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金田康平(THEラブ人間)×大橋仁(写真家)対談

金田康平(THEラブ人間)×大橋仁(写真家)対談

インタビュー・テキスト
田山雄士
撮影:田中慎一郎, 取材協力:ウーピーゴールドバーガー

もうライブなんて関係なしで、1番いいポジションに入りたくなっちゃうんですよ(大橋)

―その見解は一致してますね。大橋さんが初めてTHEラブ人間の曲を聴いた時の印象はいかがでしたか?

大橋:さっきも言ったJACCSカードのCMの撮影中だったんだけど、その時はファインダーに集中しちゃってたんですよ。だから、音を聴くよりも声の響きだったかな、そこがまず好きだった。あと、目の力強さとかね。あのCM撮影の時ってさ、「これから撮りますよ」って言う前にいきなりリハを撮ったじゃん。俺はあそこが実は1番良かったんだよね。「なんだコイツ? いきなり撮ってんじゃねえよ!」っていう気持ちが金田くんに満ち満ちてたわけ(笑)。

金田:そうそう、実際そう思ってた。入りの時間でやって来て、他にもカメラ隊がいる中でしたからね。「こっちはリハーサルしてんだよ!」みたいな(笑)。

大橋:その顔がめっちゃ良かったの! 俺もある意味そういう部分が撮りたかったから、わざと土足で上がっていって。

金田康平、大橋仁

―面白いですね(笑)。

金田:すげえ近かったもん(笑)。あの日は結構バチバチきてました。俺以外のメンバーはみんな気さくな奴らなんですけどね。

大橋:ライブの撮影も昔からちょいちょい依頼されてきたんだけど、もうライブなんて関係なしで、1番いいポジションに入りたくなっちゃうんですよ。アーティストの真正面とか、すごく酷い位置に入るわけ(笑)。

―最前列のお客さんからは、大橋さんの背中しか見えないくらいの?

大橋:そうそう。そんなことが何度も起きちゃって、俺にライブ撮影を依頼する人はいなくなるよね。お客さんに対して、ミュージシャンがライブするっていう行為自体、すでにその場で表現が完結してしまっているんだよね、こういう言い方は語弊があるかも知れないけど、カメラマンの入れる部分はほとんど残っていないと思う。だって、できるだけライブの邪魔にならない様にしなくちゃいけない、だから好きな様には撮れない。撮影の為のライブ(PVやジャケ写等)であればミュージシャンとカメラマンが1対1になれるから別なんだけど、お客さんの入っているライブ会場での撮影は、その会場に来れなかった人達への単なる映像の中継役になってしまう場合が多い。だから自分の表現を求められ、ライブ会場に連れて行かれると、悪気は無いんだけど会場の完結したバランスを自分が壊さざるおえなくなってしまうんだよね。

大橋仁

金田くんは気持ちいいこと至上主義でしょ? 俺もまさにそうなんですよ(大橋)

―大橋さんも金田さんもお互い譲れないポイントがありますね。

金田:譲れないというレベルの話じゃないのかもしれないですね。すごく本能的で、やり始めちゃったら止まれない。申し訳ない気持ちはあるんだけど。

大橋:あるある! でも、ファインダー覗いちゃったらどうしようもなくなっちゃうんだよね。申し訳ないって思うんだけど、正直それは2、3秒くらい。

金田:曲を作る時は、他のことは完全シャットアウトですね。作り終わったあとに後ろめたさが残る時があるけど、しょうがないかって。8月に出したミニアルバム『これはもう青春じゃないか』の"どうせ、慰時代"はまさにそういう曲ですね。

―後ろめたくなっても、作品をボツにすることはないわけですよね?

金田:ボツにしちゃうと作品がかわいそうだからなぁ。

大橋:そうなんだよね。金田くんの曲を聴いてると、やっぱり他人に思えないもん。

―特にどのあたりで強くそう思いますか?

大橋:人を歌ってるところですね。

金田:俺も写真集を見てて、同じことを思いました。大橋さんは人を撮ることにこだわってますよね?

大橋:うん。いろんな対象物があるけど、絶対的なプライオリティってやっぱり人だよね。

金田康平、大橋仁

―人がそこにいると、見えてくるものが変わったりもしますよね。

金田:そう。最近よく思うのは、例えばティファニーのオープンハートだとかシャネルのなんたらとかより、友達と徹夜明けに行く松屋の朝定食の方が完全に美しいんですよ。俺が音楽を作りながら、人の欲望の根源みたいなものを探してますね。

大橋:金田くんは気持ちいいことが好きなんだよね。気持ちいいこと至上主義でしょ? 俺もまさにそうなんですよ。なんで歌うのか、なんで撮るのかっていうと、つまりは自分が気持ちよくなりたいからなんです。みんなが自分の気持ちいいツボを知ってれば、もっとすごいことが起きると思うんですよね。もう、毎日が(精神的な)大乱交パーティみたいなさ。でも、はっきり言って今は街中見渡してもそういう人がほとんどいないわけですよ。自分のツボを知らない人がとても多いように感じる。まず、気持ちいいこと至上主義の人に出会うことすらない状態。そう考えると、今日この場は、2人にとってセックスになるわけですよ。俺、頭おかしい人みたいなこと言ってるかな(笑)。

金田:いや、俺らは頭おかしいと思われがちだけど、これがあるべき姿なんじゃないかな。みんなは身体にめちゃくちゃでかいコンドームを付けてる感じ。膜を張りすぎてるから、気持ちいいツボを押しても気付かないんですよ。その膜を取っぱらうために、ライブをやったりCDを出したりしてるんです。

4/4ページ:俺もずっと「性」のことを歌いたくて、いつかそのテーマだけでアルバムが録りたいんです(金田)

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リリース情報

THEラブ人間『大人と子供(初夏のテーマ)』
THEラブ人間
『大人と子供(初夏のテーマ)』(CD+DVD)

2011年11月23日発売
価格:1,000円(税込)
VIZB-18

1. 大人と子供(初夏のテーマ)
2. レイプ・ミー
3. 抱きしめて
[DVD収録内容]
1. 砂男
2. 東京
3. これはもう青春じゃないか
4. 抱きしめて
5. 砂男

プロフィール

THEラブ人間

2009年1月に金田康平を中心に突如現れた音楽集団。「恋愛至上主義」を掲げ、今日も他人と解り合うことを願って血まみれの恋愛と青春の焦げ臭さを高らかに歌っている。

大橋仁

1972年神奈川県相模原市生まれ。1992年第8回キャノン写真新世紀/荒木経惟選・優秀賞受賞。個人作品集に写真集「目のまえのつづき」(青幻舎)刊行(1999年)、写真集「いま」(青幻舎)刊行(2005年)などがある。雑誌、広告などでスチル、ムービーを問わず印象的なイメージを発信し続けている。

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