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突き刺さるインストミュージック kowloonインタビュー

突き刺さるインストミュージック kowloonインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作
2011/05/18
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kowloonでは、すごく濃いコミュニケーションをしたかったんですよね。わずらわしさをできるだけ排除したかった。

―そして、2005年に界が解散して、すぐにkowloonが始まると。3ピースとなると、人数が界の半分になるわけで、当然その違いは大きいですよね。インストバンドって大所帯が多くて、3ピースっていうのもそんなにいないですし。

中村:字面だけ見たらジャズのトリオバンドですよね。ピアノ、ベース、ドラムって。

高橋:やっぱり大人数にするとバンドの運営が大変なのと、あとkowloonでは、すごく濃いコミュニケーションをしたかったんですよね。わずらわしさをできるだけ排除したいっていうのがあったんで、内側の関係はものすごくシンプルにしたかったんです。

―太一さん(Drum)が加入されて今のメンバーになったのが、2007年ですね。

中村:太一は『infection』(2007年9月発売のファーストアルバム)から叩いてるんですけど、あのアルバムは謡子ちゃん(前ドラマー/元・界のメンバー)と作った曲も入ってたんで、最初太一はそれを体に染み込ませなくちゃならなかったんです。人が叩いてるのを解釈するのは時間がかかるし、こっちとしても人が違えばビートは違うし、大げさな話もう曲が違うみたいなもので。だから、今思うと『infection』は若いというか、まとまりがなかったのかも。でも今回は、太一と作った曲しか入ってないです。

―真の意味で3人での最初のアルバムっていう言い方もできそうですね。太一さんは実際kowloonに入った当初は大変でしたか?

梅木:やっぱり最初は戸惑いがありましたね。手癖がどうしても大変で。

―コピーした上で、自分の色も出さなきゃいけないし。

梅木:逆にそうとしかやれないというか、まんまコピーはなかなか難しいんで。

中村:辞めようって思ったこととかないの?(笑)

梅木:ちょうど誘いの電話がかかってきたときに、鎖骨を骨折してたんですよ(笑)。それで「1ヶ月待ってください」って待ってもらって、ギブスが取れて2、3日目で入ったのが1回目のスタジオですね。

中村:そのときが一番よかったかもしれないな(笑)。

聴き流せる感じでとどまっていたくないっていうのはありますね。どこか(聴く人に)入り込んでいきたいんです。

―(笑)。曲作りはどうやるのが基本なんですか?

高橋:リフでもビートでも、ひとつのフレーズからセッションしていって、そこからいいフレーズをピックアップして、最終的にひとつにまとめていくっていう感じです。

―インストバンドの中には映像やイメージを音に変換するっていうタイプのバンドもよくいたりしますが、kowloonの場合はどうですか?

高橋:そういうのはあんまりないですね。最終的にこういうバンドでありたい、こういう曲でありたいっていうジャッジはあるので、そこに向かって着地するように3人で作っていきますね。

突き刺さるインストミュージック kowloonインタビュー
高橋鉄兵

―「こういうバンド」「こういう曲」っていうのは言葉で説明できますか?

中村:よく言うのは、パンチがある(笑)。「ガチな感じ」ですよね、いまどきの言葉で言うと(笑)。よく飲食店なんかでもインストの音楽がかかってるけど、BGMになってしまうかそうじゃないかっていうのは重要で。今言ったガチとかパンチっていうのは、BGMの逆ですよね。環境音楽みたいな、あるのかないのかわかんないものではないっていう。

高橋:聴き流せる感じでとどまっていたくないっていうのはありますね。どこか(聴く人に)入り込んでいきたいんです。

―それこそ、1対1で向き合うような。

高橋:ライブをやってて、お客さんがいっぱいいても、1人1人だと思うんですね。音楽の捉え方って1人1人違うし、どういう風に受け取るかも1人1人の問題だと思うんで、そこは1対1で、その1人に向けてやってるところはありますね。

中村:実際にkowloonは1人で来るお客さん多いんですよ。

高橋:そうなの? いい加減な統計なんじゃない?

