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ブックコーディネーター内沼晋太郎と考える面白さを形にする方法

ブックコーディネーター内沼晋太郎と考える面白さを形にする方法

インタビュー・テキスト
梅田カズヒコ
撮影:寺島由里佳
2013/10/22
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極端なことを言うと、イベントも本だと思っているんですよ。

―先日行われた第1回目のイベントは、『BRUTUS』編集長の西田善太さんと内沼さんによるトークイベントでしたよね。この企画はどのように実現したのでしょうか?

内沼:『BRUTUS』編集部がデサントと「カラダにいい100のこと。」というサイトをオープンさせたので、そのオープニング記念なんです。このウェブサイトは、『BRUTUS』で2月に特集した「カラダにいいこと。」の続編にあたります。デサントにとっては「DESCENTE SHOP TOKYO」と目的が近くて、「知ってはいるけど、どんなブランドだっけ?」という方々に、新しいイメージを持ってもらいたいという想いがあって。一方『BRUTUS』の西田編集長からは、以前から「企業のウェブサイトに寄生して、紙の雑誌の続編をやるという形なら、デジタルもあり得るかも」というお話をうかがっていました。それで、2月の「カラダにいいこと。」という特集が、デサントが抱えている課題の解決にピッタリ当てはまると思い、僕が『BRUTUS』編集部とデサントの両方にお話を持っていきました。このプロジェクトと同時期に始まったことで、「デサントがなんだか面白いことになっている」というイメージを持ってもらって、相乗効果が出せるとよいなと思いました。

内沼晋太郎

―今後は、どのようなイベントをやっていく予定ですか?

内沼:初めのうちは、アスリートによるトークイベントや、スポーツやカラダに関する本を書いた著者を呼んだりしていこうかなと思っているのですが、様々な人に来てもらいたいので、徐々にデサントやスポーツと関係がないイベントもやっていってもいいのではないか、と話しています。「デサントって聞いたことがないけど、あそこでなんか週末にイベントをやっているんだな」と、まず思ってもらうことが大切だと考えています。

―本棚とイベントスペースというのは、まさに下北沢の「B&B」もそうですが、内沼さんが普段から行っている手法ですよね。

内沼:この二つは非常に相性がよいんです。イベントに登壇される方の本を購入することもできるし、イベントを行うことによって、普段は本屋にあまり足を運ばない人も集客できる可能性があるわけです。

―デサントでは週末にイベントを開催するそうですが、「B&B」は毎日イベントを行っていますよね。定期的に開催することにこだわりがあるのでしょうか?

内沼:それにはかなりこだわっていますね。「B&B」も、企画の段階ではイベントを不定期開催するという話もあったのですが、それじゃダメだと。毎日やらないと、日常にならないじゃないですか? 野球場もライブハウスも毎日やってますよね。デサントはまずは週1ペースから始めますが、今後はもっと増やしてもいいかもしれない。「あそこに行けば何か面白いことをやっている」という空気を生み出すのが重要だと思ってます。

DESCENTE SHOP TOKYOの書棚

―定期的にイベントを開催するきっかけとなったできごとがあったのでしょうか?

内沼:2009年に『MAGNETICS』という企画で、原宿のカフェで1か月間、毎日イベントをやってみたことがあるんです。そのときに、毎日やるというのは、仕組みさえうまく作れれば難しいことではないんだなと思ったんです。イベント会場の運営というのはメディアと同じで、例えばウェブメディアは毎日更新されて、蓄積されてくるから力を持つわけですよね。そういう意味で、イベントも定期的にやることが、場の力につながると思うんです。

―内沼さんは自身のプロジェクトでも以前からイベントを行っていますが、本とイベントというアイデアは、そもそも何が発端となっているのでしょう?

内沼:極端なことを言うと、イベントも本だと思っているんですよ。イベントと本作りは似ていますね。例えば、イベントを書き起こして本にしたものもたくさんあるじゃないですか。それに、イベントで誰にどういうことを喋ってもらおうかな? と考えるのは、雑誌の企画を考えるのと同じ頭の使い方なんです。

内沼晋太郎

―印刷されて活字になったものだけが、本ではないと。

内沼:どうして自分が本を好きなのかと考えていくと、それは単純に、面白いものに触れたいからなんです。PCのファイルであれば、テキストは「.doc」、ムービーは「.mov」、音声データは「.mp3」などいろいろな形式がありますが、そうやってファイル形式が変わっても、中身の面白さは変わらないと思っています。それが、どうしてInDesignでレイアウトされたものだけを本と呼ぶのか。未来の人にとっては、どのファイル形式でもきっと一緒だと思うんです。1つのパッケージされたコンテンツは、イベントも含め、全部本ということでいいんじゃないかって思います。

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プロフィール

内沼晋太郎(うちぬま しんたろう)

1980年生まれインターネット育ち。一橋大学商学部商学科卒。卒業後、某外資系国際見本市主催会社に入社し、2ヶ月で退社。その後千駄木・往来堂書店のスタッフとして勤務し、その他フリーターとして複数のアルバイトを掛け持つ傍ら、2003年、本と人との出会いを提供するブックユニット「book pick orchestra」を設立。「文庫本葉書」「新世紀書店」「WRITE ON BOOKS」「book room[encounter.]」など数々のプロジェクトを手がけ、2006年末まで代表をつとめる(現代表:川上洋平)。平行して自身の「本とアイデア」のレーベル「numabooks」を設立し、現在に至る。

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