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一体彼は誰なのか? 鍵盤魔術師H ZETT M インタビュー

一体彼は誰なのか? 鍵盤魔術師H ZETT M インタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作
2010/11/01

「謎の天才ピアノ・マジシャン、H ZETT Mがひさびさに活動を再開。Twitterで台湾に住んでいることを示唆し、先日は「正体では?」と噂されるヒイズミマサユ機が所属するPE'Zのサイトをハッキングするなど、何やら不穏な動きを見せている。そんな中リリースされる2年半ぶりの新作『きらきら☆すたんだーど with PS60』は、先にYouTubeで映像が公開されて話題を呼んでいた"ボギー大佐"をはじめ、"エーデルワイス""きらきら星"といった誰もが知っているおなじみの楽曲を、時にファンタジックに、時に暴力的にカバーした、らしさ全開のカバー集だ。そこで我々は彼の正体を突き詰めるべく、日本滞在中のH ZETT Mのもとを訪れ、新作の話はもちろん、PE'Zのヒイズミ氏との関係などについて改めて迫ってみた。謎のベールに包まれた彼の真の姿とは? その一端が垣間見えるかと思う。

(インタビュー・テキスト:金子厚武 撮影:柏井万作)

ヒイズミという名前がファーストとしてあり、僕はセカンドと言うか…

―お名前ってなんてお呼びすればいいですか?

H ZETT M:…エイチくん(ボソッと)。

―(笑)。じゃあエイチさんとお呼びしますね。一応聞いておくと、PE'Zのヒイズミマサユ機さんではないんですよね?

H ZETT M:全然ないです(キッパリ)。

一体彼は誰なのか? 鍵盤魔術師H ZETT M インタビュー

―ヒイズミさんとは先日『キーボードマガジン』でも対談をされていましたが、改めてご関係を教えていただけますか?

H ZETT M:ヒイズミという名前がファーストとしてあり、僕はセカンドと言うか…。『ムーたち』という漫画があるんですけど、自分を見てる自分がいるっていうのを「セカンド」って呼んでるんですね。僕はそういう存在で、本当の自分は多分サードなんです。

―というと、別人ではあるんだけど、ある意味では一体というか…

H ZETT M:ある意味一体ですね。意識は全く違うんですけど。


一体彼は誰なのか? 鍵盤魔術師H ZETT M インタビュー
思いつきで約1週間前に告知されたにもかかわらず、台湾ゲリラライブには数千人の現地ファンから歓迎された。

―なるほど、ちょっとわかったような気がします…。では新作の『きらきら☆すたんだーど with PS60』についてですが、PS60をフィーチャーしてスタンダードをカバーするというアイデアはそもそもどこから生まれたのでしょうか?

H ZETT M:KORGという楽器メーカーさんがですね、PS60という新しい鍵盤を出しますと。それで「ほうほう」と思いまして、それを使ってパフォーマンスをしたり、映像も撮ったらすごいなと思って、それでまず“ボギー大佐”ができたんです。そうしたらものすごく映像とか面白くてですね、もっと曲をやったらいいんじゃないかと思いまして。

―PS60はどんなところが魅力なんですか?

H ZETT M:音と、鍵盤の弾きやすさですかね。弾きやすさっていうのは、僕が思った感じを表しやすいというか、脳直結というか。あと新しいもの好きっていうのもあって、ツヤツヤした新しい肌触りとかも好きですね。新製品の匂いとか。

―機材マニア的な部分がある?

H ZETT M:そうですね。楽器だけは自分の中で特化してるというか、PS3とかは持ってないんですけど、楽器だけは新製品をチェックしてますね。

―でもその格好で楽器屋さんに行ったら指差されそうですね。

H ZETT M:差されますね。なかなか似てる人がいないんで…。

―(笑)。そもそも楽器に興味を持ったきっかけは?

H ZETT M:小さい頃からピアノをやってたんですけど、ピアノっていうのは何もボタンとかついてないですよね。それで音楽教室とか行くと、エレクトーンとかシンセとかボタンがついてる機材があるじゃないですか? そうするとやっぱり少年心に火が点くというか、ボタンってあったら押したくなるもので。

―でもゲームとかにはハマらずに、楽器に特化したのはなぜだったんでしょうね?

H ZETT M:なんでですかね…。音が出るっていう、耳に直結してる刺激が楽しいんですかね。このボタンを押したことによって出る音が変わるっていうのが、耳にとってすごく刺激的でやめられないっていう。

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リリース情報

H ZETT M<br>
『きらきら☆すたんだーど with PS60』
H ZETT M
『きらきら☆すたんだーど with PS60』

2010年11月1日発売
価格:2,100円(税込)
ワールドアパート / APPR-2006

1. ボギー大佐
2. エーデルワイス
3. きらきら星
4. ハッピーバースデートゥーユー
5. ユーモレスク
6. トルコ行進曲
7. 猫踏んじゃった
8. メリーさんの羊

プロフィール

H ZETT M (エイチゼットエム)

身長体重不明、年齢不詳、スリーサイズ非公開の"謎の天才ピアノ・マジシャン"。侍JAZZバンドPE'Zの超絶ピアニストであり、東京事変初代メンバーとしてデビュー曲「群青日和」を手掛けた"ヒイズミマサユ機"と同一人物なのではないかという憶測が飛び交うも本人はぼんやりと否定。未だ真偽の程は不明である。2007年、問題作「5+2=11」を携えメジャーデビュー。「5+2=11」(=ゴッタ煮の11曲)という人を食った様なタイトル通り、ジャンル無制限の天才奇才ぶりを発揮。超絶技巧に加え無重力奏法と形容される超人的パフォーマンスで衝撃を与えた2夜限りの"幻のライブ"「ピアノイズ」の後、シーンから突如姿を消すが、2008年まさかの復活。さらに進化したごった煮サウンドを詰め込んだ「PIANOHEAD」をリリース。映像集団OVERHEADSとタッグを組み、もはや芸術の極地に達したライブ「弾きまくりDESTROY」を最後に、再びシーンから姿を消していたが、つい先日突然台湾の台北市内でストリートライブを行い、ほとんど事前告知がなかったにもかかわらず、数千人の観客を集めた。その模様を生中継していたニコニコ動画では生放送視聴者数の新記録を打ち立てた。

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