インタビュー

長く愛される作品のレシピとは? Curly Giraffe×堀江博久対談

長く愛される作品のレシピとは? Curly Giraffe×堀江博久対談

インタビュー・テキスト
小野田雄
撮影:豊島望

作曲から演奏、録音、そしてアートワークのデザインまで、そのほとんどを自ら手掛けるホームグロウンスタイルの作品が着実な広がりを見せているCurly Giraffe。初のメジャーリリースとなった前作『FLEHMEN』から約2年半ぶりとなる通算6作目のアルバム『Fancy』は、彼のルーツである1970年代ポップスやウェストコーストロックを土台に、その作風が自由に伸び、広がっていくさまをカラフルなサウンドスケープを通じて見事に描き出したマスターピースだ。

この作品の2曲には、Curly Giraffeの盟友にして、日本を代表する鍵盤奏者、堀江博久が参加。彼もまた、昨年から今年にかけて、アルバム『At Grand Gallery』やシングル『Back To Back』をリリースし、ソロ活動を活発化させているが、長きにわたる音楽キャリアを通じて育まれた独自の音楽世界を軽やかに響かせる彼らの対談を通じて、アイデアやイメージをいかに形にするか、そのクリエイションの極意に迫った。

ここ数年、音とアートワークの関係性が失われているように感じるんですけど、Curly Giraffeには、毎回、ジャケットを見て、ワクワクさせられるんです。(堀江)

―お二人は出会ってから、かなり長いお付き合いになるんですよね?

堀江:18年かな。

Curly Giraffe(以下、C):いや、19年だよ。1994年に僕がベースを弾いてたGREAT3とPLAGUESが対バンして、PLAGUESで堀江くんがキーボードを弾いてるのを見たのが最初でしょ?

堀江:高円寺のShow Boatか。そのとき、俺は「25」って書かれたTシャツを着てた。

左から:Curly Giraffe、堀江博久
左から:Curly Giraffe、堀江博久

C:25歳ということでね。覚えてるよ(笑)。それでGREAT3のファーストアルバム(95年リリースの『Richmond High』)に参加してもらったのが、絡みとしては最初だよね。その後、95年から98年までGREAT3の作品やライブに参加してもらって、しばらく会わない時期も挟みつつ、2002年に堀江くんが参加したLOVE PSYCHEDELICOに僕も誘われて、久々に一緒に音を出すようになった。

堀江:LOVE PSYCHEDELICOのバンドは今も続いているし、2005年にはBONNIE PINKのサポートでアメリカにも行ったよね?

C:行ったね。で、その直後からCurly Giraffeの活動が始まって、堀江くんには07年からライブのときに弾いてもらってるし、あとはCoccoとか、Caravanとか。それからここ最近は高橋幸宏さんのバンド、In Phaseも一緒にやってるよね。

―親交が厚い堀江さんは、Curly Giraffeの今回のアルバム『Fancy』を聴かれて、どう思われましたか?

堀江:この取材の前に聴かなきゃと思って、今朝初めてひと通り聴いてきたんですけど……朝に合うアルバムだな、と(笑)。というのは冗談ですけど、実は彼がこのアルバムの作業をしている最中に僕の家へ遊びに来てくれて、まだ歌が入るか入らないかという段階の曲をひと通り聴かせてもらったんですよね。


C:今回のアルバムでは“Fake Engagement Ring”と“Road”の2曲で堀江くんに鍵盤で参加してもらったんですけど、「まずは今ある曲を全部聴きたい」ということだったんで、「鍵盤を入れられそうな曲があったら入れて」っていう緩い感じのやり取りがあったんです。そのときに一番褒められたのは、曲じゃなくて、ちょうど同時期に作っていたアートワークだったんですよ(笑)。

