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音楽を生活に取り戻すために the telephonesインタビュー

音楽を生活に取り戻すために the telephonesインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作
2011/11/21

自分がアンダーグラウンドの音楽をやってるとは全く思ってない。

―そういう風に考えるようになったのって、何かきっかけがあったんですか?

石毛:まず自分がアンダーグラウンドの音楽をやってるとは全く思ってないんですよ。ちゃんとポップなメロディがあって、楽器がちゃんとしたチューニングで鳴らされてる以上は、普通の人に受け入れられる権利があると思うんです。そこに変にカッコつけたくないというか、天才は本当のオリジナリティを追求するんでしょうけど、僕らは基本的には大衆音楽の中でのオリジナリティを追求してるので、だったら宣伝できるときはした方がいい。昔とは違って、自分から動いていかないと音楽が知られない時代になってるから、そこには危機感を持ってやってますね。

―さっき言ってくれた「音楽が生活の一部」っていうことに関しては、やっぱり海外に対する憧れはありますよね。文化としての根付き方が日本とは全然違うから。

石毛:それは超でかいです。ニューヨーク行っても思いましたもん。

―それこそ、アメリカやイギリスは地域ごとの音楽区分があって、それも生活に根付いてる。そういう意味でthe telephonesが、出身地であるさいたまのスーパーアリーナでドカンとライブをやるっていうのは、すごく意味がある。

石毛:僕ら昔から「日本のマンチェスター=北浦和」って言ってて(笑)。東京がロンドンなら、埼玉、浦和はマンチェスターでありたいなって。

―日本にも札幌はハードコアとか、福岡だったらめんたいロックとか、そういう地域性っていうのもちゃんとあるにはあるわけで、それがもっと認識されればより生活に根付くはずですよね。例えば、the telephonesが浦和レッズのテーマソングを作ったりとか。

石毛:それ結成したときからずっとやりたいと思ってるんですよ(笑)。

文化を守るっていう意味でのコミュニケートが今後ますます大事になるだろうなって。

―音楽と生活の距離って、いつ頃から意識してましたか?

石毛:僕はライブハウスでブッキング・マネージャーっていう、ライブが終わった後にバンドに対して偉そうなことを言う仕事をちょっとだけやってたんですけど(笑)、「どういう音楽好きなの?」って話をすると、意外と音楽聴いてないんだなって思って。それはそれでいいんですけど、思ったより音楽好きが周りにいねえぞって思って、そういう違和感から始まってるんだと思います。せっかく学校の授業になってる生活必須科目なのに、何で大人になると忘れてしまうんだろうなって。

―ああ、確かに。

石毛:いい曲作るのは難しいけど、曲なんか誰でも作れると思うんですよ。アイスランドとか、自宅にDAWソフト(パソコンで音楽を制作するためのソフト)があって、「休日にゴルフするか作曲するか」みたいな家もあるって聞いて、「普通の人が趣味で作曲とかあるんだ」と思って。そういのすごい素敵だなって。僕がソロ作品をリリースしたのもそういう意図があったんですよ。「これぐらい日常的に作れるんだよ」っていう。

音楽を生活に取り戻すために the telephonesインタビュー
撮影:古渓一道

―なるほどなあ。今日の話はメディアに携わってる側としても気が引き締まる話ですね(笑)。

石毛:ミュージシャンとメディアがちゃんとタッグを組んでいくことは大事な気がしますね。利益ももちろん大事ですけど、文化を守るっていう意味でのコミュニケートが今後ますます大事になるだろうなって、今日話してて思いました。

―CINRAが音楽だけじゃなくていろんなカルチャーを扱ってるのも、要は入り口を増やしてそれぞれのカルチャーに興味を持ってもらうっていうことだったりするんです。ちなみに、石毛君は音楽以外のカルチャーに対する興味ってどうですか?

石毛:人並みだと思いますけど、興味はあります。映画も好きだし、たまには美術館にも行くし。でも音楽ほど情熱を傾けて好きっていうわけではなくて、発想の転換というか、自分が知らない発想を提示してくれるので、視野を広くしてくれるものですね。「こういう絵は思いつかねえな」っていうのが新しい知識として体に入ってきて、その絵を音で表現したらどうなるかっていうヒントになるじゃないですか? 今持ってるセンスで満足しちゃうと、自分の作る音楽がどんどん古くなると思うんですよ。古くてかっこいいものもいっぱいあるけど、僕がやってるのはそうじゃないので、そういう時代のセンスはアートからもらってますね。

―では最後に、12月のさいたまスーパーアリーナに向けての意気込みを聞かせてください。

石毛:さっき言った、昔働いてた北浦和のKYARAっていうライブハウスから僕らは始まって、100人も入ればいっぱいいっぱいのライブハウスに10人いればいい方みたいなところから、スーパーアリーナまで来れたっていうのは単純に嬉しいです。でもその分責任感も出てきて、今日話したように、ライブハウスを、音楽を生活に戻すための戦いだとも思ってます。市民権とか言うと大げさだけど、ああいう大きなところで成功すれば、来年からトリッキーな動きをしたとしても、捉え方も変わってくると思うので。まあ、まずは成功しないと始まらないことなので、これを読んで興味を持ってくれたらぜひ来てほしいですね。今バンドはすごくいい状態なので、いいライブが絶対できると思います。

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イベント情報

『SUPER DISCO Hits!!!~そして伝説へ~』

2011年12月23日(金・祝) OPEN 16:00 / START 17:00
会場:埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
出演:the telephones
料金:前売 3,731円 当日未定

全国各地よりさいたまへ集まるためのツアーも盛り沢山!

リリース情報

the telephones『Rock Kingdom』
the telephones
『Rock Kingdom』

2011年10月12日発売
価格:2,800円(税込)
EMI Music Japan / TOCT-27095

1. White Elephant
2. DISCO AGE MONSTERS
3. Yeah Yeah Yeah
4. Punk Is Not Heavy Metal
5. Just One Victory
6. A A U U O O O
7. I Am Me
8. Crash The TV
9. New York City
10. Can't Stop Loving You

プロフィール

the telephones

2005年に埼玉県浦和にて結成。ポストパンク、ニューウェイブにも通じるダンスロックサウンドで各地のフェスを席巻しながら、ライブハウスとクラブシーンをつなげるロックバンドとして注目を集める。2011年12月23日にはバンド史上最大規模となるさいたまスーパーアリーナでのワンマンライブ『SUPER DISCO Hits FINAL !!! ~そして伝説へ~』も実施。ハイテンションなライブパフォーマンスは、ロックファンの熱狂的な支持を集めている。

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