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演出家・細川徹が飛び込んだ、異例のサンリオミュージカル

演出家・細川徹が飛び込んだ、異例のサンリオミュージカル

インタビュー・テキスト
萩原雄太
撮影:豊島望
2014/07/29

「いったいなぜ……?」と、誰もが耳を疑うであろうニュースが飛び込んできた。大人計画に所属する細川徹は、コントユニット「男子はだまってなさいよ!」を主宰し、シティボーイズのライブやラバーガールの脚本・演出、ドラマ『乾杯戦士アフターV』のシリーズ構成と監督やアニメ『しろくまカフェ』のシリーズ構成などを務めてきた人物。ゆるく、シュールな笑いに全力を傾けてきた彼が今回手がけた作品は、なんと、あの「サンリオピューロランド」のミュージカルショーだ。

2013年には、DE DE MOUSEとホナガヨウコがキキ&ララとコラボレーションしてプロジェクションマッピングショーの音響・演出を手がけるなど、従来の子ども向けのイメージを覆す意欲的な取り組みを見せるサンリオピューロランド。細川が手がけるのは、この7月から1年間にわたって毎日上演される、アニメ『レディジュエルペット』をモチーフにした『レディジュエルペットの魔法のミュージカル“誕生!リトルレディジュエル”』だ。小学生女子を中心に絶大な人気を誇るアニメと、サブカルチャー好きの男女から熱い視線を送られる奇才……この2つが融合し、小ネタに次ぐ小ネタと、メルヘンに対するちょっと斜めな視線、そして<あきらめなければまあまあ夢はかなう>と歌い上げるちょっと変テコだが、ポジティブなエネルギーに満ち溢れた舞台ができあがった。メルヘン×シュール、小学生×サブカルチャーと、まるで水と油のようなこのコラボレーション。作品を完成させたばかりの細川に、その心中を聞いた。

(サンリオピューロランドのショーの演出を頼まれたとき)「他の細川さんと間違っているんじゃないかな」って思いました(笑)。

―これまで多数のコントや喜劇を手がけてきた細川さんが、まさかサンリオピューロランドのキャラクターショーを手がけるなんて……。意外すぎる組み合わせにびっくりしています。

細川:僕もどうしてこうなったのかよくわからないんです(笑)。事務所から連絡が来て「サンリオのショーの話が来たけどやる?」と言われたときには、全然理由がわからなくて、笑うしかなかったんですよね。だって、普通、僕に頼まないじゃないですか? 「他の細川さんと間違っているんじゃないかな」って思ったんですが……(笑)。

細川徹
細川徹

―けれども、人違いではありませんでした(笑)。本人も驚いたこのオファーを、受けてみようと思ったのはなぜでしょうか?

細川:サンリオピューロランドのショーは見たことがなかったのですが、4歳になるうちの娘がちょっと前にサンリオピューロランドに行っていて、「『ジュエルペット』のショーが好き」とはしゃいでいたんです。家でもショーの決め台詞の「アイドルナンバーワン!」という掛け声を真似しながら喜んでいたのもあって、やってもいいかなって思ったんですよ。

―ということは、自分のお子さんのために引き受けたんですね。

細川:それもありますね。普段、僕が手がけている仕事は大人向けですから、あんまり子どもが喜んでくれないんです。以前、『しろくまカフェ』というアニメの脚本をやっていたんですが、それも子どもには不評でした。「シロクマとパンダが出るアニメ見る?」と聞いたところ「見る見る!!」と言って喜んでいたんですが、いざ見始めたら1分くらいで飽きてしまって「アンパンマンがいい!!」って言われてしまった……。まだ、あのアニメの良さがわからない年齢なんですね。

―そんな子どもたちに人気の『レディジュエルペット』をミュージカルとして演出するにあたって、どんなことを考えたんでしょうか?

細川:子どもはキャラクターが好きなので、人間のキャストを出すならその必然がほしいなと考えたんです。そこで、キャラクターがアニメから飛び出してくるという設定にしました。今回、一番苦労したのは会話の間(ま)。キャラクターとダンサーの掛け合いのテンポを通常のショーより早くしたり、笑いの間の作り方には苦労しましたね。

―劇中では、観客の子どもたちがスマートフォンを使って舞台に参加できるように工夫されていますね。

細川:サンリオピューロランドのプロデューサーの佐藤さんから「スマホを連動したショーにしたい」という要望があったんです。スマホは未知の分野だったのですが、できるだけ、子どもたちが舞台に参加していると思えるような形で使おうと思いました。ただ、あまり使いすぎると、ショー自体を見なくなってしまうし、もしかしたら子どもがスマホを投げちゃったりするかも……。子どもたちは想定外の行動が多いから、それを考慮して構成を考えるのが大変でした。

『レディジュエルペットの魔法のミュージカル“誕生!リトルレディジュエル”』 ©2014 SANRIO CO., LTD.
『レディジュエルペットの魔法のミュージカル“誕生!リトルレディジュエル”』 ©2014 SANRIO CO., LTD.

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イベント情報

『レディジュエルペットの魔法のミュージカル“誕生!リトルレディジュエル”』

2014年7月12日(土)から上演
会場:東京都 多摩センター サンリオピューロランド ディスカバリーシアター

脚本・作詞・演出:細川徹
音楽:中西ゆういちろう
映像:大見康裕
振付:夏空李光
声の出演:
齋藤彩夏
井口裕香
平野綾
ささきのぞみ
小林桂子 種田梨沙

プロフィール

細川徹(ほそかわ とおる)

1971年10月15日生まれ、埼玉県出身 脚本家・演出家。大人計画所属。コントユニット「男子はだまってなさいよ!」の主宰として、作・演出を手掛けるほか、シティボーイズライブやラバーガールの作・演出、温水洋一のユニット「O.N.アベックホームラン」などを担当。その他、ドラマ「おじいさん先生 熱闘篇」やアニメ「しろくまカフェ」、DVD「バカ昔ばなし」などを手がけている。

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