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湯澤幸一郎×H ZETT M×緒川たまきによる音楽劇の企画会議

湯澤幸一郎×H ZETT M×緒川たまきによる音楽劇の企画会議

インタビュー・テキスト
土佐有明
撮影:目黒智子

演劇界の異端児・湯澤幸一郎と謎の天才ピアノマジシャンH ZETT M、そして女優の緒川たまき。この異色の顔ぶれが集う音楽劇『大西洋レストラン』が、5月22日から26日に有楽町の博品館劇場で上演される。代表作『マグダラなマリア』等で才気を発揮してきた湯澤が作・演出する同作は、大西洋を航海する豪華客船内のレストランが舞台。そこに居合わせたピアニストのH ZETT Mとカウンターテナー歌手の湯澤が生演奏で音楽を奏で、緒川たまきが少女から男性の役までを演じ分ける予定だという。音楽と演劇の相乗効果によって、先鋭的、かつ娯楽性の高い舞台が立ち上がることになりそうだ。そこで、現段階ではどのような舞台になるか未知数の部分も多い『大西洋レストラン』について、出演者の三人に集まってもらい、作品の構想や意気込みを語ってもらった。観る側はもちろん、作る側にも、この面々ならばどう転んでも面白くなるという確信があることが伝わってくるだろう。

何をやるのか今日考えようって感じ。……何がやりたいですか?(笑)(湯澤)

―緒川さんとH ZETT M(以下エイチ)さんは今回が初対面なんですよね?

緒川:はい。それに湯澤さんも何度か劇場でお話しさせていただいた程度で、ちゃんと腰を据えてっていうのはこれが初めてです。

湯澤:去年は蜷川幸雄さん演出の『ボクの四谷怪談』でお会いしましたよね。

緒川:そうそう。怪談といえば、お会いする前に、NHKの『日本怪談百物語』で湯澤さんが語り手をされているのを観たんです。それが震えるほど素晴らしくて、「すごいもの見ちゃった!」って事務所の人に興奮して話したんですよ!

湯澤:緒川さんも素敵な声をされてますよね。ナイロン100℃の舞台などで演技を観させていただいて、ビジュアルももちろんですけれど、声がいいと思っていたんです。今回の企画は音楽とお芝居の他に朗読メインのパートを入れようと思っていたから、ダメもとでオファーしてみたらオッケーしてくれた。

緒川:湯澤さんとエイチさんという斬新な組み合わせに心惹かれて、出演してみたいと思いました。どんな舞台になるか想像がつかない未知の試みだからこそ、モチベーションが上がるというか、これは冒険のしがいがあるなって。

湯澤:どう転ぶか、現段階では自分でも分かってないですからね。何をやるのか今日考えようって感じ。……何がやりたいですか?(笑)

緒川:この場で会議ですか(笑)。じゃあ、逆に現段階での漠然としたプランをお聞きしてもいいですか?

左から:H ZETT M、緒川たまき、湯澤幸一郎
左から:H ZETT M、緒川たまき、湯澤幸一郎

湯澤:会場が博品館劇場なので、お芝居めいた形になるとは思うんですけど、僕とエイチさんのやることは、エンタメに寄り過ぎないかもしれない。耽美っぽい雰囲気もあると思うので、緒川さんにはそれを中和して観やすくしていただこうかなと。男2人でピアノを弾いたり歌ったりしていても、お客さんがポカーンってなってしまう可能性があるので……。緒川さんに軽みを出してもらって、舞台と客席との架け橋になっていただければと。

緒川:ちなみに、エイチさんや湯澤さんは、豪華客船で働いているスタッフという設定なんですか?

湯澤:はい、雇われピアニストと雇われ歌手みたいな形ですね。緒川さんは客船のお客さんで、語り部的な役割も果たしてもらおうかなと。ティム・バートンの映画みたいに、一番最初におばあちゃんが語り始めて、そこからお話が始まって、結局おばあちゃんはその話のヒロインでもあった……というような。

―湯澤さんとエイチさんとはどういうきっかけで知り合ったんですか?

湯澤:私が以前ご一緒した舞台の制作をしていた方から、凄いピアニストがいるので、湯澤さんの歌と一緒に何かやれないかっていう話をいただいて。私もミュージカルはやっているんですけど、器楽奏者と2人で演奏する機会が最近なかったので、やってみたいなと思って。エイチさんはどことなくサブカルチャーの香りがするのがいいですよね。

―どの辺りがサブカルチャーっぽいですか?

緒川:シャイなところじゃないですか?(笑)

湯澤:昔のインディーズのバンドマンみたいなね。「俺はミュージシャンだからしゃべらない」みたいなね(笑)。

―エイチさんは、舞台の音楽って初めてですよね。

H ZETT M:そうですね。でも、個人的に舞台を観るのは好きなので。

湯澤:去年の『マグダラなマリア』も観に来てくださったんですよね。

H ZETT M:以前の作品もDVDで拝見したんですけど、楽しいし面白くて大好きなんです。

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イベント情報

『大西洋レストラン』

2013年5月22日(水)〜5月26日(日)
会場:東京都 有楽町 博品館劇場
作・演出:湯澤幸一郎
音楽:H ZETT M
出演:
湯澤幸一郎
H ZETT M
緒川たまき
土屋裕一(*pnish*)
森崎ウィン

プロフィール

湯澤幸一郎

1971年生まれ。岩手県出身。舞台だけではなくCMや声優、そして歌手として耽美クラシックユニットCaccinicaにおいてカウンターテナー担当。その歌声はティム・バートンにも絶賛された。代表作『マグダラなマリア』では脚本・演出・音楽を手がける。湯澤作品は一癖も二癖もあるキャラクター設定や、小粋なギャグをおりまぜた脚本、そして劇場全体を使い観客をも巻き込む巧みな演出として定評がある。耽美でエロティック、どうしようもなくくだらないのに上品な “湯澤ワールド”とも言うべき世界観に今後の創作活動に注目が集まる。

H ZETT M

身長体重不明、年齢不詳、スリーサイズ非公開、鼻=青。 謎の天才ピアノ・マジシャン。PE'Zのヒイズミマサユ機、またもや椎名林檎率いる東京事変第一期の鍵盤の「H是都M」なのではないかという憶測が飛び交うも、本人はぼんやりと否定。2010年に突如行なわれた台湾でのゲリラストリートライブでは、2000人以上の観客を集めて台湾で青鼻ブームを巻き起こす。2012年1月はグランドピアノ1台と彼の体だけで全26曲をレコーディングしたアルバム「未来の音楽」を発表。この作品を期に始まった”独演会スタイルライブ”は全編を2時間以上、満員御礼の観客を惹き付け、ユーモアセンスのある基本的な性格も表れ各方面で好評得ている。

プロフィール

緒川たまき

映画『PUプ』で女優デビュー。テレビ、映画、舞台などで活躍。1997年に舞台『広島に原爆を落とす日』でゴールデンアロー賞・演劇新人賞を受賞。‘98年に映画『サムライ・フィクション』で高崎映画祭・最優秀助演女優賞を受賞している。近年の主な出演作品に、舞台『どん底』、『しとやかな獣』、『エドワード・ボンドの「リア」』、『黴菌』、『黒い十人の女』、『赤色エレジー』、映画『紙風船』、『陰日向に咲く』、T『きいろいゾウ』TVドラマ『日曜劇場 Tomorrow〜陽はまたのぼる〜』(TBS)、『娘の結婚』(wowow)など。女優業以外にもMCとして『アフロディーテの羅針盤』(NHK BSプレミアム)に出演。

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