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日本のゲットーが生んだラッパーANARCHY、貧しさからの学び

日本のゲットーが生んだラッパーANARCHY、貧しさからの学び

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人
2014/07/02

その人にしか歌えないこととか、その人の口から出るから重たくなる言葉もあると思うんですよ。その自己表現がアートであって、そこにたどり着いた子たちはイケてる。

―そうやって自分が父親を見て育ったように、今度は自分が父親の側に立って、若い人を導きたいと思うようになったのでしょうか?

ANARCHY:そこは勝手にそう思ってほしいというか、道しるべになれたらいいなとは思うんですけど、「ANARCHYになれ」って言うつもりはないです。

―ANARCHYを見て、それをきっかけに、そいつ自身がやるべきこと、やれることをやってほしいということですよね。

ANARCHY:もちろん。その人にしか歌えないこととか、その人の口から出るから重たくなる言葉もあると思うんですよ。その自己表現がアートであって、そこにたどり着いた子たちは、10代だろうが20代だろうがイケてる。「自分がある」ってことやから。

ANARCHY

―アルバムのラストの“Good Day”に参加してるJESSEさんとは、10代の頃からの知り合いだそうですが、それこそJESSEさんは10代の頃からイケてたんでしょうね。

ANARCHY:今でもイケてるし、本物ですよね。この曲は、アルバムとしてモヤモヤして終わるよりも、最後はハッピーに、スカッとして終わりたかったんで、とにかく気持ちいい曲を作りたいってJESSEに言って作ったんです。とにかく気持ちいい瞬間って、みんなあるじゃないですか? 何もいらない、最高の瞬間。ゲットー育ちのこんなやつでも、そういう瞬間があるっていうメッセージでもありますね。

今ってかわいい女の子はいっぱいいるのに、かっこいい男の子は少ないなって思う。もっとかっこつけて、女の子をエスコートできる男が増えたら、すべてが良くなっていくと思う。

―ANARCHYさんは3年前ぐらいに東京に出てきたそうですが、いろんな考え方に変化があったのは、東京に出てきたことも影響していると言えますか?

ANARCHY:あると思います。刺激を求めまくって生きてるんで、地元にも飽きたなって思って。もちろん仲間やファミリーが大事なのは変わらないですけど、こっちにしかない刺激っていうのもいっぱいあるんで、今はそれを楽しんでる感じですね。

―「YANKEE」っていう言葉は語源として「移民」の意味もあるから、東京に来たことだったり、メジャーに来たことだったり、『NEW YANKEE』っていうタイトルには、常に変化し続けてるっていう意味もあるのかなって思ったんですよね。

ANARCHY:いいっすね、それ(笑)。そういう意味があるってことも知らなかったけど、そういうことかもしれないですね。まあ、「男の子ならかっこよく生きろよ」っていう、そのメッセージが一番大きいですけど。

―ANARCHYさんの思う理想的な「NEW YANKEE像」っていうのは、どういうものなんでしょう?

ANARCHY:何をかっこいいと思うかは人それぞれですけど、そのかっこいいと思うことを貫く姿勢、突っ張ってる部分、かっこつけてる部分が大事だと思うんです。今ってかわいい女の子はいっぱいいるのに、かっこいい男の子は少ないなって思うんですよ。男の方が遅れをとってるから、ちょっと煽らなマズイなって。もっとかっこつけて、女の子をエスコートできる男が増えたら、クラブシーンとかヒップホップシーンとか、すべてが良くなっていくと思うんですよ。

ANARCHY

ANARCHY

日本のヒップホップシーンは、一時期きついときもあったと思うんですけど、今は復活してきてて、レベル的にはすごく高くなってる。生活の一部って言えるようなところまで持って行きたいです。

―最初に「今またヒップホップが盛り上がってきてる」という話もありましたが、今のヒップホップシーンをどう見ていますか?

ANARCHY:簡単にCDとか作れるようになった分、「こんなん売ったらあかんよ」っていう軽いもんもいっぱい出ちゃってるし、一時期きついときもあったと思うんですけど、今は復活してきてて、レベル的にはすごく高くなってると思います。シーン自体ももっと良くなると思うし、これからもっと若いやつにチャンスを与えて、日本中を動かさなきゃダメかなって思うんですよ。そうじゃないと変わんない。それはレゲエでもロックでもパンクでも、なんでもそうだと思うんです。

―「シーンをここまで持って行きたい」というような、目標はありますか?