Curly Giraffe『Fancy』ジャケット
Curly Giraffe『Fancy』ジャケット

―Curly Giraffeのアートワークは、かつてデザイナーでもあったご本人が毎回手掛けられているんですもんね。

堀江:そう。それでアートワークを見ながら、音を聴かせてもらったんですけど、そのマッチングが自分のなかでジャストだった。僕はどんなにいい曲だったとしても、ジャケットがよくなかったら、作品は手に取らないし、逆にどんなに内容がひどくても、ジャケットがよかったら、手に取ってみようかなと思うような人間なので。

堀江博久

C:わかる。自分もそういうところがあるんだけど、要はジャケ買いの人っていうことだよね。

堀江:ここ数年、音とアートワークの関係性が失われているように感じるんですけど、Curly Giraffeには、毎回ジャケットを見て、ワクワクさせられるんですよ。

C:今回のアルバムは、前作『FLEHMEN』から2年半空いたわりに、そのあいだ曲を作ってなかったんですね。でも去年、ハワイのマウイ島で、今回のジャケットに使うことになる写真を撮ってから、作品のイメージがちょっとずつ湧いてきたんです。堀江くんが言ってたように、僕もアートワークだったり、バンドの面構えだったり、そういうビジュアル越しに音楽を聴いたりするし、逆に自分が作るときも、ビジュアルイメージが楽曲の創作意欲に繋がったりする。だから、自分にとって、音楽は単なる音ではなく、もっと総合的なものですし、そういう部分で話が通じる堀江くんとは意思の疎通が楽なんですよ。

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イベント情報

Curly Giraffeワンマンライブ

2014年9月13日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京都 渋谷 WWW
出演:Curly Giraffe、名越由貴夫(Gt)、堀江博久(Key,Gt,Mand)、恒岡章(Dr)
料金:5,000円(ドリンク別)

リリース情報

Curly Giraffe<br>
『Fancy』(CD)
Curly Giraffe
『Fancy』(CD)

2014年8月6日(水)発売
価格:3,132円(税込)
VICL-64192

1. Fake Engagement Ring
2. The Two of Us
3. My Beautiful Creature
4. Goodbye My Chocolate
5. Not in a Million Million Years
6. Mosman1974
7. People Are Strangled
8. Strange World
9. Women Are Heroes
10. Road
11. Manassas
12. Blue Ocean (Album mix)

hirohisa HORIE × sugar me<br>
『Shall We Meet In Our Dreams?』(CD)
hirohisa HORIE × sugar me
『Shall We Meet In Our Dreams?』(CD)

発売中
価格:1,800円(税込)

1. sugar me / To Be Alright
2. hirohisa HORIE & sugar me / Shall We Meet In Our Dreams?
3. hirohisa HORIE / Back To Back
4. sugar me / 1,2,3 (Open Reel Ensemble remix)
5. hirohisa HORIE / Back To Back (instrumental)

プロフィール

Curly Giraffe(かーりー じらふ)

1967年生まれ。学生時代からベーシストとして数々のバンドで活躍。美大卒業後、デザイナーとして仕事をするかたわら続けていたバンド活動が忙しくなり、音楽活動に専念。ロッテンハッツ(1994年に解散)、GREAT3(2012年に脱退)としてバンドでメジャーデビュー後も、ベーシストとしてのサポート、プロデュースなど多岐に活躍。制作のほとんどすべてを一人でこなすアルバム制作のスタイルとは別に、ライブにおいては永年の仲間たちである凄腕の曲者たちとともにセッションを繰り広げ各地のフェス等で観客を沸かしている。

堀江博久(ほりえ ひろひさ)

1970年生まれ。鍵盤弾き。多摩美術大学卒業後、20代の頃から、Corneliusを始めとする国内外問わず数多くのアーティストとのセッションを行い、自身が曲を書き、歌うNEIL AND IRAIZAを1995年に結成。最近ではJames Iha、MANNISH BOYS、Caravan、LOVE PSYCHEDELICO、くるり、Coccoたちと音を奏で、一方で、高橋幸宏with In Phase、pupa、the HIATUSなどのバンド活動も行ってきた。フリーランスのキーボーディストとしてだけでなく、プロデューサー、アレンジャーとして様々なアーティストからの絶大な支持を得ている。

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