュージック、ジャズと、色んな要素が入っていました。本当に幅の広い音楽です。

不思議っぷり全開! henrytennisインタビュー

奥村:そうですね。やっぱりそれはメンバー一人ひとりのアレンジ力だと思います。10代の頃、レノン&マッカートニーに憧れたんですよ。なぜそこにパワーを感じたのかなって考えてみたら、脳みそが2つあるからだ、って思ったんです。違う考え方を持つ脳みそが2つあれば、プラスアルファの力を出すことができるって。だから、この2、3年にメンバー抜けてしまって誰を入れるかという時にも、そのプラスアルファになるって確信した人に声をかけていったんです。

―いくつも脳みそがあるから、これだけ幅の広い音楽が生まれるということですね。

植野:たしかにみんな個性は強いですね。

―でも、個性がぶつかり合うだけでは形にならないじゃないですか。『R.U.R.』は、これだけ色んな要素が入っているのに、音楽としてとてもまとまっています。全体を独特のポップさが包んでいるから誰でも聴きやすくて、でもバリエーションに富んだアルバムになったんじゃないかな、って思ったんですけど。

奥村:メロディを大事にしているっていうのはかなりありますね。メロディがポップじゃないと音楽じゃないとまで思ってます。メロディの集まりによって楽曲ができて、その合間合間にリズムが入る。音楽はそういうものだと思っています。だから、逆にリズムはお任せしちゃうことが多いんですよ。あまりリズム感がないので(笑)。

岸田:曲をつくっていくと、たまにとんでもない拍子になるんです。「これ、何拍子ですか?」「え、わからない。」っていう(笑)。

植野:「ここは崖を登ってる感じで」とか、「ここは夕日をバックに」とか言いますからね。

―え?

岸田:「UFOが自分の真上を通り過ぎていくかんじ」っていうことでやっていると、「いや、それじゃだいぶ高いんだよね。もっと自分の真上をUFOが通り過ぎるかんじ」って(笑)。

―めちゃくちゃ斬新ですね(笑)。というか、その奥村さんのオーダーを具現化するメンバーの表現力がすごい。奥村さんはそういう、ビジュアルなところから曲をつくっていくことが多いんですか?

奥村:そうですね。曲を映像喚起力のあるものにしたいと思っていて、曲1曲に対して、1本の映画ができるくらい、映像のイメージを音だけで表現できたらいいなってつくづく思っています。

―最初から映像が浮かび上がっているんですか?

奥村:いや、自分の弾いたフレーズを繰り返しているうちに情景が浮かんできて、この情景でやればいい曲ができるなと思ったら、その情景を伝えるんです。

不思議っぷり全開! henrytennisインタビュー

―(他2人に対して)伝えられるわけですね?

植野:うん、伝えられる。突然、「ちょっと待って! でっかいUFOが〜」って(笑)。

―最高のメンバーですね(笑)。ちょっと話が変わりますが、今回のアルバムタイトル『R.U.R.』って、何か由来があるんですか?

奥村:もともと、チェコのカレル・チャペックっていう作家の戯曲のタイトルなんですよ。アンドロイドのお話しなんだけど、アンドロイドをとても有機的に描いている小説なんです。そういう、無機的なものを有機的に表現するということが、自分たちの音楽で今回できたことなんじゃないかと思って、このタイトルにしました。

―無機的なものっていうのは?

植野:henrytennisの音楽って、フレーズの繰り返しとか、すごくミニマルですよね。そういう意味では無機的っぽいんだけど、聴いてみるとその中に有機的なものが感じられるっていうことですね。

―意味深なタイトルなんですね。最後に収録されている”oslo”ですが、最後にグワーって盛り上がるんですけど、あれは?

