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ROVO(山本精一・勝井祐二)が語る「15年目の原点回帰」

ROVO(山本精一・勝井祐二)が語る「15年目の原点回帰」

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作
2010/11/04

(演奏は)間違ってもいいから、お互いを見て演奏しようって話をしたんです。

―その難しい目標を本作では見事に達成できていると思うんですけど、それを達成できたのは何がポイントだったと思いますか?

勝井:まあやっぱり意識してそう思うってことですよ。1人でも「何すんの?」みたいなメンバーがいると、そうはいかない。全員で何らかのビジョンを共有するっていう。

山本:気合が入ってた。今まで入ってなかったかっていうとそうじゃないんですけど(笑)。到達する地点をみんなが描きながらやってたね。

ROVO(山本精一・勝井祐二)が語る「15年目の原点回帰」

勝井:実際曲としては難易度の高い曲が多いんだけど、ツアーをしながらアレンジを変えていって、野音があってそのまま(レコーディングに)入ってるのが大きくて。新しく作った難易度の高い曲をレコーディングしようとすると演奏するのに精いっぱいで、「間違えないようにしよう」みたいになっちゃうんだけど、その段階はもう済んでいたから。だからテイクもすごい早くて、大体2テイク以内で録れてる。


―なるほど。今回の曲で特に難易度の高い曲っていうとどれなんですか?

勝井:それぞれポイントが違うんですよ。例えばリズムの解釈とか表現だと1曲目の“TANGER”が一番難しい。構成とかは2曲目の“ECLIPSE”。パッと聴くとそんなに面倒くさいことしてる感じには聴こえないと思うんですけど、実は結構面倒で。それを感じさせないアレンジをしてるんです。

―確かに、パッと聴きだと反復が自然と入ってきますよね。

勝井:最初は構成表を書くんですけど、それがあるとどうしても見ちゃうんで、今回はツアーの前に構成表見るのやめようって。間違ってもいいからお互いを見て演奏しようって話をしたんです。それも大きかったですね。

―ミニマルで、反復でっていう原点にある目的意識と、バンドとして積み重ねてきた経験、体で覚えてきた感覚とが融合したからこそ、原点回帰しつつも今のROVOの音っていう目標が達成できたんでしょうね。

勝井:うん、そうだと思いますね。10年とかやってきて、ライブも散々やってますから、その上で自分たちにはもっとできることがあるんじゃないかって、お互いのボキャブラリーを持った上で臨めたっていう。

ROVO(山本精一・勝井祐二)が語る「15年目の原点回帰」
LIVE PHOTO by Umeda Wataru

ROVOはフューチャー・ミュージックですから(笑)。

―ボキャブラリーということで言うと、前回のインタビューで山本さんが曲作りの時に独特のキーワードを挙げるっていう話がありましたよね? 「抽象的なラテン」とか「すずらんみたいなベース」とか。今回の曲作りでもそういったキーワードは出ましたか?

勝井:「すずらんみたいなベース」って曲は今回入ってますよ。最後の曲(“SINO+”)の後半。

山本:「蛹のようなパーカッション」とかね。蛹が降ってくるような。僕の場合は最初のイメージが映像なんですよ。“BAAL”だったら台風みたいなイメージ、暴風雨っていうか、熱帯低気圧が渦巻いてるような。

―そういう映像を音に変換すると。

山本:そうなんやけど、難しいですね。圧迫してくるような音圧が必要だから、「ベースかな? ギターかな?」って探って、最終的には全体だったり。全体のイメージがあった方がわかりやすいと思うんですけど、みんなわりとやりにくいみたいで(笑)。

ROVO(山本精一・勝井祐二)が語る「15年目の原点回帰」
山本精一(LIVE PHOTO by Umeda Wataru)

勝井:いや、そんなことはないですよ(笑)。普段聞いたことがないような言葉、音楽用語としては聞いたことがない言葉の方が新しいビジョンを共有しやすいんです。使い慣れた言葉だと結構誤解があると思って、例えば「マイルス・デイヴィスみたいに」って言っても、マイルス・デイヴィスの捉え方って人によって全然違うと思うんです。だから「あ、マイルスね」ってわかったつもりになっちゃうと、実はずれがある。「蛹が降ってくる」は、そんな言葉使ったことないから共有しやすいでしょ(笑)。

山本:例えば「ラテン」って言っても、単なるラテンじゃ面白くないし、メンバーにはラテンをやってた人もいるから、モロにラテンになっちゃうとROVOでやることとしてはちょっと違うんですよ。ROVOはフィルター通ってないとダメだから。フューチャー・ミュージックですから(笑)。今まで聴いたことがないようなラテンじゃないとまずい。それには抽象的な表現がいいわけ。「どっか別の惑星でやってるような」とか(笑)。

―今おっしゃった「フューチャー・ミュージック」、誰もやっていないっていうのもROVOの大事なポイントですよね。

山本:異次元の音楽っていうか、時間軸がおかしいというか、俺はそういうのがすごい好きなんですよね。そういうことを考えてやると、普通の曲とはちょっと違った曲ができるんです。

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イベント情報

『ROVOニューアルバム「RAVO」リリース記念LIVEツアー2010』

2010年11月13日(土)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:愛知県 名古屋・今池TOKUZO
出演:ROVO
料金:前売3,500円 当日4,000円

『ROVO プレゼンツ MDT フェスティヴァル in OSAKA 2010』

2010年11月14日(日)OPEN 16:00 / START 17:00
会場:大阪府 中津芸術文化村ピエロハーバー
出演:
ROVO
rei harakami
AUTORA
neco眠る
料金:前売3,700円 当日4,000円

2010年11月21日(日)OPEN 16:30 / START 17:00
会場:東京都 恵比寿リキッドルーム
出演:
ROVO
CRO-MAGNON
FLYING RHYTHMS
U-zhaan
料金:前売3,800円 当日4,300円

リリース情報

ROVO<br>
『RAVO』
ROVO
『RAVO』

2010年11月3日発売
価格:2,940円(税込)
WRCD-45

1. TANGER
2. ECLIPSE
3. BAAL
4. RMD
5. SINO+

プロフィール

ROVO

勝井祐二(Vln)、山本精一(G)、芳垣安洋 (Dr/Per)、岡部洋一(Dr/Per)、原田仁(B)、益子樹(Syn)。「何か宇宙っぽい、でっかい音楽をやろう」と、勝井祐二と山本精一を中心に結成。バンドサウンドによるダンスミュージックシーンの先駆者として、シーンを牽引してきた。『フジロック・フェスティバル』『ライジングサン・ロックフェスティバル』『メタモルフォーゼ』『朝霧JAM』など、大型フェス/野外パーティーにヘッドライナーとして連続出演。国内外で幅広い音楽ファンから絶大な信頼と熱狂的な人気を集める、唯一無二のダンスミュージックバンド。

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