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人生を変えてくれた歌はあるか Rie fuインタビュー

人生を変えてくれた歌はあるか Rie fuインタビュー

インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:豊島望
2013/09/12

誰かが作った1つの歌が、他の誰かの人生を変えることがある。音楽活動と並行してロンドン芸術大学でファインアートを学ぶなど、画家としても活動中のRie fuも、内気な少女時代にカーペンターズの歌声を聴いて、歌い始めた一人だ。彼女は、より自分らしい音楽制作のあり方を求めて昨年春に自身の会社「Rie fu Inc.」を設立。前作『BIGGER PICTURE』からおよそ1年ぶりとなる本作『Rie Fu Sings The Carpenters』はカーペンターズに捧げるカバーアルバムであり、亡きカレン・カーペンターへの想いを手紙のごとく綴ったオリジナル曲“Dear Karen”を収録するなど、彼女にとってまさに「原点回帰」と言える内容となっている。カレン・カーペンターとの出会いが少女を励まし、そこからまた新しい音楽が生まれた。時代を超えて受け継がれる音楽の魅力について語ってもらった。

「原点回帰」というか、自分自身の曲作りや歌うことへのルーツを見つめ直すことをしたかったんです。

―今回のカバーアルバムを聴いて、Rieさんがカレン・カーペンターの声にそっくりで驚きました。

Rie fu:そう言ってもらえて嬉しいです。小さい頃は、声が低いのがコンプレックスだったんですけど……。人前で歌うのも苦手でしたし。

―内気な少女時代だったんですね。

Rie fu:おとなしくて、周りよりもテンポが遅くてゆったりしてて。毎日家で絵を描いては自分の世界に入り込んじゃうというか、「ちゃんと社会に適合できるのかな……」って、親も心配していました(笑)。とにかく、何かを作ることが大好きで、それを人に披露するっていうのが、おとなしい自分にとっての「表現方法」だったんです。

―そこからなにがきっかけで歌手になろうと思ったのでしょう?

Rie fu:7歳から10歳まで、父親の仕事の都合でアメリカ東海岸の田舎に住んでいたんですけど、そのときに初めてカーペンターズを聴いたんです。彼らの歌って英語がすごくキレイで聞き取りやすいので、「英語の勉強のためにも」ということで、両親が家でカーペンターズを流してくれて。それで、カレン・カーペンターの歌声に衝撃を受けて自分でも歌ってみようって思うようになりました。

―カレンも自分の声が嫌いだったそうですけど、ハイトーンボイスが溢れる中で、カレンやRieさんのアルトボイスは魅力的ですよね。

Rie fu:自分の個性として声を活かせるんじゃないかって思えるようになったのは、本当につい最近なんです。中学時代はまさに「小室世代」だったので、例えばカラオケに行ったりすると、とにかくキーの高い歌しか入っていなくて……。全然歌える曲がないし、歌ったとしてもカラオケの音響では全く響かなくて(笑)。

―今回は、どういう経緯でカーペンターズのトリビュートアルバムを作ることになったのですか?

Rie fu:これまでもカーペンターズのカバーライブはよくやっていたんです。今年はカレン・カーペンターの没後30周年ということもあり、アルバムを作ることにしたのですが、「30年」ってきりもいいですし、他にもいろんな意味があるなと思って。親と子の世代間がおよそ30年だったり、服のトレンドが1周するのも大体30年ぐらいですよね。人生の中間地点という気もしますし、私ももうすぐ30歳。そういう大事な年に、「原点回帰」というか、自分自身の曲作りや歌うことへのルーツを見つめ直すことをしたかったんです。

Rie fu
Rie fu

―まさにRieさんの人生を変えたのがカーペンターズなのですね。でも、今作では彼らを変に神格化することもなく、非常に大胆なアレンジをほどこしていて、絶妙な距離感ですよね。

Rie fu:そうですね。ただ、彼らのコーラスラインは原曲をかなり意識しています。

―それはどうして?

