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四畳半時代の悔しさをバネにして johannインタビュー

四畳半時代の悔しさをバネにして johannインタビュー

インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:豊島望
2013/12/18

音楽が価値のあるものであり続けることが、音楽の作り手と聴き手のいい関係を作ると思う。

―バンドを続けていくことに悩んだ時期もあったと思うのですが、何か転機となった出会いはありましたか?

佐藤:バイオリニストの中西俊博さんとセッションしたことですかね。友人の紹介で中西さんのコンサートを手伝ったことがあるんですけど、そのときに中西さんが僕にすごく興味を持ってくれて。「ギタリストなんでしょ? どんな音楽やってるの?」って。それで聴いてもらったら、「すごいね、天才だ。でも日本じゃ売れないね」って言われました(笑)。それで自宅のスタジオにお呼ばれしてセッションをしたんです。

佐藤竜市(johann)

―どんなところに影響を受けたのでしょう?

佐藤:そのときの体験も大きかったんですけど、コンサートのリハーサルを2、3時間やってることを知ったんですよね。僕らはまだライブハウスで15分くらいしかリハの時間を持っていないんですよね。でも、お客さんがお金を払って観に来てくれているわけだから、もう少し余裕を持って準備したいなと改めて思って。だから、なるべく早くワンマンをやれるようになって、そういう準備時間をしっかりとれるようなやり方をしていきたいですし、今でも自分の企画イベントではバンド数を少なめにしてリハの時間を長くとったりしているんです。

―バンド活動にクラウドファンディングを導入したのも、そういった現状の活動に対する問題意識から?

佐藤:それはありますね。クラウドファンディングは去年の暮れに知ったんですけど、調べてみたらサービスもいろいろあるし、海外では一般的になりつつありますよね。これは、音楽の本来あるべき姿なんじゃないかなって思ったんです。

―いわゆる「パトロン」が、自分の見込んだ才能に投資するっていうことですもんね。

佐藤:そうですね。実際に僕たちが使った「CAMPFIRE」でもパトロンという言葉を使っていますし。例えばライブをやってても一向に収益が上がらなかったり、それで思うように活動ができなかったりっていう悪循環にハマっているバンドってたくさんいると思うんですよ。それってすごくしんどいことで、どれだけバンドを真剣にやってても、具体的な結果を出してないと「遊んでる」っていうふうにしか思われないことも多くて。

―そういう見られ方をされてしまうと、作り手としてもいいものを生み出そうとしたときに、プレッシャーに感じてしまいますよね。

佐藤:自分ももともと生活のために居酒屋で働いていたんですけど、ずっとそれを言われ続けて、何も言い返せなくて、本当に悔しかったんですよね。でも、実際に「CAMPFIRE」でリスナーの方に資金の援助を呼びかけたら、思っていた以上に集まったことが本当に嬉しくて、力になったんです。だから、クラウドファンディングというシステムで少しでも音楽を作る人と聴く人の関係性が深まっていけばいいなと思っています。もっとバンドやっている人にその存在を知ってもらえたらいいなと思いますね。

佐藤竜市(johann)

―お話を聞いていると、佐藤さんはとても熱いハートを内に秘めているし、常にファンを楽しませよう、驚かせようということを考えている人なんだなと思いました。今後の展望はいかがでしょう?

佐藤:今は、とある新しいメディア媒体によるリリースに興味があって。友達と好きな音楽を交換できるイヤホンプラグ型ガジェットなんですけど、まるでCDの交換をするみたいな感じで音楽を貸し借りできるんですね。すでに海外のあるバンドが、これを使ってアルバムをリリースすることを発表しているみたいです。

―音楽自体のクオリティーだけではなく、楽しみ方自体の提案もしていきたいということでしょうか。

佐藤:そうですね。闇雲に新しいことをしたいわけじゃなくて、単にファイルのやりとりでは感じられない、アナログならではのワクワク感がちょっとでも戻ってきたらいいなって思っているんですよね。音楽が価値のあるものであり続けることが、音楽の作り手と聴き手のいい関係を作ると思うんです。「昔は良かった」って懐かしむのではなく、そのための方法を常に模索していきたいですね。

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リリース情報

johann<br>
『Haiku Days』(CD)
johann
『Haiku Days』(CD)

2013年12月18日発売
価格:1,680円(税込)
TTPM-001

1. japanese wabi sabi tatami pride
2. koyuki
3. haiku days tanka poetry
4. 葉月のクジラ
5. 輝く街
6. oyasuminasai

プロフィール

johann(よはん)

2008年結成のツインドラムインストロックバンド。「TOKYO JAPANESE “WABI SABI”TATAMI PRIDE」という謳い文句を掲げ世界に通じるサウンドを掻き鳴らし続けている。まるで野獣の咆哮のような爆音で郷愁感漂うギターと、ツインドラムとベースから生み出される強靭なグルーヴでオーディエンスをjohannの世界の虜にさせている。まさに今ライブを体感するべきの男性5人組。

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