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カジヒデキが語る、時代を熱狂させる音楽シーンのスピリット

カジヒデキが語る、時代を熱狂させる音楽シーンのスピリット

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西田香織

カジヒデキの2年ぶり通算14作目のオリジナルアルバム『ICE CREAM MAN』は、その名の通り極上のサマーアルバム! 近年共演の機会が増えている盟友のかせきさいだぁや、渋谷系のクイーンである野宮真貴をはじめ、坂本美雨や小島麻由美、住所不定無職のユリナといった女性ボーカルに、neil & iraizaの二人(松田岳二、堀江博久)やKONCOSの佐藤寛など、幅広い交友関係を反映した豪華ゲスト陣が参加。また本作は、かせきさいだぁが作詞を担当したタイトルトラックをはじめ、昨年末に亡くなった大瀧詠一へのリスペクトが強く感じられる作品でもあり、カジなりの「ナイアガラ」(大瀧が主宰していたレコードレーベル)へのトリビュート作とも言えそうだ。

大瀧詠一や山下達郎、さらには角松敏生といったポップスの作り手が若い年代からの再評価を受け、「シティポップ」という言葉が流行語となる一方で、アイドルや声優が編集的な視点のある楽曲を歌い、渋谷系の流れを汲む作曲家が活躍、カジ自身もかせきさいだぁとのコンビででんぱ組.incに曲提供をするなど、カジが今再び時代のキーパーソンになっていると言っても、決して大げさではないように思う。しかし、それでも決して御大になることはなく、40代後半を迎えた今もフレッシュであり続けているのは、常に国内外の動向に目を光らせる音楽ファンであると同時に、強い反骨精神を内側に秘めているからこそだろう。「ナイアガラ」や「渋谷系」といったキーワードを改めて紐解きつつ、カジヒデキの根底にある精神性へと迫った。

大瀧詠一さんからの影響って実は大きくて、昨年大瀧さんが急に亡くなられたこともあって、ちゃんとリスペクトした曲を作りたいという気持ちがありました。

―『ICE CREAM MAN』は非常に夏らしいアルバムに仕上がっていますね。カジさんはこれまでも季節をテーマにした作品や楽曲をたくさん作られていますが、今回夏のアルバムを作ろうと思ったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

カジ:おそらく最初に思ったのは、今ちょうどワールドカップやってるじゃないですか(取材が行われたのは7月4日)? 去年の2月に『Sweet Swedish Winter』っていう、スウェーデンの冬をテーマにした作品をリリースしたんですけど、今年フルアルバムをリリースするとしたら、ワールドカップの前後ぐらいに出したいなって漠然と考えてたんです。だったら、思いっ切りサマーチューン満載のアルバムがいいなって。特にブラジル大会だし、ちょっとラテンっぽいフレーバーが入ったような作品にしたいと思ってたんですよね。

―なるほど。だから、アー写のバックにナラ・レオン(ブラジル出身のボサノバ歌手)がいるわけですね。

カジヒデキのアーティスト写真
カジヒデキのアーティスト写真

カジ:あ、そう言ってもらえるのは嬉しいんですけど、これはホント偶然だったんです(笑)。

―そうなんですか、てっきり狙いだったのかと(笑)。もちろん、ラテンのフレーバー以外にも、いろいろな夏らしい音楽性の入った作品に仕上がっていますが、かせきさいだぁさんの参加も含め、かつて大瀧詠一さんが主宰していたレーベル「ナイアガラ」というのもひとつのテーマになってると思うんです。

カジ:大瀧詠一さんからの影響って実は大きくて、中一の終わりぐらいにリアルタイムで『A LONG VACATION』(1981年)を聴いて、ものすごく衝撃を受けて。『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』(1982年)もホントに大好きで、自分の中学生時代の夏はそういう音楽に彩られてたんですよね。前から自分のアルバムにはちょっとした大瀧さんテイストを入れていたんですけど、昨年大瀧さんが急に亡くなられたこともあって、ちゃんと大瀧さんをリスペクトした曲を作りたいという気持ちがありました。

カジヒデキ
カジヒデキ

―一般的に言えば、カジさんって海外のインディーポップのイメージが強いと思うんですけど、そのルーツになってるのが、それこそ大瀧さんだったりが海外からの影響を取り入れて、独自の解釈で日本人としての音楽を作っていたことにあるわけですよね。

カジ:そうですね。大瀧さんやはっぴいえんど、YMO、あの辺りの方々はみなさんそういう感じじゃないですか? ただ、10代前半の頃はその影響がすごく大きかったんですけど、高校に入ったら急にパンクが好きになって、日本のいわゆるポップス的なものはある時期まったく聴かなくなったんです。でも、その後にフリッパーズ・ギターが出てきて、「海外のインディーポップをあんな風に消化できるのか!」って、すごくエポックメイキングに感じたんですよね。あとから考えれば、フリッパーズ・ギターも大瀧さんや細野さんがやっていたことの延長線上にあるのかもしれないけど、当時はそういうふうには考えられなくて、とにかく「すごい!」って思ってましたね。

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イベント情報

『Here Comes The Ice Cream Man! Ding! Ding! Ding! Tour
アイスクリーム・マンがやってきた!リン!リン!リン!ツアー』

2014年11月27日(木)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:東京都 渋谷 WWW

2014年12月11日(木)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:大阪府 umeda AKASO

2014年12月12日(金)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

料金:各公演 前売4,000円 当日4,500円(共にドリンク別)

リリース情報

カジヒデキ<br>
『ICE CREAM MAN』(CD)
カジヒデキ
『ICE CREAM MAN』(CD)

2014年8月6日(水)発売
価格:2,800円(税込)
BLUE BOYS CLUB / AWDR/LR2 / DDCB-12070

1. 灼熱少女 / Tropical Girl
2. 続・新しい歌 / JAM & BUTTER SONG
3. アイスクリーム・マン / ICE CREAM MAN
4. そしてライフはつづく / LIFE GOES ON
5. スマイル&ティー / SMILE & TEA
6. 雨降り都市 / Rainy City
7. HEY HEY GIRL! HEY DJ! / HEY HEY GIRL! HEY DJ!
8. ハッピー・マンチェスター / HAPPY MANCHESTER
9. サマーキャンプ / SUMMER CAMP
10. プールサイド・コーリング / POOL SIDE CALLING
11. ブランニュー・ブーツ / BRAND NEW BOOTS AND PANTIES
12. 僕らのスタンドバイミー / LONG LONG HOT SUMMER

プロフィール

カジヒデキ

1967年千葉県出身。96年に『MUSCAT E.P.』でソロデビューした日本を代表するネオ・アコースティック・シンガーソングライター。現在までスウェーデン、イギリス、フランスなど世界各国でレコーディングを行い現地のミュージシャンとも深い親交を持つ。2008年映画『デトロイト・メタル・シティ』の主題歌提供、出演で話題に。数多くのCMソング制作、プロデュース、楽曲提供の活動などなど精力的に活動中。2012年にレーベル「BLUE BOYS CLUB」を立ち上げ精力的に活動中。

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