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最後の1ピース KAGEROインタビュー

最後の1ピース KAGEROインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中慎一郎
2012/11/06

バンドというのは、とても不思議な集団である。長年続いているバンドのメンバーというのは、家族や恋人以上に長い時間を共に過ごしていることになるが、その時間に比例して家族以上の濃密な関係性を築いているケースもあれば、バンドを離れればお互いのことはあまりよく知らないというケースも決して少なくない。また、バンドの中ではギスギスしていた関係が、解散や脱退などによって解消されるというケースもよくあることだ。もちろん、こういったことはどんな集団でも起こり得る話だとは思うが、やはりバンドというのはその中でも特殊な集団であり、だからこそ、そこで起こるドラマは非常に魅力的でもある。

今年の4月、KAGEROはバンド名の表記を改めるとともに正ドラマーとして萩原朋学を迎え入れた。バンドの中心人物である白水悠の大学の後輩であり、気が置けない友人でもあった萩原をバンドメンバーとして迎え入れることに、白水としては多少の躊躇もあったという。しかし、そこは変化を恐れず変わり続けていくバンド、時期を見逃さなかったのはさすがだ。結果として、KAGEROはライブバンドとしてこれまで以上の評価を獲得するようになり、萩原と共に過去曲をレコーディングし直した変則的なベスト盤『KAGERO ZERO』によって、新たなスタートを切ることになる。白水と萩原の話から、バンドという特殊な集団の不思議さと魅力をぜひ感じてほしい。

今までが友達だったから、KAGEROが上手く行かなくなったら、俺とハギの関係も崩れちゃうんじゃないかって。(白水)

―萩原さんが加入して、バンド名の表記も「カゲロウ」から「KAGERO」に変わり、ベスト盤の『KAGERO ZERO』が出るということで、今はバンドがある意味原点回帰を果たして、初期衝動を取り戻したような状態にあるのでしょうか?

白水:初期衝動はずっとなくさずにやってきたつもりだし、ドラムが3人いるっていう状態も楽しかったんですけど、今年になって『KAIKOO』への出演が決まったりしていく中で、3人でやるのはそろそろ限界かなっていうのがあったんです。状況がどんどん進展していく中で、スケジュールの面でも、音楽的な面でも、ここから先はちゃんと固まってやっていかないと無理だろうなって。ハギ(萩原)が入って今の4人になって、やっとバンドになったっていう感じかな。

白水悠
白水悠

―ちゃんとメンバーが4人揃った状態でのリリースって久しぶりですよね?

白水:『I』のときはまだ(菊池)智恵子がサポートだったし、『II』のときは4人いたけど、ドラムの(鈴木)貴之はツアー終ったらアメリカに行くのが決まってて、『III』はドラマー3人いたから、そう考えると初ですね。メンバーがしっかり固まって、先も見据えた状態でのリリースって、実は初めて。

―白水さんと萩原さんは元々どういうご関係だったんですか?

萩原:(白水は)大学の先輩です。

白水:後輩の中で一番仲よくて、よくコピーバンドとか一緒にやってて。

―今日のお二人の格好からして相性の良さが伺えます(笑)。音楽の趣味も近かったんですか?

白水:ハギの方がすげえ詳しくて、昔からよくCDを借りたりしてたから、ホント後輩っていうより友達って感じなんですよね。KAGEROで起きたことを「ハギ、聞いてくれよ!」ってしゃべってたし、遊びでインプロバンドをやったりするときはいつもハギに電話して……。

萩原:いきなりかかってくるんですよ。

白水:そう、「来週空いてる?」って。

萩原:「場所どこですか? ええと……仕事終わりでもいいですか?」みたいな(笑)。

白水:だから、今回ドラマーを決めようとなったらハギしか浮かばなかったんだけど、それってすごくリスキーでもあったんですよ。今までが友達だったから、KAGEROが上手く行かなくなったら、俺とハギの関係も崩れちゃうんじゃないかって。でも、今のKAGEROだったら、そのリスクも冒せるし、きっと大丈夫だろうと思って。

―逆に言えば、萩原さんがいなかったら他に候補がなかった?

白水:どうしようと思ったでしょうね。初っ端のライブがフェスだったし、そこは信頼感がないと、ただ上手いだけじゃ誘えないですからね。でも、変な話ハギの場合は、俺がどういうことをやりたいかっていうのを、Ruppaさん(Sax)や智恵子(Piano)以上にわかってるんですよ。もう……リーサルウェポンですね(笑)。

―萩原さんはバンドに誘われたときにどう思われました?

萩原:最初電話が来て、「あ、またインプロの誘いか」と思ったんですよ。そうしたら、「飲もうぜ」って言われて、「これは何かあるな」って。

白水:しかも、「再来週ぐらいなら」って言うから、「いや、近々なんだよ」って言って(笑)。チラッとよぎった?

写真左から:白水悠、萩原朋学
写真右:萩原朋学

萩原:……よぎったね。でも、実際言われるまでは考えないようにしてた。僕はずっとバンドをいくつか並行してやってて、ちょうど去年バンドがひとつ解散して、ちょっと時間できちゃったなって思ってたんですよ。それで飲みに行って……言うの早かったよね、お通しぐらい?

白水:ビール来る前に言った(笑)。

萩原:じゃあ、飲まなくてよかったじゃんっていう(笑)。

白水:酒の勢いを借りて告白するのはよくないでしょ?

―(笑)。

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イベント情報

『KAGERO ZERO Release Party』

2012年11月9日(金)
会場:東京都 渋谷 UNDER DEER LOUNGE
出演:KAGERO
※二部構成で実施、ゲスト参加者あり

『KAGERO ZERO release tour「ZERO WAY」』

2012年11月15日(木)
会場:北海道 札幌 KLUB COUNTER ACTION

2012年12月15日(土)
会場:栃木県 宇都宮 HELLO DOLLY

2012年12月22日(土)
会場:神奈川県 横浜 OTONAMA CIRCUIT -2012 WINTER CHRISTMAS SPECIAL-

2013年1月14日(月・祝)
会場:宮城県 仙台 RIPPLE

2013年1月26日(土)
会場:愛知県 名古屋 池下CLUB UPSET

2013年1月27日(日)
会場:茨城県 水戸 club SONIC mito

2013年2月2日(土)
会場:兵庫県 神戸 BLUEPORT

『KAGERO ZERO release tour「ZERO WAY」Tour Final 2Days』

2013年2月8日(金)、2月9日(土)
会場:東京都 下北沢 SHELTER

リリース情報

KAGERO<br>
『KAGERO ZERO』(CD)
KAGERO
『KAGERO ZERO』(CD)

2012年11月7日発売
価格:2,000円(税込)
RAGC-005

1. DEATHVALLEY HIPPY DUCK
2. SCORPIO
3. Pyro Hippo Ride
4. YELLOW
5. ROYAL KLOVER CLUB
6. GAS
7. HOT ROD DEVIL
8. HYSTERIA
9. CHEMICAL ONE
10. MR.BROADKASTER
11. JAILBIRD
12. AIR
13. sheepless, but feel alright

プロフィール

KAGERO

白水悠(Ba)、佐々木“Ruppa”瑠(Sax)、菊池智恵子(Piano)、萩原朋学(Drums)。ジャズカルテット編成の常識を覆す攻撃的な轟音とパンクスピリット溢れるライブパフォーマンスを武器に、活動当初から都内アンダーグラウンドシーンを席巻。ジャズ、パンク、ハードコアシーンを股にかける異端児として、国内外問わず注目を集めている。

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