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最後の1ピース KAGEROインタビュー

最後の1ピース KAGEROインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中慎一郎
2012/11/06

これまでのKAGEROを踏襲するんだったら、絶対俺じゃないと思うんですよ。でも、俺に話が来たっていうことは、「いいんですね?」っていう(笑)。(萩原)

―それで萩原さんは、すぐにOKを出したんですが?

萩原:頭によぎってたとはいえ、「うわ、来た!」と思って、やっぱり自分がKAGEROに入るっていうのが全然想像できなかったんですよね。もちろん曲は知ってるんだけど、「俺が入ってどうなるんだろう?」って。

白水:貴之はおかずがいっぱい出るドラマーで、ハギはご飯しかないから、「お前におかずがないのは知ってる、お前のご飯が欲しいんだ」って言って(笑)。

萩原:これまでのKAGEROを踏襲するんだったら、絶対俺じゃないと思うんですよ。でも、俺に話が来たっていうことは、「いいんですね?」っていう(笑)。俺はジャジーなドラムは通ってきてないんで、「俺がやってきたことの中でしかできないですけど、それでいいですか?」って聞いたら、「いいよ」って。そこのオッケーが出れば、やれるなって。

白水:でも、『III』とか大してジャジーじゃなかったでしょ?

萩原:いや、俺はちょっとジャジーな匂い出るだけでも緊張してたから(笑)。

白水:飲んでから、初めてスタジオに入るまで1週間ぐらい? 最初は二人で入ったんだけど、ハギはこう見えて真面目だから、その間ジャズを頑張って聴いてきたらしいんだけど、「いや、いらないから」っていう(笑)。

―(笑)。

萩原:ここ二人でやる分にはよかったんですけど、四人でやるときは結構緊張したんです。チエちゃんはほとんどしゃべったことなかったし、Ruppaさんともちゃんとバンドをやったことはなかったから、あの二人が俺のドラムでKAGEROの曲をやって、前より気持ちよくなれるかどうかは未知数だったし。すごくドキドキしました。

萩原朋学

―でも、結果的には萩原さん加入後のKAGEROはライブバンドとしての評価がかなり高まっていますよね。

白水:狙い通りですね。前までって、あんまりお客さんを意識してなかったんですよ。「かっこいいことやってれば伝わるだろう」ぐらいに思ってて。実際大きいところでやっても、「今日もかっこよかった」とか言ってもらえたんだけど、でもその状態がずっと続いてたから、もう一個次の段階のライブがしたいなっていうのは、『III』を作ってるぐらいからあって。ハギが入ったことで、次の段階に行けてる感じはありますね。

自分はやっぱりお客さんとのつながり、こっちから向こうに出して、向こうも返してくれるっていう方が楽しいんですよね。(萩原)

―メンバーが固まったことで、他にどんな変化がありましたか?

白水:Ruppaさんと智恵子は変わったね。僕らライブ会場限定のCDを作ってて、それが段ボールジャケットなんですけど、自分たちで段ボールを切って、ステッカー貼るんですよ。それを昔は全部俺が一人でやってたんだけど、ハギはそういうのも率先してやるから、それにつられて二人もやってくれるようになって。その意識は以前の二人に全くなかったから、そういう意味でもやっとバンドになったなって(笑)。

萩原:僕は今までずっとパンクスばっかりのところでやってきたんで、みんなが一斉に走ってるようなバンドスタイルが多かったんです。だからあのまま10〜20年やってたら死んじゃうなって思って。

白水:死んじゃうと思ったからお前を誘ったんだよ(笑)。

―(笑)。萩原さんが入ったことで、ライブにおいても、運営の面でも、バンドは今すごくいい状態にあるみたいですね。

白水:うん、今上手く行ってるだけにね、僕としてはここでいろんな結果も欲しくて。今結果を出して、よりテンションが上がることをやっていきたいなって思いが昔より強いかな。

―そんな中で、萩原さんと過去曲を再レコーディングしたベスト盤『KAGERO ZERO』が出るわけですね。

白水:ハギが入って、まずは昔の曲をハギならではのアレンジにしたいと思ってて、その流れの中でレーベルから「ベスト出そうよ」って言われたんで、「じゃあ、録り直させてくれ」って言って。大変だったけど、締め切りがあって逆によかったかも。

―最初の段階では、既発の曲をそのまま収録するベストを想定していたんですか?

