
分岐点ばかりの人生だから SEBASTIAN X インタビュー
- インタビュー・テキスト
- タナカヒロシ
- 撮影:柏井万作
なんでそんな分岐点ばっかりの人生を進んでいけるのかなって考えたら、道を照らしてくれる光があるんじゃないかと思って。
―『光のたてがみ』はどういう経緯でできた曲なんですか?
永原:外苑前のカフェでご飯を食べてたら、隣でキャリアウーマンみたいな人が女友達と話してて、「私、将来何をやったらいいかわからないの」とか言ってたんですよ。カバンからめっちゃファイルとか出てきたりして、どう考えてもバリバリ仕事してる感じなのに、まだ迷うか! まだ悩むか! って思ったんです。まぁ、私の考えが浅はかだったんですけど。なりたい仕事に就けるかは別として、一度就職したら、そこである程度完結するものだと思ってたんですよね。でも、よくよく考えてみたら、会社のなかでも「お前は上にあがっていくのか、それとも現場でやっていくのか」みたいな分岐点がいっぱいあって、そこでみんな悩んでいくのか! 一生悩むのか! と思って作った曲です。
―超具体的ですね(笑)。
永原:でも、その分岐点が全部暗闇のなかだったら、もう無理だと思うんですよ。何も光がないけど走っていくみたいなことは、しんどすぎるじゃないですか。そんなことずっとやってたら、病気になっちゃって、社会からポロリしてしまうと思って。
―まぁそうですよね。
永原:じゃあ、なんでそんな分岐点ばっかりの人生をみんな進んでいけるのかなって考えたら、どっちに行ったらいいかわからないときに、道を照らしてくれる街灯みたいな光があるんじゃないかと思って。で、それは何なのかなって考えたら、人でも書かれた言葉でも何でもなくて、「目に見えないもの」が光になるんだろうなって思ったんですよ。その光に向かってみんな進んでいるのかなって。だからみんな病気にならないで、暗闇のなかを走っていけるんだなって思いながら作りました。
人の意見を聞くばっかりで、すごい簡単なことすら選べなくなってる自分に気付いて。
―真夏(永原)さん自身も、進めなくなったような経験があるんですか?
永原:超あります! 私、どちらかというと、自分から動いてくんだって思うよりも、何かに導かれて生きていきたいと思ってて。無宗教なのに神社とかには昔からよく行くんですよ。「今年は企画イベントがうまくいきますように」とか(笑)。そういう目に見えない力をすごく信じていたんです。でも、去年末くらいから、それが信じられなくなったんですよね。
―それはなぜ?
永原:たぶん、人の意見ばっかり聞いてたからなんじゃないかと思って。ライブが終わって、いろんな人から感想をもらうじゃないですか。でも、Aさんはああだった、Bさんはこうだった、Cさんは、Dさんは……、みんな言うことが違うんですよ。これを全部聞いてたら、絶対やっていけないなと思って。
―あー、ありますよね、そういうの。
永原:それで、なんでその導かれる力が弱くなっちゃったのかなって思ったら、自分の意見を聞くの忘れてたんですよ。人の意見を聞くばっかりで。そう思ったときに、すごい簡単なことすら選べなくなってる自分に気付いて。だから、今年は自分の意見ばっかり聞く一年にしようと思ってるんです。人の意見を飲み込んで自分の意見になる場合もあると思うんですけど、最終的には自分の意見が本当の光になると思うので。
―いいと思います!
永原:「いいと思います」いただきました!(笑)
イベント情報
- 『光のたてがみ』リリース記念SEBASTIAN Xワンマンライブ
『スタールビーの唇よ歌え!』 -
2011年2月25日(金)OPEN 19:00 / START 20:00
会場:東京都 下北沢 GARDEN
出演:SEBASTIAN X
料金:前売2,500円 当日2,800円(共にドリンク別)
SEBASTIAN X 2月-3月で全国ツアー『光のたてがみ』ツアー開催!
詳しくはオフィシャルウェブサイトまで
SEBASTIAN X
リリース情報

- SEBASTIAN X
『光のたてがみ』 -
2011年1月26日から配信限定発売
価格:
PC配信200円
モバイル配信 着うた105円 着うたフル210円 RBT105円1. 光のたてがみ
プロフィール
- SEBASTIAN X
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08年2月結成の男女4人組。08年8月に完全自主制作盤『LIFE VS LIFE』リリース。その後、09年11月6日に初の全国流通盤となる『ワンダフル・ワールド』をリリース。新世代的な独特の切り口と文学性が魅力のVo.永原真夏の歌詞と、ギターレスとは思えないどこか懐かしいけど新しい楽曲の世界観が話題に。そして、10年8月に2nd Mini Album『僕らのファンタジー』をリリース。