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Go-qualiaとNaohiro Yakoが語る分解系とネットレーベルの今

Go-qualiaとNaohiro Yakoが語る分解系とネットレーベルの今

インタビュー・テキスト
金子厚武

world's end girlfriend主宰のレーベルVirgin Babylon Recordsから発表される、Go-qualiaの2枚組の新作『Xeno』がものすごい。「人類が観測しうる宇宙」を表現した『Xeno -Catasterismi-』、「星の一生と死」を表現した『Xeno -Remnant-』というタイトルが付けられたこの作品は、エレクトロニカの範疇を軽々と飛び越え、まさに聴く者を異次元へと連れ去るかのような、強烈な体験をリスナーに与えるものだ。話を聞いてみると、Go-qualia自身は、宇宙をスピリチュアルなものとしてではなく、あくまで物理的な観点から捉えているというのも面白いし、女性シンガーソングライター・やなぎなぎと声優の門脇舞以をゲストボーカルに迎えるなど、越境精神も非常に旺盛。昨年同レーベルからリリースされたXinlisupremeにも通じるような、驚愕の作品なのである。

今回はGo-qualiaにこの大作についての話を聞くと同時に、共にネットレーベル「分解系レコーズ」を主宰するNaohiro Yakoを招き、ネットレーベルの現状についても話を聞いた。音楽を取り巻く環境がますます急速な変化を続ける中、2010年7月のレーベル設立から3年以上が経過し、「分解系レコーズ」はどう変わり、ネットレーベルの存在意義そのものがどのような変化を遂げたのか? ネットレーベルの主宰者自ら「ネットレーベルの時代ではない」と語る、その真意とは? 「ネット発」が普通な時代の、音楽との接し方を探る。

『OUT OF DOTS』は、ほとんどGo-qualiaのライブを見たいがために開いたようなイベントだったんです(笑)。そのイベントの後に、「一緒にネットレーベルをやらないか」って話をしたのがスタートですね。(Yako)

―まずは「分解系レコーズ」の歩みを改めて振り返っていただきたいと思うんですけど、そもそもはYakoさんがGo-qualiaさんのファンだったそうですね。

Yako:そうですね。レーベルは2010年に立ち上げたんですけど、07年とか08年ぐらいから、ニコ動にアップされてたGo-qualiaの曲が好きだったんです。それで、ライブをどうしても見たかったんですけど、ライブ情報がどこにもなかったんですね。

Go-qualia:やってなかったんです(笑)。

Yako:そんな中で、たまたま自分がやってたUstreamをGo-qualiaが見てて、慌てて声をかけたんです。「東京でイベントやるから、出てください」って。

―そのイベントっていうのは、Yakoさんが主催されてる『OUT OF DOTS』ですよね?

Yako:そう、それが最初にやった『OUT OF DOTS』で、ほとんどGo-qualiaのライブを見たいがために開いたようなイベントだったんです(笑)。そのイベントの後に、「一緒にネットレーベルをやらないか」って話をしたのがスタートですね。

―ネットレーベルをやること自体には、何か目的意識があったのですか?

Yako:いや、他にGo-qualiaが似合うレーベルがなかったから、自分たちで立ち上げようっていう話になったんです。まあ、他にも出したいと思う人がネットにいっぱいいたっていうのもあるんですけど、「メインはGo-qualia」っていうのが僕の中にはありました。

―レーベルの設立から3年が経って、今や「日本のネットレーベルの草分け的存在のひとつ」と言われるようになったわけですが、当時は3年後の展望とかって持ってましたか?

Yako:何にも考えてなかったですね(笑)。基本的には、自分たちが好きな人や音を出そうっていうだけだったんで、『OUT OF DOTS』も、自分が聴きたい人を呼ぶっていうだけで始まってるし、そこは今も変わんなくて、多分今後も変わることはないと思います。展望とかってあった?

