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9年間、みんなが待ってた downyインタビュー

9年間、みんなが待ってた downyインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:豊島望
2013/11/20

2004年の活動休止から実に9年ぶり、待望の新作(もちろん、タイトルは『無題』)とともに、downyが帰ってきた。2000年代初頭、日本のオルタナティブなロックシーンが最も面白かった時期にあって、変拍子を多用した硬質かつミニマルなバンドアンサンブルと、青木ロビンの独特な詞世界が生み出すサイケデリア、映像と音楽を同期させたライブによって、圧倒的な存在感を放っていたのがdownyであり、今でこそ当たり前となった変拍子やVJ入りのバンドという概念は、彼らがいなければここまで広まっていなかったとさえ言えるかもしれない。メジャーデビューも果たし、4枚のオリジナルアルバムを発表した中での突然の活動休止は、当時間違いなく「事件」であった。

その後、中心人物の青木ロビンは地元の沖縄へと戻り、しばらく音楽からは離れた生活を送っていたという。しかし、約3年前から水面下で活動再開に向け動き始め、2012年にメンバーがTwitterで曲作り中であることを報告、今年の10月に活動再開が公式にアナウンスされると、downyの名前がTwitterのトレンド入りをするなど、その期待度の高さをうかがわせた。今回のインタビューでは、青木ロビンに活動休止から再開までの経緯、新作について、そして今彼がなにを思うのかをじっくりと語ってもらった。

インドと日本のハーフであり、香港で生まれ育った青木ロビンは、表現をすることで自分の居場所を探し続けてきた人である。downyが活動を休止せざるを得なかった時期というのは、彼の強い表現欲求がバンドという枠を超えて、爆発してしまったということなのかもしれない。しかし、彼は沖縄という土地での生活を経て、downyというホームへと、今再び戻ってきたのである。

「衣食住」を全部やってから、その上で音楽をもう1回やろうと思ったんです。

―僕は2000年代の頭の頃にちょうど大学生で、当時いわゆる日本のオルタナティブなロックをよく聴いていて。もちろんdownyも聴いていたので、今回インタビューをすることができて、すごく嬉しく思っています。

青木:昨日から取材を受けてるんですけど、意外とそういう人がいて、「その当時にもっと言ってくれたら」と思うんですけど(笑)。

―当時はまだTwitterなんかもなかったですからね(笑)。04年の活動休止以降は、沖縄に戻られて、音楽から離れて生活をされていたそうですね。

青木:まったく音楽と関係ない生活をしてました。高校生ぐらいからずっと、音楽に対して「どう作ってるんだろう?」みたいな耳でしか聴いてこなかったんですけど、活動休止をした頃は「もう聴くのも嫌」みたいな状態になってしまっていたので。

青木ロビン
青木ロビン

―音楽がストレスになってしまい、それで活動をストップすることになったわけですか?

青木:バンドの活動休止自体はすごくいろんな理由が重なってたので、一言では言えないんですけど、あのときは単純に「お休みさせてくれ」みたいな感じでした。ただ、沖縄で生活をしていく中で、徐々にまた音楽が聴けるようになってきて、それまでは敬遠していたものも、スッと入ってくるようになったんです。

―そうやって音楽を楽しめるようになるのに、なにか特別な要因ってあったんですか?

青木:子どもができた影響は大きいと思います。自分では聴かないような音楽も、子どもに聴かせたりしていたので。それで3年前ぐらいからトラックを作るようになったら、やっぱり音楽が楽しくなって、メンバーに電話をした次第です(笑)。

―「いつかは活動を再開させたい」っていう気持ちはずっと持っていらっしゃったんですか?

青木:活動休止だったから、必ずいつかはやらないとと思ってました。今回はたまたま僕が「やるか」って声を上げたんですけど、やっぱりすごく集中力が必要なバンドなので、他のメンバーは「やるのか……よし」って気合いを入れ直す感じはあったと思いますね。(活動休止以降)みんな伸び伸び生きてたと思うから(笑)。

―音楽から離れていた時期は、主になにをされていたんですか?

青木:アパレルや飲食店、空間デザインをやったりしてましたね。「なんでバンドを活動休止にしたか」っていう話にもつながるんですけど、他にやりたいことがいっぱいあったのに、音楽しかできない自分がすごく嫌で。アパレルはdownyをやりながら始めてたんですけど、両方できるほど自分は器用じゃなかったし、当時は「俺ぐらいはdownyのことをずっと考えてないといけない」っていうのもあって、その集中力が切れてしまったということかもしれないです。

―それで、音楽以外のやりたかったことを始めたと。

青木:音楽ってホントはなくてもいいっていうか、生きるのに必要な「衣食住」には入ってないじゃないですか? なので、「衣食住」を全部やってから、その上で音楽をもう1回やろうと思ったんです。

―まさに「衣食住」に関わることをすべてやられていたんですね。

青木:そうなんですよ。それをやって、やっと音楽ができるようになりました(笑)。今も音楽以外にやりたいことはいっぱいあるんですけど、ちゃんと計画性を持って、自分の体力と向き合って考えられるようになったので、並行してできることをやろうと思ってます。あとは単純に、昔よりちゃんと人とお付き合いできるようになりましたし(笑)。

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イベント情報

downy
『或る日の暁』ツアー

2013年12月13日(金)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:大阪府 梅田 Shangri-La

2013年12月18日(水)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:東京都 渋谷 WWW

料金:各公演 前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)
※両公演ともチケットは完売

リリース情報

downy<br>
『(無題)』(CD)
downy
『(無題)』(CD)

2013年11月20日発売
価格:2,625円(税込)
felicity cap-184 / PECF-1081

1. 「   」
2. 赫灼セルロイド
3. 曦ヲ見ヨ!
4. 下弦の月
5. 時雨前
6. 黒
7. 春と修羅
8. 雨の犬
9. 燦
10. 或る夜
11. 椿

プロフィール

downy(だうにー)

2000年4月結成。青木ロビン、青木裕、仲俣和宏、秋山タカヒコに加え映像担当のメンバー・石榴が在籍するという、特異な形態をとる5人編成のロック・バンド。音楽と映像をセッションにより同期、融合させたライブスタイルの先駆け的存在とされ、独創的、革新的な音響空間を創り上げ、視聴覚に訴えかけるライブを演出。ミュージックビデオの制作、プロデュースもメンバーが手掛け、世界最大級のデジタル・フィルム・フェスティバルRESFESTに於いても高い評価を得る。日本に於けるポストロックの走りともされている。現在までに、4枚のオリジナルアルバムをリリース。2004年活動休止以来、メンバー各々の活動は更に多岐にわたり、現在も猶、国内外のアーティストからの指示も高く、注目度も高い。2013年、9年ぶりに活動再開。2013年11月20日、第5作品集『無題』がリリースされる。

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