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YOLZ IN THE SKY インタビュー with吉田肇(PANICSMILE)

YOLZ IN THE SKY インタビュー with吉田肇(PANICSMILE)

インタビュー・テキスト
タナカヒロシ
2009/10/30

都市生活者ならではの緊張感

―吉田さんはYOLZ IN THE SKYの魅力って、どういうところだと思います?

吉田:自分のバンドもそうなんですけど、基本は自由なんですね。でも、その自由ができるのって、メンバーがお互いを信じていないとできないと思うんですよ。誰かリーダーが統率をとらないと、他のメンバーが言うことを聞かないようなバンドは、僕はあんまり好きじゃなくて。

―YOLZ IN THE SKYは、4つの音がそれぞれ平等に鳴ってるというか。あれだけ各楽器が個性を出していて、バラバラにならないのはすごいなと思います。

吉田:みんなが平等で信用しあってるから、何が出てきても形になることの、ひとつの究極だと思うんです。自分のバンドでもそこを目指しているので、すごくシンパシーを感じたんですよ。彼らからセッションで曲を作ってますよ、っていう話を聞いたときに、それがハンパじゃない説得力を持っていたので、「これじゃ俺ら負けるわー」と思って。自分が負けると思う要素があったら好きになっちゃうんですよね。

柴田:確かにメンバーを信用してるなっていうのはありますね。もし自分が思ってる感じと違うことをされても、逆に「あんな感じって、もしかしたらいいかも!?」って考えられるというか。「あいつは変なことせんはずや」みたいな(笑)。

―僕はあの緊張感がすごく好きで。すごくアガるんだけど、圧迫感もある。だから、今回のアルバムはダンス・ミュージックでありつつも、単純にダンスとかテクノだけじゃ言い表せないと思うんですよ。

吉田:享楽的な感じではないですよね。僕は都市生活者ならではの緊張感があるんじゃないかと思います。電車を乗り継ぐルーティンな行動だったり、高速道路のスピード感だったり、インターネットとか機械で制御された感じだったり。そういうものでなんとなく命を削られていくような緊張感って、みんなあると思うんですよ。彼らはそういうものを自然に出しちゃってると思うんですよね。

―あー、その「制御された緊張感」っていうのは、すごくわかります。

吉田:それが大阪のものだからまたおもしろいと思ってて。僕は最初に彼らを見たときに、外国のバンドみたいに見えたんですけど、それは大阪に住む人の緊張感を東京で見せられているので、外国のバンドに見えて当然だと思うんですよ。東京中心のJ-POPになぞったバンドだったら、そういうふうには見えなかったと思う。大阪に住んでる彼らのリアルな都市生活のスピード感とか、緊張感みたいなものが、こういう音を出してるんだろうなって。これは僕が勝手に思ってるだけですけど。

―メンバー的には、生活感が音に反映されてると思います?

柴田:うーん…。

吉田:ないよな(笑)。無意識なことだと思うんですよ。

―今回のCDを日常で聴くことを考えたときに、電車に乗ってるときには速すぎるし、マラソンにも速すぎるんだけど、いつ聴いてもすごくドキドキして。それはなんでかなと思ったら、きっと普段生活しているときの緊張感とリンクしているからなんですね。

吉田:渋谷の街とか歌舞伎町を歩きながらヘッドフォンで聴くといいですよ。

―人混みとか雑踏は合いそう。東京だと、そういう街が大阪の空気とリンクしているのかもしれないですね。

柴田:人を待ってるときに、周りを歩いている人がブワーって過ぎてく感じというか。大阪人は歩くの速いですしね。

―今後はどういう部分を突き詰めていきたいですか?

萩原:ずっと自分らでおもろいなと思う曲ができれば。このままやってたら大丈夫かなと思うんですけど。横の比較というよりも、自分らの問題というか。世間がどういう状況かも知らないし(笑)。

―対バンしてみたいバンドとかないんですか?

柴田:極端に言うと誰でもよくて。あんま群れるんが好きじゃないんですよ。去年出させてもらった(CINRAのイベント)『exPoP!!!!!』とか、一緒にやったことないバンドが出てるイベントは好きですね。

―YOLZ IN THE SKYのグルーヴ感は、アウェイな環境だったとしても、無条件に乗せちゃう強烈なものがありますよね。見ず知らずな人たちが、体を揺らして聴いてるのは、演奏する側としても快感なんじゃないですか?

柴田:うれしいですね。でも、ぽかんと見られてるのもけっこう好きですよ(笑)。

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リリース情報

IONIZATION
YOLZ IN THE SKY
『IONIZATION』

2009年11月4日発売
価格:2,300円(税込)
felicity PCD-18600

1. OH!MY BALANCE!
2. UP SIDE DOWN
3. I READY NEEDY
4. IONIZATION
5. ONE WAY TO THE TROUBLE
6. DEAD HEAT
7. DAWN

プロフィール

YOLZ IN THE SKY

クラフトワークやNEU!に影響を受けたパンクスピリットを持った4人によるオルタナティヴロックバンド。2003年結成。2007年に「Less than TV」より1stアルバムリリース。同年『SXSW』出演を含むアメリカツアーを行う。2008年には『FUJI ROCK FESTIVAL '08』に出演。2009年11月に2ndアルバム『IONIZATION』を日本のレーベル「felicity」からリリース。

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