Go-qualia:リリースページが埋まるぐらいにはしたいなって思ってたけど、それぐらいかなあ……。

Yako:「日本一のネットレーベル」とか、そういう展望はなくて(笑)。

Go-qualia:こんなに注目されるとも思ってなかったし。

Yako:そうそう、ひそやかにオンラインでしか出来ない配信をして、エレクトロニカを聴く人が増えたらいいなっていうぐらいの感覚でやってたんで。まあ、若干意識が変わってきたのは、うちからのリリースを経由して、CDリリースに行くっていう人がちょっとずつ増えてきたときですかね。Go-qualiaもそうですし、MadeggとかNyolfenとか、この間のN-qiaさんもそうだし。フィジカルで流通に乗るのって、エレクトロニカ界隈だと何だかんだで憧れはあって、そこに行く前段階としてうちから出す人が結構増えて、「踏み台にしてもらえるレーベルになれればな」みたいな感覚は出て来ましたね。

Go-qualia:今はもうネットレーベル自体いっぱい出てきたし、頭打ちっていうか、「ネットレーベル」っていうものに対して騒ぐような時期も過ぎましたよね。普通にフィジカルのリリースがあって、ダウンロードもあって、その中にネットレーベルっていう選択肢もあるだけっていうか。

―でも、重要な役割は担っているように思います。

Go-qualia:ちゃんとリリースページやジャケも作るので、単にSoundCloudとかにアップするよりも、ちゃんとアーティストのプレゼンはできますよね。

Yako:ネットレーベル以降に、SoundCloudとBandcampができたっていうのは決定的な違いだと思ってて。その2つがあったら、別にネットレーベルを通さなくても、個人でリリースできちゃうじゃないですか? だから、「ネットレーベルから出す意味は薄まった」ってよく言われるんですけど、レーベルとしてどう見せるかっていうのは何だかんだ大事だと思ってます。結局中学の頃に友達に好きなアーティストのCDを貸したりするのとやってるスタンスは変わらないんですけど、そういうのは個人ではできないことだと思うんです。

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リリース情報

Go-qualia<br>
『Xeno』(2CD)
Go-qualia
『Xeno』(2CD)

2013年11月11日発売
価格:2,600円(税込)
VBR-014/15

[DISC1]
『Xeno -Catasterismi-』
1. Xeno
2. Heliosheath
3. Sirius
4. Oort Cloud
5. Nemesis
6. Pleiades
7. Milkomeda
8. Halo
9. Betelgeuse
10. Al tair
11. Vega
12. Meta
13. Sic Itur Ad Astra
[DISC2]
『Xeno -Remnant-』
1. Ginnungagap
2. Barnard's Loop
3. Tycho's Nova
4. Kepler's Nova
5. Andromeda
6. Cygnus Loop
7. Vela
8. Nubecula
9. Coalsack

プロフィール

Go-qualia(ごーくおりあ)

新鋭ネットレーベル「分解系レコーズ」を主宰し、その他多くのネットレーベルから楽曲/リミックスを発表。ニコニコ動画などではアニメの音声だけを抽出し音楽として再構築した「○○の声だけで」シリーズなどがある。楽曲の持つ美しさとある種のPOPさには定評があり、オンライン上にはすでに多くのファンがついている。アニメ・ゲーム等の現代を彩る文化を素材に分解、再構築し新たなエレクトロニック・ミュージックの可能性に迫る。PROGRESSIVE FOrMよりリリースされた、Pleq『Good Night Two』や、スクウェア・エニックスの人気ゲーム“ニーア”トリビュートアルバムCD『NieR Tribute Album-echo-』等にリミキサーとしての参加を経て、2011年12月にはVirgin Babylon Recordsより"魔法少女"をテーマとした初のCDアルバム作品『Puella Magi』を発売。2012年にはSonarSoundTokyo2012への出演を果たす。

Naohiro Yako(なおひろ やこう)

2010年よりトラックメーカーのGo-qualiaと共にオンラインレーベル"Bunkai-Kei records"を主宰。分解系でのリリース等のプロデュースをするほか、「OUT OF DOTS」や「Re-Union」といったイベントのオーガナイズやDJとして活動。また個人としてVJや、2002年よりメディアデザイン集団flapper3の設立メンバーとしても活動している。

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