中村:いやいや、ウェブ予約とか見るとわかるんですけど、kowloonは1人ずつ来る人多いんですよ。パーティーみたいなノリでふらっと来るんじゃなくて。

―へえ、真剣に向き合いたいっていう人が多いのかもしれないですね。

高橋:でも、変拍子だったりはするけど、ダンスミュージックとしてのグルーヴ感っていうのは最低限守ってるところなんですけどね。

―あからさまな変拍子じゃなくて、普通にノレて、「あれ? これ変拍子なんだ」って後から気づくみたいな感じですよね。

中村:うちらもレコーディングするまでわかって無いんだけどね(笑)。録音するために構成表に書き出したときに「これ4拍子なんだ、あれ?」みたいな(笑)。

梅木:最終的につじつまを合わせるときに数えるくらい(笑)。

中村:拍子とか構成がわからないやつもありますけど、kowloonの場合は何も言わずに「わかれよ」って話で、答えは教えないし、それぞれの解釈でやっても、合えばそれでいいっていう。

高橋:そういうアクシデントがバンドのいいところだと思うんですよね。それぞれ解釈が違ったりして、誤解が出るじゃないですか? それって1人だとできないことだし、そういう誤解も含めて、1番いいところで保存するっていう。

3/4ページ:ダンスミュージックがすごく好きだったんです。HIP HOPにしろ、ハウスにしろ。でも自分はギタリストだっていうところで、葛藤はちょっとあったんですよ。

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リリース情報

kowloon『metallic, exotic』
kowloon
『metallic, exotic』

2011年5月25日発売
価格:2,500円(税込)
Knife Edge / PCCA-3415

1. telepathy
2. Harajuku
3. カラヴェラは踊る
4. lazyboy
5. 100℃
6. last tribe
7. metallic, exotic
8. eye to eye
9. jetblack
10. new innocence
11. tones of nowhere

イベント情報

『metallic, exotic tour 2011』

2011年7月10日(日)OPEN 16:00 / START 17:00
会場:石川県 金沢21世紀美術館シアター21
出演:
kowloon
mouse on the keys
NINGEN OK
YOCO ORGAN
料金:前売3,000円 当日3,500円

2011年7月16日(土)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:長野県 長野 live house J
出演:
kowloon
mouse on the keys
cosmorama
and more
料金:前売2,000円 当日2,500円

2011年7月17日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:愛知県 名古屋 Live & Lounge Vio
出演:
kowloon
mouse on the keys
egoistic 4 leaves
jizue
the act we act
料金:前売2,500円 当日3,000円

2011年7月18日(月・祝)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:大阪府 鰻谷 sunsui
出演:
kowloon
mouse on the keys
Talking Dead Goats"45
middle9
and more
料金:前売2,500円 当日2,800円(共にドリンク別)

2011年7月23日(土)OPEN 17:00 / START 17:30
会場:京都府 京都 WHOOPEE'S
出演:
kowloon
mouse on the keys
LOW-PASS
and more
料金:前売2,300円 当日2,800円(共にドリンク別)

2011年7月24日(日)OPEN 20:00 / START 20:30
会場:静岡県 静岡 BLUE NOTE 1988
出演:
kowloon
mouse on the keys
and more
料金:前売2,000円 当日2,500円(共にドリンク別)

2011年7月25日(月)OPEN 18:30 / START 19:30
会場:東京都 東京 O-WEST
出演:
kowloon
mouse on the keys
toe
料金:前売2,500円 当日3,000円(共にドリンク別)

プロフィール

kowloon

高橋鉄兵(bass,guitar,microKORG)、中村圭作(keyboard,synthesizer)、梅木太一(drums)から成る3ピースインストゥルメンタルバンド。インストゥルメンタルロックという概念を超え、ジャズ、ハウス、ブレイクビーツ、アブストラクトなサウンドを取り込み、ミニマルかつダイナミックに昇華させた楽曲は唯一無二。

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