特集 PR

ニコ動文化の今までとこれから DECO*27インタビュー

ニコ動文化の今までとこれから DECO*27インタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人
2014/03/25

DECO*27がニコ動に帰ってきた。昨年末に行われたベストアルバム『DECO*27 VOCALOID COLLECTION 2008~2012』発表時のインタビューでは、音楽への情熱を失いかけ、一時はDECO*27としての活動をやめることも考えたと告白してくれたが、その後初音ミクの魔法に導かれるかのように音楽に対するモチベーションを取り戻すと、9月に公開した“妄想税”を皮切りに、ボーカロイド曲を月1のペースで公開。その集大成とも言うべき、全編初音ミクによるアルバム『Conti New』が遂に完成した。ボーカロイドでの曲作りを心から楽しんでいることが音そのものからはっきりと伝わってくる、理想的なカムバックアルバムである。

アンダーグラウンドから形成された刺激的なシーンに人が集まり、資本が投入され、徐々にシーンの魅力が薄れていく。それはさまざまな場面でこれまでに何度となく繰り返されてきたことであり、文化として成熟するために重要なのは、まさにそこから先。ニコ動文化そのものが大きく盛り上がりを見せた2009年から2010年ごろへのオマージュが多数含まれている『Conti New』は、どこか当時の自由な空気をもう一度呼び起こそうとしているかのようである。『Conti New』というそのタイトルは、「新しいアカウント(Contiはイタリア語で「アカウント」)」と同時に、「継続(=continue)」を表しているが、過去を踏襲しながら、新しいものを生み出していく姿勢というのは、今まさにニコ動で求められていることなのではないかと思う。

2009年から2010年ぐらいがボーカロイド文化として一番楽しい時期だったと思うし、一番盛り上がってたと思うんです。

―『Conti New』はとにかく自由に楽しんで作ったんだろうなっていう感じが伝わってくるアルバムでした。ニヤニヤしながら作ってたんじゃないかなって(笑)。

DECO*27:まさにその通りで(笑)。今までのアルバムの中で、一番楽しく作れましたね。ボーカロイド曲を1年半ぐらい作っていなかったので、気づかないうちに色々アイデアがたまってたんだと思うんですけど、“妄想税”を作ったことで栓が外れたようにいろんなタイプの曲が出てくるようになりました。

―“妄想税”以降は月1で曲をアップしていて、Twitterでも「曲をアップするペースが2009年のころみたいで非常に懐かしいです」ってつぶやいてましたよね。

DECO*27:2009年から2010年ぐらいがボーカロイド文化として一番楽しい時期だったと思うし、一番盛り上がってたと思うんです。その中にちょうど自分がいられたのは幸せなことだし、楽しかったから、曲をアップするペースも攻めてたのかなって。だから今、もう一度その場に戻ってきても、やっぱり楽しいっていう気持ちは変わらなかったし、それがペースにも反映されてるのかなって思います。

―2月に公開された“おじゃま虫”は、2009年に公開された“キミ以上、ボク未満。”のオマージュになっていたし、今回の作品はあの時代を意識した作品だと言えそうですよね。


DECO*27:そうですね。1月にアップした“毒占欲”が歌詞含めいろいろ攻めすぎたので(笑)、新しいことをやりつつも、要所要所で懐かしいDECO*27も差し込んでいきたいっていう気持ちがあって。“おじゃま虫”はホントに、“キミ以上、ボク未満。”とか“愛言葉”(ともに2009年アップ)とか、そのあたりの可愛らしいサウンドを目指して作りました。

―まあ、“おじゃま虫”もある意味攻めてますけどね(笑)。

DECO*27:おっぱいの歌ですからね(笑)。

―「ぱふぱふにゃーにゃー」だもん、ホント自由だよね(笑)。つまりは、2009年とかの方が今より自由度が高かったっていうことでもあるのかな?

DECO*27:自由度の高さ……確かにあったかもしれないですね。今はアップされる曲の音楽性がわりと固定されてるような気はして、ロックが多い印象ですね。それこそ2009年とか2010年に伸びた人たち、wowakaさん(バンド「ヒトリエ」の主宰・ギターボーカル)とか、ハチくん(米津玄師として2013年にメジャーデビュー)の流れを受けてっていうことだと思うんですけど。

Page 1
次へ

リリース情報

DECO*27<br>
『Conti New』(CD+DVD)
{DECO*27
『Conti New』(CD+DVD)

