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ドリームポップ界の新たな旗手 Serphインタビュー

ドリームポップ界の新たな旗手 Serphインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
2010/07/08

理想郷みたいな、ユートピアに行きたいみたいな気持ちを、音楽にした感じはありますね。

―それって1曲単位で買って聴いてるんですか?

Serph:そうですね。

―CDで育った世代って1曲単位で聴くことに抵抗があったりする人もいるじゃないですか? そういうのはないですか?

Serph:全然ないですね。若い頃は新しい刺激が多いっていうか、フレッシュな状態で、知らない音楽が多かったんですけど、音楽ばっかり聴いてると「みんなそんなに大したことないな」ってなってきて。傲慢ですけど(笑)。だから、独学でキーボードをやってることとも関係してると思うんですけど、「こういう構造なんだ」とか「ここでこういう音が入って、こう展開して」っていうことを勉強するために聴いてるって感じですね。

ドリームポップ界の新たな旗手 Serphインタビュー
アルバム『vent』アートワーク画像

―そもそも音楽を聴き始めたのっていつぐらいからなんですか?

Serph:二つ上の兄がいて、DJをやってたイベントのオーガナイザーだったんですけど、中学生ぐらいのときは、その兄の影響でヘビメタとかプログレとかを聴いてて。

―でも楽器には行かなかった?

Serph:中学のときにクラシック・ギターを1年、エレキ・ギターを1年習ってたんですけど、挫折しました(笑)。

―(笑)。では影響を受けたアーティストを教えてください。

Serph:竹村延和さんと、dimlite(Jazzanovaが主宰するSonar Kollektiveなどからリリースをしているスイス人のエレクトロニカ系アーティスト)っていうアーティストがいるんですけど。

―どんな部分に魅力を感じたんですか?

Serph:インストゥルメンタルのクラブ・ミュージックを背景にしながら、展開があるっていうか。ループがない、ダンスに特化してないっていう。

―確かにSerphの音楽は展開が多いですよね。特に今回の作品は、「adventure」などの単語から取られたという『vent』というタイトル通り、イマジネーションの世界を冒険するような感覚があって、さらに言えば、夢を見ているような感覚に近い。まったく辻褄が合ってないんだけど、夢の中にいるときは辻褄が合ってるように感じる、そういう感覚をSerphの音楽を聴いているときも感じます。

Serph:無意識ではあるんですけどね。作ってる最中っていうのは無我夢中で、半分トランス状態みたいな感じでやってるんで(笑)。『vent』っていうタイトルも、響きが良かったっていうのと、文字にしたときに見栄えがいいなってぐらいで。理想郷みたいな、ユートピアに行きたいみたいな気持ちを、音楽にした感じはありますね。

―制作時に特に重要視したことはありますか?

Serph:今回のアルバムに収録されてる曲以外にもすごくいっぱいストックがあるんですけど、アルバムには結果的にメロディやコード進行があるような曲が残ったっていう感じですね。自分が聴きたい音楽を自給自足するっていうか、色んなジャンルの音楽を毎日作ってるんで。

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リリース情報

Serph<br>
『vent』
Serph
『vent』

2010年7月9日発売
価格:2,300円(税込)
noble CXCA-1271

1. march
2. pen on stapler
3. feather
4. sleepwalking
5. mint
6. azul
7. silencio
8. flatland
9. snow
10. iceyedit
11. vent
12. planet

プロフィール

Serph

東京在住。20代男性によるソロ・プロジェクト。2009年7月、ピアノと作曲を始めてわずか3年で完成させたアルバム『accidental tourist』をelegant discよりリリース。2010年7月、1年振りの2ndアルバム『vent』をnobleよりリリース。

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