奥村:ビートルズの『LOVE』ってあるじゃないですか。あの中の”ストロベリー・フィールズ・フォーエバー”の編集の仕方がものすごくって、いつかやってみたいなって思ってたんです。

岸田:そう、あれはまさにUFOが来てるんですよ。

奥村:そう、UFO終り。UFO締め。

―あ、そうつながるんですね(笑)。

3/3ページ:小学校6年の時、“ヘイ・ジュード“を聴いて、びっくりして停止ボタン押しちゃって。

Page 2
前へ 次へ

リリース情報

R.U.R.
henrytennis
『R.U.R.』

2009年11月11日発売
価格:2,500円(税込)
CINRA RECORDS DQC-365

1. Valencia raincoats
2. Jesus
3. Dortmund in the sky
4. red cats
5. circle
6. Weekday heartbreak
7. Song to say hello
8. Holy Ghosts
9. oslo

プロフィール

henrytennis

NEW WAVE OF PROGRESSIVE ROCK。Gt、Ba、Dr、Key、Sax、Glocken、PCによって奏でられる音楽は、インストゥルメンタル主体の生楽器によるミニマリズムを重視した音楽性を基本に構築され、豊かなリズムと音の波が押し寄せ、グルーヴを創り上げる。そのミニマルなリズムに突如、ユニゾン、変拍子という展開を挿入し、既存のインストバンドとは違うダイナミズムを持ち合わせ、多くの人を圧倒させる。09年11月11日に、2ndアルバム『R.U.R.』をリリースする。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

あらかじめ決められた恋人たちへ“日々feat.アフロ”

何かを我慢することに慣れすぎて忘れてしまいそうになっている「感情」を、たった10分でこじ開けてしまう魔法のようなミュージックビデオ。現在地を確かめながらも、徐々に感情を回転させていくアフロの言葉とあら恋の音。人を傷つけるのではなく、慈しみ輝かせるためのエモーションが天井知らずの勢いで駆け上がっていった先に待ち構えている景色が、普段とは違ったものに見える。これが芸術の力だと言わんばかりに、潔く堂々と振り切っていて気持ちがいい。柴田剛監督のもと、タイコウクニヨシの写真と佐伯龍蔵の映像にも注目。(柏井)

  1. 羊文学を形づくる「音」 6つの日本語曲を選んで3人で語り合う 1

    羊文学を形づくる「音」 6つの日本語曲を選んで3人で語り合う

  2. 自己不信や周囲の目にどう向き合う? 女性アスリートの6篇の物語 2

    自己不信や周囲の目にどう向き合う? 女性アスリートの6篇の物語

  3. 坂口恭平が語る「死なないという勝ち方」。画狂老人・北斎に学ぶ 3

    坂口恭平が語る「死なないという勝ち方」。画狂老人・北斎に学ぶ

  4. カネコアヤノが歌う、変わっていく覚悟 中野サンプラザ公演を観て 4

    カネコアヤノが歌う、変わっていく覚悟 中野サンプラザ公演を観て

  5. スチャとネバヤン、同じ電波をキャッチしちゃった似た者同士 5

    スチャとネバヤン、同じ電波をキャッチしちゃった似た者同士

  6. 音楽イベント『森、道、市場 2021』タイムテーブル発表 6

    音楽イベント『森、道、市場 2021』タイムテーブル発表

  7. Homecomings福富が語る原点 寂しさを手放さず、優しさで戦う 7

    Homecomings福富が語る原点 寂しさを手放さず、優しさで戦う

  8. 東京事変が『ガッテン!』『笑う洋楽展』『ムジカ・ピッコリーノ』ジャック 8

    東京事変が『ガッテン!』『笑う洋楽展』『ムジカ・ピッコリーノ』ジャック

  9. 木梨憲武のジャンルに縛られない働き方。下の世代にも学ぶ理由 9

    木梨憲武のジャンルに縛られない働き方。下の世代にも学ぶ理由

  10. 小出祐介が問題提起、日本語ポップスにおける「歌詞の曖昧さ」 10

    小出祐介が問題提起、日本語ポップスにおける「歌詞の曖昧さ」