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ちっぽけな僕らは如何に生きる? MOBYインタビュー

ちっぽけな僕らは如何に生きる? MOBYインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
2013/10/04

僕からすると、今の社会において最も悲しむべきは、人々が本来の自分を偽って生きていることだ。

―『Innocents』というタイトルには、どのような想いが込められていますか?

MOBY:さっきの話に戻るんだけど、僕は「人間を人間たらしめる条件」にすごく興味を持っているんだ。それも科学的見地から見るのでも、哲学的観点から見るのでもなく、単純に人間がストレスを抱えたり、混乱しながらもどう生きようとしているのかを見ている。僕たちが生きているこの世の中で、僕たちが目にするもののほとんどが人間の手によって人間のために作られたものだ。そんな中で、僕らは自分たちがほんの数十年しか生きないということを忘れてしまいがちだ。地球が50億年存在しているのに比べたら、僕らなんてホントにちっぽけな存在なんだよ。

―確かに、そういった側面があることは否めませんね。

MOBY:だから、我々人間は誰しもが脳裏ですごく戸惑っていて、日々ストレスを感じているんだけど、でもそれ以上に深い部分で、実存的精神的混乱を抱えていると思う。そしてそれゆえに、誰もが無邪気さを持っていると僕は思っているんだ。決して悪いことをした人を正当化しようとしているわけではないけど、どんなに悪いことをした人であっても、深い部分に無邪気さと脆さ、不安を抱えているんだ。

―アルバムのジャケットも、そういった人間の無邪気さや脆さが表されたものなのでしょうか?

MOBY『Innocents』ジャケット
MOBY『Innocents』ジャケット

MOBY:人間であることと向き合ったとき、悲しいことに多くの人は「恥」を感じ、自分を隠そうとするのだと僕は知った。だからアートワークでは自分の本当の姿を隠している人間を描きたかったんだ。本来の自分を恥じているから隠して、自分ではない姿を代わりに見せている。多くの人間が実際そうやって生きている。僕からすると、今の社会において最も悲しむべきは、人々が本来の自分を偽って生きていることだ。なぜ、自分の感情に正直に生きないで、自分の気持ちを隠して嘘の生き方をするのか。アートワークで伝えようとしたのは、そういうことだよ。

―では、最後の質問です。現在日本は2020年の東京オリンピック開催が決定したことで大きく湧きかえっています。そんな中で今回のアルバムを聴いて、これはやや突飛な発想に聞こえるかもしれませんが、僕は「もしも次回アメリカで開催するときは、MOBYこそが開会式の音楽監督に適役なのではないか?」と感じました。それは音楽性、メッセージ性、両面から見て思ったことなのですが、そういった仕事への関心はありますか?

MOBY:あはは(笑)。まあ、確かに魅力的ではあるよ。特に、去年のロンドン大会でダニー・ボイルが開会式の制作総指揮をとったことを考えると、変人が制作監督を担ったという実績はあるわけだからね(笑)。ただ、残念ながら僕は強い政治的見解を持っているから、アメリカにはまだ右派共和党支持者が多く存在していて、彼らは全員僕のことを嫌っている。僕は進歩的左派の民主党支持者だからね。だから、僕のような左派的政治的見解を持った人間をオリンピックのような国民的行事にいかなる形にせよ関与させることを、右派共和党支持者たちが絶対に許すはずがないと思うなあ(笑)。

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リリース情報

MOBY<br>
『Innocents』国内2枚組限定生産盤(2CD)
MOBY
『Innocents』国内2枚組限定生産盤(2CD)

2013年10月2日発売
価格:2,400円(税込)
BEAT RECORDS / BRC-397DLX

[DISC1]
1. Everything That Rises
2. A Case For Shame(with Cold Specks)
3. Almost Home(with Damien Jurado)
4. Going Wrong
5. The Perfect Life(with Wayne Coyne)
6. The Last Day(with Skylar Grey)
7. Don't Love Me(with Inyang Bassey)
8. A Long Time
9. Saints
10. Tell Me(with Cold Specks)
11. The Lonely Night(with Mark Lanegan)
12. The Dogs
13. The Perfect Life(with Wayne Coyne)(Moby's M-90 edit) [Bonus Track for Japan]
[DISC2]
1. I Tried
2. Illot Motto
3. Miss Lantern
4. Blindness
5. Everyone Is Gone
6. My Machines

MOBY<br>
『Innocents』国内通常盤(CD)
MOBY
『Innocents』国内通常盤(CD)

2013年10月2日発売
価格:2,100円(税込)
BEAT RECORDS / BRC-397

1. Everything That Rises
2. A Case For Shame(with Cold Specks)
3. Almost Home(with Damien Jurado)
4. Going Wrong
5. The Perfect Life(with Wayne Coyne)
6. The Last Day(with Skylar Grey)
7. Don't Love Me(with Inyang Bassey)
8. A Long Time
9. Saints
10. Tell Me(with Cold Specks)
11. The Lonely Night(with Mark Lanegan)
12. The Dogs
13. The Perfect Life(with Wayne Coyne)(Moby's M-90 edit) [Bonus Track for Japan]

プロフィール

MOBY(もーびー)

世界的大ヒット・アルバム『Play』や続く『18』を筆頭に、2000万枚ものトータル・セールスを記録しているマルチ・ミリオンセラー、モービー。音楽作品、パフォーマンス、ビデオ作品のすべてにおいて、グラミー賞を含む様々な世界的音楽アワードで受賞およびノミネートされている他、マット・デイモン主演の映画『ボーン』シリーズ、マイケル・マンの代表作『ヒート』、『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』への楽曲提供、レオナルド・ディカプリオ主演映画『ビーチ』主題曲「Porcelain」の大ヒットなど、映画界からも信頼度は厚い。

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