2014年3月26日(水)発売
価格:3,000円(税込)
UMA-9033-9034

[CD]
1. ストリーミングハート feat. 初音ミク
2. おじゃま虫feat. 初音ミク
3. 毒占欲feat. 初音ミク
4. Lonely Shit feat. 初音ミク
5. Starlight Girl feat. 初音ミク
6. たんこぶベイベfeat. 初音ミク
7. 大掃除feat. 初音ミク
8. 音偽バナシfeat. 初音ミク
9. アンチビートfeat. 初音ミク
10. 妄想税feat. 初音ミク
11. an feat. 初音ミク
12. 8月31日feat. 初音ミク
[DVD]
1. 「妄想税 feat. 初音ミク」MV
2. 「音偽バナシ feat. 初音ミク」MV
3. 「愛迷エレジー feat. 初音ミク」MV
4. 「大掃除 feat. 初音ミク」 MV
5. 「毒占欲 feat. 初音ミク」MV

プロフィール

DECO*27(でこ にーな)

福岡生まれ、男性。レフティスタイルでキターを奏で、作詞、作曲を手掛ける27歳のアーティスト/プロデューサー。ロックをベースにフォークからエレクロニックミュージックまでを柔軟に吸収したサウンドと印象に残るメロディー、等身大の感情をリアルに、かつ絶妙な言葉遊びを用いて描かれた歌詞が若い世代から絶大な支持を得ている。2013年9月には1年8カ月ぶりとなる新作ボーカロイド曲「妄想税」を発表。活動5周年を迎えたメモリアルイヤーである2013年、自身初となるボーカロイド・ベストアルバムをU/M/A/Aよりリリース。2014年3月には4thアルバム『Conti New(コンティニュー)』をリリースする。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

岩井勇気(ハライチ)『ひねくれとか言われても俺はただ自分が進みたい道を選んでるだけ』

ドリームマッチでの『醤油の魔人 塩の魔人』、ラジオで突如披露した推しキャラケロッピをテーマにしたEDM調楽曲『ダメダメケロッピ』など、音楽的な才能に注目が集まる岩井勇気。今回はミツカン「こなべっち」とタッグを組み、自らがマイクを取ってラップに挑戦。しかもこの動画、岩井がこれまでラジオや書籍の中で言及してきた、珪藻土のバスマットや、海苔、メゾネットタイプの部屋、クラウス・ノミなどのネタが詰まっていて、まさか岩井さんの自宅なのでは……? と隅々まで見てしまう。つぎはぜひ、自作のトラックとリリックによる曲が披露されることを待っています。(川浦)

  1. 荘子itが執筆 『スパイの妻』の「軽さ」が持つ倫理的な意味とは 1

    荘子itが執筆 『スパイの妻』の「軽さ」が持つ倫理的な意味とは

  2. あがた森魚が引退を発表、渋谷CLUB QUATTROで100人限定ワンマンライブ開催 2

    あがた森魚が引退を発表、渋谷CLUB QUATTROで100人限定ワンマンライブ開催

  3. 曽我部恵一と語る、個に還れない時代のリアル 人はなぜ踊るのか? 3

    曽我部恵一と語る、個に還れない時代のリアル 人はなぜ踊るのか?

  4. 山崎賢人&土屋太鳳W主演 Netflix『今際の国のアリス』場面写真公開 4

    山崎賢人&土屋太鳳W主演 Netflix『今際の国のアリス』場面写真公開

  5. 『ハリー・ポッターと賢者の石』初の3D上映が全国の4D劇場82館で実施 5

    『ハリー・ポッターと賢者の石』初の3D上映が全国の4D劇場82館で実施

  6. 星野源、長谷川博己、新田真剣佑、橋本環奈、浜辺美波が先生役 ドコモ新CM 6

    星野源、長谷川博己、新田真剣佑、橋本環奈、浜辺美波が先生役 ドコモ新CM

  7. のん×橋本愛が7年ぶり共演『私をくいとめて』予告編&ビジュアル公開 7

    のん×橋本愛が7年ぶり共演『私をくいとめて』予告編&ビジュアル公開

  8. 表層的なのは嫌。市川渚が重んじる本質と、こだわり抜かれた生活 8

    表層的なのは嫌。市川渚が重んじる本質と、こだわり抜かれた生活

  9. シム・ウンギョンが日本映画に挑戦したわけ。韓国人気女優の素顔 9

    シム・ウンギョンが日本映画に挑戦したわけ。韓国人気女優の素顔

  10. 『アングスト/不安』の怖さ。殺人が論理的答えとして導き出される 10

    『アングスト/不安』の怖さ。殺人が論理的答えとして導き出される