Rie fu:カーペンターズの曲を改めて聴き直してみたら、今まではカレンの声がカーペンターズの最大の特徴だと思っていたのですが、コーラスがあることでメインのボーカルが引き立っていたり、カーペンターズらしい音色になっていたりすることに気付いたんですよ。あとは、“Please Mr. Postman”のドラムのフィルも、ちょっとダサイっていうか、真面目に叩いている感じが可愛かったので(笑)、そこは引き継いでいます。原曲に敬意を示しつつ、オリジナリティーを入れていくというバランスはかなり意識しましたね。

―“Sing”では、声にエフェクターをかけていますよね。最近だとジェイムス・ブレイクのようなシンガーが、エフェクト処理を積極的にしていますが、Rieさんにとって自分の声を加工することは新しい試みなのでは?

Rie fu:実は最近、ライブでもキーボードのコードに合わせてコーラスを付けてくれるエフェクターを使ったりしていて。そうやって、声にもギターみたいにエフェクトをかけるやり方を楽しんでるんです。これまで、声をそのまま伝えることをやってきたので、今はむしろその声でどんどん遊んでみたい気分です。

―“For All We Know”ではハープシコードのソロが入っていて、ビートルズの“In My Life”を彷彿とさせました。カーペンターズ以外にも、かつての音楽へのオマージュが感じられるというか。

Rie fu:そうですね、バロック調な感じにしています。ビートルズは最近になって聴くようになったのですが、このカバーアルバムはカーペンターズだけではなく、時代を超えて愛され続ける全ての音楽に捧げるような意味もあります。

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イベント情報

『fu in fukuoka 2013』

2013年10月20日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:福岡県 福岡Café Teco
料金:3,500円

『360°Premium Live featuring Rie fuワンマンライブ』Daikanyama LOOP 5th anniversary

2013年11月27日(水)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:東京都 代官山 LOOP
料金:前売3,300円 当日3,800円(共にドリンク別)

『fu fes vol.2』

2013年12月14日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京都 SuperDeluxe

2013年12月15日(日)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:大阪府 Art Yard Studio

料金:各公演 3,000円(ドリンク別)

リリース情報

Rie fu<br>
『Rie fu sings the Carpenters』(CD)
Rie fu
『Rie fu sings the Carpenters』(CD)

2013年9月4日発売
価格:2,500円(税込)
DQC-1132

1. Dear Karen〜English version〜
2. Sing
3. We've Only Just Begun
4. For All We Know
5. Please Mr.Postman
6. Superstar
7. Yesterday Once more
8. Close to You
9. Top of the World
10. Rainy Days and Mondays
11. A Song for You
12. I Need to be in Love
13. Dear Karen〜Japanese version〜

CINRA.STOREで取扱中の商品

Rie fu<br>
『Dear Karen tote』 [トートバッグL]
Rie fu
『Dear Karen tote』 [トートバッグL]

価格:2,940円(税込)
30年前から100年後までのストーリー

Rie fu<br>
『fu palette1』[iPhone5ケース]
Rie fu
『fu palette1』[iPhone5ケース]

価格:3,675円(税込)
美術作家としても評価の高いRie fuがデザイン

Rie fu<br>
『fu palette2』[iPhone5ケース]
Rie fu
『fu palette2』[iPhone5ケース]

価格:3,675円(税込)
美術作家としても評価の高いRie fuがデザイン

Rie fu<br>
『fu palette moji』[iPhone5ケース]
Rie fu
『fu palette moji』[iPhone5ケース]

価格:3,675円(税込)
美術作家としても評価の高いRie fuがデザイン

プロフィール

Rie fu(りえ ふぅ)

2004年、マキシシングル『Rie who!?』でデビューと同時に渡英、2003年から2007年まではロンドン芸術大学でファインアートを学び、日英を往復しながら活動。2007年より日本に拠点を移し、定期的に個展を行い画家としての活動も続けている。2009年には井上陽水のツアーに参加。ORANGE RANGE NAOTOのプロジェクト、delofamiliaへの加入。ソニーよりアルバム5枚、シングルコレクションリリース後、2012年に(株)Rie fu設立。

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