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なぜ無料配信アルバムなのか? euphoriaインタビュー

なぜ無料配信アルバムなのか? euphoriaインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
写真:柏井万作
2010/02/05

音楽があって、その他にそれぞれの表現活動があって、その二つが相乗効果を生むっていうのに魅力を感じる。

―あと音源を無料にするってことは、メジャーのレコード会社とかができることではなくて、音楽以外に自分の仕事があるからできることですよね? みなさんウェブデザインやイラストレーターもされているわけですが、そういう自分たちの活動スタンスについてはどのように考えていますか?

森川:その辺もミーティングでよく出てくるテーマなんですけど、僕たちの考え方としては、音楽があって、その他にそれぞれ表現したい部分もあって、その二つが相乗効果を生むっていうのに魅力を感じていて。表現としていいものが浮かんだりっていうことがバンドに反映されたり、それこそ日常の中で嬉しいことがあったりするのもバンドに反映されるだろうし、逆にバンド活動の中で発見したことが日常にも反映される。それはバンドが忙しくなり過ぎても成り立たないし、バンド以外があまりに忙しくても相乗効果は生まれない。そこはすごく難しいラインで、答えが見えてるわけじゃないけど、目指したいところは3人一致してるんで、それに向けて日々活動してる感じですね。

―euphoriaは海外での活動実績もあるので、配信だと世界に向けて発信できるっていうことも重要なポイントだったと思うんですけど?

なぜ無料配信アルバムなのか? euphoriaインタビュー
佐藤

佐藤:MySpaceで以前から結構海外の人がリアクションをくれていて、音源を自分の国で買えないのか? って問い合わせとか、日本のサイトで通販すると送料がバカ高いって話とかあって、音源の値段より高い送料払って買うのってどうなの? って思ってて(笑)。そういう人たちにも早く聴いてほしいなって思いますね。

―言語が関係ないから世界とすぐに繋がれるっていうのはインストの醍醐味だと思うんですけど、改めて自分たちの音楽がインスト中心であることの意義とかって考えました?

佐藤:僕らインスト・歌ものっていう意識があんまりなくて、歌が入ってればいいなと思えば歌を入れるし、歌が必要ないというか、ギターが歌ってるって捉えてる部分もあったりするので。

森川:結成当初からこんな感じで、特にそのことを話すこともせず来てるんです。そうやって活動をしていく中で、インストであることにこだわりのあるバンドが増えて、聴かれ方も変わってるのかなって。僕らはホントに出てきちゃったものがそういう形だったってだけなんですけどね。

まずこっち側に来てもらえれば届くのにって思うと、それが惜しいっていうか悔しいなって。

―例えば今回歌ものが2曲入ってて、どっちも英詞なんですけど、それとかって世界に配信されることを意識したりしました?

森川:確かに、制作に入る前には世界同時配信っていうのは決まってました。ただ結成当初は英詞でやってて、活動の中で日本語をすごく考えた時期もあったけど、今回は迷わずというか、違和感なく英詞になって。自分たちの作る曲に乗せやすいし、自分が聴いてきた音楽も圧倒的に英詞が多いんで。

―作品全体からは、すごく自由度が高くなったなっていう印象を受けました。1分台の曲も入ってたりして、長い制作期間のそのときそのときを切り取った作品なのかなって。

森川:今回はどういうアルバムにしようかっていうのを意識的に話し合いました。そのきっかけが、前作のツアーで色んな所に行ったことなんですね。それまではツアーと言っても京都・大阪・名古屋・東京っていう形が多かったんですけど、前回は東北や北海道に行ったり、初めての所にも結構行って、僕たちのことを知らない人が圧倒的に多い会場とか、お客さんがほとんどいないような場所での演奏もいくつかあったんです。そこで、まず初めに引き込む取っ掛かりを作んなきゃって考えたんです。今まではじわじわと持っていって最後まで聴いてもらうって感じだったんですけど、それだけだと届かない。まずこっち側に来てもらえれば届くのにって思うと、それが惜しいっていうか悔しいなって。だから曲作りもコンパクトにまとめようってことだったり、曲の始まりから引き込む力がある構成を考えてみたりしたんです。

―3人が出す音だけで作られてるっていうのも意識的な部分ですか?

森川:一枚目のフル・アルバムのころはいろんなことを模索していたので、ライブのときにPCでギターやシンセのループを鳴らしてたときもあったんですけど、それは制作のときにライブを意識してなかったからなんですね。でもそういうアルバムを作って、ライブをして、何か伝わんない部分があるんだよなっていうのをすごく感じて。それは何だろうって考えたら、その場で3人で出せる音っていうのがすごく意味があるんだなって感じ始めたんです。3人の楽器だけで成り立つ音楽っていうのが、ライブでもすごく伝わるはずだって思って、それ以降3人の音でどれだけ豊かな音楽を奏でられるかっていうのを常に考えてます。

―euphoriaの3人は小学校時代からの付き合いで、タダでさえ結びつきの強い3人が、今回リリース形態のことなども含めて話し合って、より結びつきが強くなったんじゃないですか?

佐藤:もう腐れ縁過ぎてそれを通り越してる感じはするんですけど(笑)。でもホントにミーティングはすごいしましたね。午後から始めて深夜ファミレスで明け方まで話したりっていうのを何回かやったり。話した分量は今までのアルバム制作のミーティングの中でも一番多かった気はしますね。

―リスナーからどういうリアクションが返ってくるか楽しみですよね。

木下:話せればいいかなって、単純に。「よかったよ」でも「あんまりだった」でもいいし(笑)。そういうパーソナルなやり取りができれば。どんなに技術が進んでも、最終的にはそこなんじゃないかなって。

森川:これまでCDを6枚出してきてるんですけど、CDを聴いてもらえるタイミングや機会が年々細くなってきてる感じがしてて。自分たちが出したいものが作れても、それがいいのか悪いのかもそんなにリアルにはわからなくって、それは出してる方としては悔しい。その点においても、今回は違った形で見えてくるんじゃないかと思うので、楽しみですね。

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リリース情報

fluidify

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euphoria
『fluidify』

2010年2月5日発売
価格:無料

1. stay alert!
2. parabola
3. monotone bed
4. morning alarm
5. circus boy
6. letter from winter
7. mystic room
8. melt Fe
9. random walk
10. cat in blanket
11. fluidify

イベント情報

入場無料イベント『exPoP!!!!!』にも出演決定!
viBirth × CINRA presents
『exPoP!!!!! volume35』

2010年2月25日(木)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:Shibuya O-nest

出演:
euphoria
4 bonjour's parties
texas pandaa
and more

料金:無料(2ドリンク別)
※ご予約の無い方は入場できない場合があります。ご了承下さい。

プロフィール

euphoria

凜とした内面の世界を研ぎ澄まされた感覚で描き出すeuphoria(ユーフォリア)。3ピースという最小限の編成でありながら、空間を何倍にも広げ、様々な音像、感情を思い起こさせるライブは各方面から高い評価を受けており、過去にはThe Album Leafなど来日アーティストと多数共演。2010年2月5日に4th Albumとなる『fluidify』は、全曲フリーダウンロードと大胆なリリースで国内外問わず注目を集めている。

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