白水:どうなんだろう……(レーベルは)一部録り直しぐらいに思ってたかもしれないですね。スケジュール的に、全部録り直すのは結構大変だったから。でも、これ全部録り直せるぐらいじゃないとダメでしょっていうのもあって、2日で13曲録ったっていう(笑)。

萩原:いやあ……胃が痛くてね(笑)。

―(笑)。その勢いもあってか、見事にどの曲もアグレッシブに生まれ変わっていて、萩原さんの顔見せ盤として相応しい仕上がりになっていますよね。

白水:お客さんがもっと戸惑うかなっていうのは正直あったんですよ。ハギと貴之は全然違うし、変な話だけど、貴之の方が好きな人もいてほしかったし。でも、おおむね今の方がいいって言ってくれてて、まあ比べてるわけじゃないんだろうけどね。ただ、ひとつだけ言えるのは、(萩原以外の)3人の演奏は格段によくなったでしょうね。「いい」っていうベクトルもいろいろだけど、僕の中での「いい」っていう方向に確実になってる。

―その「いい」っていうのを、具体的な言葉にできますか?

白水:前に飛ばす感覚かな。今僕はお客さんがいてこそのライブだと思ってるんで、お客さんに、前に飛ばすっていうのがすごくよくなってると思う。

萩原:前のKAGEROが他のバンドと違ったのは、いい意味で「見たきゃ見ろ」っていうライブだったんですよ。だから、引っかからない人には引っかからなかったかもしれない。それはそれでかっこよかったんですけど、自分はやっぱりお客さんとのつながり、こっちから向こうに出して、向こうも返してくれるっていう方が楽しいんですよね。

写真左から:白水悠、萩原朋学

白水:僕もハギも人間的に変わってきてるんだと思います。一時期はホント「見たきゃ見ろ」だったし。

萩原:顔が見えないアー写でもいいとか、ライブも照明暗くていいとかね。

白水:でも、お客さんが盛り上がってくれたら嬉しいし、物販に人がいっぱい来てくれたら嬉しいですからね。

萩原:健康的だよね(笑)。

白水:全然普通だよね(笑)。だったら、前に飛ばそうって気持ちになる。

萩原:入ったときは、「どっちに行くんだろう?」っていうのはあったんです。今までの「ちょっと突き放した感じなのかな?」とか。でも、自然と今みたいなライブになっていったんですよね。

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イベント情報

『KAGERO ZERO Release Party』

2012年11月9日(金)
会場:東京都 渋谷 UNDER DEER LOUNGE
出演:KAGERO
※二部構成で実施、ゲスト参加者あり

『KAGERO ZERO release tour「ZERO WAY」』

2012年11月15日(木)
会場:北海道 札幌 KLUB COUNTER ACTION

2012年12月15日(土)
会場:栃木県 宇都宮 HELLO DOLLY

2012年12月22日(土)
会場:神奈川県 横浜 OTONAMA CIRCUIT -2012 WINTER CHRISTMAS SPECIAL-

2013年1月14日(月・祝)
会場:宮城県 仙台 RIPPLE

2013年1月26日(土)
会場:愛知県 名古屋 池下CLUB UPSET

2013年1月27日(日)
会場:茨城県 水戸 club SONIC mito

2013年2月2日(土)
会場:兵庫県 神戸 BLUEPORT

『KAGERO ZERO release tour「ZERO WAY」Tour Final 2Days』

2013年2月8日(金)、2月9日(土)
会場:東京都 下北沢 SHELTER

リリース情報

KAGERO<br>
『KAGERO ZERO』(CD)
KAGERO
『KAGERO ZERO』(CD)

2012年11月7日発売
価格:2,000円(税込)
RAGC-005

1. DEATHVALLEY HIPPY DUCK
2. SCORPIO
3. Pyro Hippo Ride
4. YELLOW
5. ROYAL KLOVER CLUB
6. GAS
7. HOT ROD DEVIL
8. HYSTERIA
9. CHEMICAL ONE
10. MR.BROADKASTER
11. JAILBIRD
12. AIR
13. sheepless, but feel alright

プロフィール

KAGERO

白水悠(Ba)、佐々木“Ruppa”瑠(Sax)、菊池智恵子(Piano)、萩原朋学(Drums)。ジャズカルテット編成の常識を覆す攻撃的な轟音とパンクスピリット溢れるライブパフォーマンスを武器に、活動当初から都内アンダーグラウンドシーンを席巻。ジャズ、パンク、ハードコアシーンを股にかける異端児として、国内外問わず注目を集めている。

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