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毛皮のマリーズは、人類を補完する

毛皮のマリーズは、人類を補完する

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作

このインタビューで語られた内容を彼が覆さない限り、毛皮のマリーズ・志磨遼平は、音楽で人類を救済し得る真のヒーローになれるかもしれない。そんな大風呂敷を広げたくなるほど、彼らが作り出したアルバム『ティン・パン・アレイ』は、人間の核心をつく大名作だ。人類の孤独に、不幸に想いを馳せ、嘘偽りなく圧倒的に正しいであろう人類の幸せな真実を紡ぎ出そうとしている。
そうしてマリーズは素晴らしい音楽作品を作り上げたわけだが、しかしこのアルバム、彼らの代名詞ともいうべきエレキギターがほとんど鳴っていないどころか、メンバーが演奏すらしていなかったりもする。これを果たして毛皮のマリーズの新作と呼んでいいのか? おそらく誰しもの頭にそんな疑問が浮かぶとは思うが、志磨はそれに対する明確な答えを持っていた。そしてその答えとは、マリーズを活動を続ける理由そのものでもあったのだ。CINRA初見参、毛皮のマリーズ・志磨遼平かく語りき。

(インタビュー・テキスト:金子厚武 撮影:柏井万作)

エレキ楽器っていうのは、テクノロジーの進化とものすごく密接なんです。同時に、腐るのもすごい速い。

―資料によると、『ティン・パン・アレイ』がポップス寄りの作風になったのは、メジャーに来て管弦楽器などを自由に使える環境を手に入れたことが大きな理由なんですよね?

志磨:そうですね、まさしく。

―それ以外にも理由ってあるんですか?

毛皮のマリーズは、人類を補完する
志磨遼平

志磨:もうひとつは、アコースティック楽器だけでやりたいっていうのがありまして、これは口で言うのがすごく難しくて、結局すごいあやふやな表現になっちゃうんですけど、メロディっていうのは僕が生んだものではなくて、僕が逃さなかったものなんです。僕っていうのはひとつの媒体で、メロディは僕を通して具現化され、誰かに伝わっていく。だからそのイメージっていうのは、まだ誰も捕まえられないときに捕まえたもん勝ちなんですよ。もしかしたら、ビートルズの“Yesterday”は僕のものやったかもしれない。ポール・マッカートニーがキャッチしなくてまだ残ってたら。

―(笑)。

志磨:でも素晴らしい作曲家っていうのは、それを残らずキャッチします。で、僕らはまだ漂ってるメロディを毎日探していて、これはストーンズのキース・リチャーズが言ってましたけど、そのアンテナを磨くのが俺らの仕事なんです。だからそのメロディをですね、なるべくそのまま、限定しないように捕まえたい。例えばメロディが虫やとして、乱暴に虫取り網でガコッといってはよくないわけです(笑)。

―なるほどね(笑)。

志磨:そこで今度は楽器の話になるんですけど、エレキ楽器っていうのは、テクノロジーの進化と技術的な進歩とものすごく密接なんですよね。2、3年前まで初音ミクなんておらんかったじゃないですか? ていうことは、腐るのも同時にすごい速いですよね。そういうテクノロジーの進化っていうのと、普遍的なメロディっていうのは、僕はあれやと思うんですね、「不可侵」ってこういうとき使うの合ってます?

―うん、言ってることは伝わります。

志磨:メロディとテクノロジーの進化っていうのはまったく別の部署の話であって、それをごっちゃにしてはいけないっていうのがまず主張としてありまして。それで、ふとクラシック音楽をイメージしたんですよね。あれは何百年前のメロディを未だに演奏しますけど、録音されたものはもう、いつの時代のものかあんまりわかんないですよね。要するにクラシックはテクノロジーと無関係な音楽だから、時代性から解き放たれていると思うんですよ。

―確かに。

志磨:アコースティック楽器を非常にスキルを持った方が演奏する、それを記録するっていうのが、クラシック音楽の一番特徴的なところやと思うんですね。で、80年代っぽい、90年代っぽい音楽っていうのがあるのは、あからさまにテクノロジーの方が音楽を侵食してるんであって、そういう風な短いタームで僕のキャッチしたものを区切らせないように、アコースティック編成になったっていうのがあると思います。

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イベント情報

毛皮のマリーズ TOUR 2011『MARIES MANIA』

2011年3月4日(金)
会場:宮城県 仙台 darwin

2011年3月5日(土)
会場:新潟県 新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE

2011年3月11日(金)
会場:北海道 札幌 PENNY LANE

2011年3月19日(土)
会場:福岡県 福岡 DRUM Be-1

2011年3月25日(金)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2011年3月26日(土)
会場:愛媛県 松山サロンキティ

2011年4月9日(土)
会場:静岡県 浜松窓枠

2011年4月10日(日)
会場:大阪府 なんばHATCH

2011年4月23日(土)
会場:東京都 渋谷 C.C.Lemonホール

リリース情報

毛皮のマリーズ<br>
『ティン・パン・アレイ』初回限定盤(CD+DVD)
毛皮のマリーズ
『ティン・パン・アレイ』初回限定盤(CD+DVD)
毛皮のマリーズ
『ティン・パン・アレイ』初回限定盤(CD+DVD)

2011年1月19日発売
価格:3,200円(税込)
COZP-491〜2

1. 序曲(冬の朝)
2. 恋するロデオ
3. さよならベイビー・ブルー
4. おっさん On The Corner
5. Mary Lou
6. C列車でいこう
7. おおハレルヤ
8. 星の王子さま(バイオリンのための)
9. 愛のテーマ
10. 欲望
11. 弦楽四重奏曲第9番ホ長調「東京」
[DVD収録内容]
1. ボニーとクライドは今夜も夢中
2. Mary Lou
3. 愛のテーマ
4. DIG IT(LIVE)
5. コミック・ジェネレイション(LIVE)

毛皮のマリーズ<br>
『ティン・パン・アレイ』通常盤
毛皮のマリーズ
『ティン・パン・アレイ』通常盤

2011年1月19日発売
価格:2,800円(税込)
COCP-36618

1. 序曲(冬の朝)
2. 恋するロデオ
3. さよならベイビー・ブルー
4. おっさん On The Corner
5. Mary Lou
6. C列車でいこう
7. おおハレルヤ
8. 星の王子さま(バイオリンのための)
9. 愛のテーマ
10. 欲望
11. 弦楽四重奏曲第9番ホ長調「東京」

プロフィール

毛皮のマリーズ

2006年、『戦争をしよう』でインディーズデビュー。妖しさと強烈なカリスマ性を併せ持つフロントマン、志磨遼平を中心とした4人組ロックバンド。インディーズでの活動が各方面で注目を受け、2010年、アルバム『毛皮のマリーズ』でメジャーデビュー、2万枚以上のロングセールスを記録。レコ発ツアーは各地でSOLD OUTを連発。同年10月27日、メジャーファーストシングル「Mary Lou」を発売し、スマッシュヒット。12月のSHIBUYA-AX初ワンマンはSOLD OUT。今日本で最も勢いのあるロックバンド。

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