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「美しい」だけじゃない、シシド・カフカの本当の魅力

「美しい」だけじゃない、シシド・カフカの本当の魅力

インタビュー・テキスト
渡辺裕也
撮影:西田香織

主役にはなりきれないけど、本当は目立ちたいっていう願望をすごくクリアに叶えてくれるツールがドラムだったんです。

―それはかなりシビアですね(笑)。そもそもどんなきっかけでドラムを始めたんですか? 見た目からいえば、もっと目立つポジションが似合いそうですけど。

シシド:小学校6年生のときにある音楽番組を見ていたんですけど、ボーカル、ギター、ベースと画面に現れていく中で、ドラマーだけが1度も映らなかったのがすごく印象に残ってしまって。でもそういう、実際は派手なアクションを起こしているのにあまり目立たないっていうスタンスが、主役にはなりきれないけど、本当は目立ちたいっていう私の願望をすごくクリアに叶えてくれるツールになりそうな気がして、そこで私はドラマーになろうと思ったんです。

―あまり目立つタイプではなかったんですか。

シシド:できれば目立ちたいと思っていながら、自分はそういうタイプじゃないって子供の頃から感じていたんです。どう考えてもその器じゃないなって(笑)。それで裏方の仕事をやるようになったんですけど、一方では裏でインカムをつけて動いている私を見てほしいとも思ってて(笑)。内心ではそういう気持ちがずっとせめぎ合っていました。

―音楽そのものに関心を持つようになったのもドラムがきっかけ?

シシド:そうですね。でも、意識的に音楽を聴くようになったのは、それこそThe Newsに入ってからで。高校のときに組んでいたバンドは、とりあえずボーカルがやりたい曲をやるっていう感じだったんです。当時は青春パンクとかが流行っていた時期で、私も下北沢のライブハウスで最前列にいたりして(笑)。でも、ちゃんと音楽を聴いてなにかを得ようとしたのは、The Newsに入ってからだと思います。

シシド・カフカ

いきなり自分のことを考えすぎたせいで、まわりが見えなくなっちゃったんでしょうね。

―それはシシドさんが自己表現に目覚めた時期とも一致しているのでしょうか。

シシド:それはもう少しあとかな。表現したいというか、自分の思いを人に伝えようと考えるようになったのは、歌い始めてからですね。ドラムとしてバンドに関わっているときは、やっぱりボーカルを軸として考えていたんですけど、実際に自分がボーカルとしてステージに立ったときに「あ、その軸が今は私なんだ」と気づいて。振り向かせるまでもなくみんなが私を見ていて、ハッとしたんです。そこで「私ってなにが伝えたいんだろう?」「そもそも私ってどんな人なんだ?」と考えるようになって。

―自分の内面と向き合ったんですね。

シシド:私はそれまで、ホント感覚的に生きてきたんです。しかもそれでうまくやれていると感じていたから、そうやって一度立ち止まって自分を省みるのは初めてだったし、なかなか体力のいる作業でしたね。

―そのようにご自身と向かい合ってみて、どんな発見がありましたか。

シシド:まずは拒絶から始まりました(笑)。たぶん、いきなり自分のことを考えすぎたせいで、まわりが見えなくなっちゃったんでしょうね。それまでなんとも思わなかったことが気になりだして、学校にも行きたくなくなったり。でも、そこでなにかが掴めたのかどうかは、今もよくわからないです。たとえば、いまは作詞っていう作業を、自分がなにを考えているのかを言葉で見つけていくものだと捉えていて。わからないものをわからないと歌ってもいいと思えたことが、自分を楽にしてくれたんです。だって、考えれば考えるほど、私には人に教えられるようなことなんてなにもなくて(笑)。

シシド・カフカ

―リスナーって、つい詞のイメージとアーティストの実像を重ねてしまいがちだと思うんですけど、そこに抵抗を感じたりはしませんか。

シシド:まあ、私が書いたものですからね。それが私のすべてだとは言いませんけど、少なくとも自分の一面であることには変わりないから、それも間違いではないと思います。作詞には毎回かなり苦しんでますね。最後の言葉がうまくハマったときの達成感みたいなものはありますけど、それまではずっと(頭を抱えて)こんな感じで(笑)。

―つまり、アーティストとしてのシシド・カフカさんと、ご本人のパーソナリティーは限りなく近いものなんですね。すごくタフな女性像をイメージしていたんですが、こうして実際にお話を訊くと繊細な一面も感じられて、ちょっと意外でした。

シシド:(笑)。今回の『愛する覚悟』っていうシングルに入っている曲たちには、ある意味では強がりを見せているところもあって。根本には弱さがあるんですけど、言葉の選び方や切り取り方で見栄を張っているというか。ただ、私に強いイメージを抱かれているというのは、きっとドラムボーカルっていう演奏スタイルによるところが大きいんだろうと思います。確かにこのスタイルは私にとっての武器だから、そういう強気な面が前に出ているのかもしれませんね。

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リリース情報

シシド・カフカ<br>
『愛する覚悟』初回限定盤(CD+DVD)
シシド・カフカ

2012年9月19日発売
価格:1,600円(税込)
TECI-280

1. 愛する覚悟
2. サバイバル
3. a.notice
[DVD収録内容]
・“愛する覚悟”PV
・“デイドリームライダー”PV

シシド・カフカ<br>
『愛する覚悟』通常盤(CD)
シシド・カフカ
『愛する覚悟』通常盤(CD)

2012年9月19日発売
価格:1,200円(税込)
TECI-281

1. 愛する覚悟
2. サバイバル
3. a.notice
4. デイドリームライダー

プロフィール

シシド・カフカ

ドラマー/ボーカリスト。6月2日生まれ、175cm。メキシコで生まれ、アルゼンチンで中学時代を過ごす。14歳のときにドラムを叩き始め、18歳でプロミュージシャンの仲間入り。大島賢治(THE HIGH-LOWS)、平出悟(UVERworldプロデューサー)と出会い、ドラムボーカルとしての才能を開花。同時に、モデル、役者としても活動中。2012年5月16日「デイドリームライダー」で配信デビュー後、大きな話題を呼んだ。精力的にライブ活動も行っており、パワフルでアグレッシブな演奏と、ルックスからは想像できないエモーショナルなボーカルで観客を魅了している。

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