ANARCHY:ヒップホップとかラップって、アメリカではまさに生活の一部になってる音楽なんですよ。もちろんアメリカで生まれたものやからっていうのはあるんですけど。日本もラップを聴ける耳はできてきてると思うから、生活の一部って言えるようなところまで持って行きたいです。アメリカ行ってライブを見てると、一体感がすごいんですよ。ゲットーのやつらの気持ちを歌ってるラッパーのことを自分たちの代表として見て、熱くなって盛り上がってる。あの感じが、俺はこの国でもそろそろできると思うんですよ。そのための突破口を開いて、より広い範囲の人にそれを届けたいなって、今は思ってます。

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リリース情報

ANARCHY<br>
『NEW YANKEE』初回生産限定盤(CD+DVD)
ANARCHY
『NEW YANKEE』初回生産限定盤(CD+DVD)

2014年7月2日(水)発売
価格:4,104円(税込)
AVCD-38905/B

[CD]
1. The Theme(prod by YGSP)
2. Energy Drink(prod by AVA1ANCHE)
3. Shake Dat Ass feat. AISHA(prod by Habanero Posse)
4. VVVIP feat. VERBAL(prod by Major Dude)
5. Moon Child feat. KOHH(prod by Mally the Martian)
6. Spiral(prod by BACH LOGIC)
7. Cry(prod by Blast Off Productions)
8. Love Song feat. AISHA(Prod by 理貴)
9. Right Here(prod by John Fontein)
10. Good Day feat. JESSE(prod by 理貴)
[DVD]
1. “Right Here”Music Video
2. “Right Here”Studio Recording
3. “Right Here”Music Video Shooting
4. “Energy Drink”Music Video(Live Version)
※文庫本『痛みの作文』付

ANARCHY<br>
『NEW YANKEE』(CD+DVD)
ANARCHY
『NEW YANKEE』(CD+DVD)

2014年7月2日(水)発売
価格:3,600円(税込)
AVCD-38906/B

[CD]
1. The Theme(prod by YGSP)
2. Energy Drink(prod by AVA1ANCHE)
3. Shake Dat Ass feat. AISHA(prod by Habanero Posse)
4. VVVIP feat. VERBAL(prod by Major Dude)
5. Moon Child feat. KOHH(prod by Mally the Martian)
6. Spiral(prod by BACH LOGIC)
7. Cry(prod by Blast Off Productions)
8. Love Song feat. AISHA(Prod by 理貴)
9. Right Here(prod by John Fontein)
10. Good Day feat. JESSE(prod by 理貴)
[DVD]
1. “Right Here”Music Video
2. “Right Here”Studio Recording
3. “Right Here”Music Video Shooting
4. “Energy Drink”Music Video(Live Version)

ANARCHY<br>
『NEW YANKEE』(CD)
ANARCHY
『NEW YANKEE』(CD)

2014年7月2日(水)発売
価格:3,024円(税込)
AVCD-38907

1. The Theme(prod by YGSP)
2. Energy Drink(prod by AVA1ANCHE)
3. Shake Dat Ass feat. AISHA(prod by Habanero Posse)
4. VVVIP feat. VERBAL(prod by Major Dude)
5. Moon Child feat. KOHH(prod by Mally the Martian)
6. Spiral(prod by BACH LOGIC)
7. Cry(prod by Blast Off Productions)
8. Love Song feat. AISHA(Prod by 理貴)
9. Right Here(prod by John Fontein)
10. Good Day feat. JESSE(prod by 理貴)

作品情報

『DANCHI NO YUME』

2014年7月5日(土)から渋谷アップリンクで公開
監督:サム・コール&ジョナサン・ターナー
出演:
ANARCHY
RYUZO
RUFF NECK
ほか

プロフィール

ANARCHY(あなーきー)

1995年、ラッパーとしての活動開始。2000年には、JC、NAUGHTY、YOUNG BERY、DJ AKIOと共にRUFF NECKを結成し注目を集める。交流のあった名古屋アンダーグラウンドのラッパーや全国区プロデューサーへの客演をこなし、一躍大物ルーキーと呼ばれるように。2006年、1stアルバム『Rob The World』をリリース。インディー発のファースト・アルバムとしては異例の好セールスを記録し、『ミュージック・マガジン』、『Riddim』誌などで“年間ベスト・アルバム"に選出される。2008年、若手ラッパーとしては異例の自伝「痛みの作文」(ポプラ社)を出版。待望の2ndアルバム『Dream and Drama』をリリース。2011年、King Of Diggin'ことMuroとのコラボにて3rdアルバム『Diggin'Anarchy』をリリース。2012年、RUFF NECKとして初のアルバム『RUFF TREATMENT』をリリース。2013年、4thアルバムとなる「DGKA(Dirty Ghetto King Anarchy)」をフリー・ダウンロードでリリース。2014年1月1日、avexからのメジャーデビューを発表。7月2日、メジャーデビューアルバム「NEW YANKEE」をリリース。

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