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カジヒデキが語る、時代を熱狂させる音楽シーンのスピリット

カジヒデキが語る、時代を熱狂させる音楽シーンのスピリット

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西田香織
2014/08/06

“そしてライフはつづく”の感じが今の状況にすごく近いと思ってて、いろんなことがあるけど、ポジティブに考えることが大事だと思ってるんです。

―1991年以降、もちろんいろいろな活動の変遷があったと思うんですけど、その一方で、カジさんの活動には1本の芯が通っているようにも感じられます。ご自身としては、その変わらない部分をどのように捉えていらっしゃいますか?

カジ:音楽的なことで言ったら、ネオアコとかポストパンクとか、10代の頃に刺激を受けたものはずっと変わらず好きですね。ただ単に「ずっと同じものが好き」というよりは、それからいろんなものを知った上で、「でもやっぱりここじゃないか」っていう、そういう感覚があります。

―これは他のインタビューでもおっしゃられてることだと思いますが、カジさんがポストパンクやネオアコをお好きなのって、音楽的な部分もちろん、パンクに対する反骨精神から生まれてるという成り立ちも含めてお好きなんですよね?

カジ:ネオアコが好きなのは、圧倒的にそこが大きいですね。ただ優しいだけの音楽だったら、どこかで飽きてたと思うんですよ。高校生の頃に好きだったパンクはもうオリジナルパンクではなかったとはいえ、80年代の最初の頃ってまだ、やっぱりパンクが反骨精神の象徴だったんですよね。それをモロに浴びてしまったので、どうしてもパンクっていうフィルターを通してものごとを考えちゃうんですよね……それがなかったら、もうちょっと楽に考えられたのかなっていうぐらい(笑)。

カジヒデキ

―それぐらい根深いものだと(笑)。

カジ:僕がソロデビューした頃って、「何でも批判することがいい」みたいな風潮があって(笑)、フリッパーズの二人もそういうスピリットが強かったじゃないですか? そんなに強いキャラクターじゃない僕でさえ「ちょっと批判めいたこと言わないといけないのかな?」っていうのがあって、ソロの最初の頃のインタビューをたまに読み返すと、嫌になるぐらい尖ってたりもして(笑)。そういう反骨精神っていうのは、今でも多かれ少なかれあるのかなっていう気はしますね。

―カジさんにしろ、かせきさんにしろ、アルバムに参加されてる堀江博久さんやチャーベさんにしろ、今の40代のミュージシャンの方はみんなすごく若々しいなって思うんですけど、その背景にはパンクで培われた反骨精神があるのが大きいのかもしれないなって、今話を聞いていて思いました。曽我部恵一さんにしても、「自分の根本はパンク」っていうことをよくおっしゃられてますし。

カジ:パンクの存在はみんな大きかったんじゃないかと思いますね。特に、80年代前半から半ばぐらいのパンクは精神性が強くて、ライブに行くとホント怖かったですからね(笑)。いい意味で緊張感があって、みんなそこでもまれてきたというか、曽我部くんもそういうところありますよね。

カジヒデキ

―根底にあるパンクはもちろん、ナイアガラ、渋谷系、セカンドサマーオブラブと、『ICE CREAM MAN』はカジさんのこれまでがすごく詰まっている作品だと言えそうですね。

カジ:2012年に出したアルバム『BLUE HEART』は、自分でBLUE BOYS CLUBというレーベルを始めて最初の作品だったので、新しいスタートっていう気持ちと、震災にどう向き合うかっていうのがあって。『Sweet Swedish Winter』は明確なテーマ設定があったので、そこに自分のことも込めて書いたんですけど、今回のアルバムはまず、「何を歌うか」っていうのが重要だったんです。夏っていうテーマはあったにしろ、じゃあどんな夏を歌えば今の自分が一番気持ち良く歌えるのか? リアルなことでも、そうじゃないことでも、自分が歌って気持ち良くないことは歌いたくないし、かといって聴いた人に何も響かないのも嫌だし、その着地点を見つけるのに今回すごく悩みましたね。

―さっき「これまでが詰まってる」と言いましたが、“僕らのスタンドバイミー”は過去を振り返りつつも、今に着地してると思うし、“そしてライフはつづく”という曲もあるように、「まだまだこれから続いていくんだ」っていう、そういう感覚を受けました。

カジ:まさに“そしてライフはつづく”の感じが今の状況にすごく近いと思ってて、いろんなことがあるけど、ポジティブに考えることが大事だと思ってるんです。ちょっとしっとりした感じの曲調だから、もうちょっとハッピーな感じでもよかったのかもしれないけど(笑)。“僕らのスタンドバイミー”で91年のことを歌っていても、「あの時代は良かったね」ってことを歌いたいわけではなくて、それぞれの思い出深い夏を振り返る一方で、これから来る夏にワクワクするようなフィーリングを味わってもらいたいっていうのが根底にあって、そこを上手く演出したいと思って作ったアルバムなんですよね。

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イベント情報

『Here Comes The Ice Cream Man! Ding! Ding! Ding! Tour
アイスクリーム・マンがやってきた!リン!リン!リン!ツアー』

2014年11月27日(木)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:東京都 渋谷 WWW

2014年12月11日(木)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:大阪府 umeda AKASO

2014年12月12日(金)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

料金:各公演 前売4,000円 当日4,500円(共にドリンク別)

リリース情報

カジヒデキ<br>
『ICE CREAM MAN』(CD)
カジヒデキ
『ICE CREAM MAN』(CD)

2014年8月6日(水)発売
価格:2,800円(税込)
BLUE BOYS CLUB / AWDR/LR2 / DDCB-12070

1. 灼熱少女 / Tropical Girl
2. 続・新しい歌 / JAM & BUTTER SONG
3. アイスクリーム・マン / ICE CREAM MAN
4. そしてライフはつづく / LIFE GOES ON
5. スマイル&ティー / SMILE & TEA
6. 雨降り都市 / Rainy City
7. HEY HEY GIRL! HEY DJ! / HEY HEY GIRL! HEY DJ!
8. ハッピー・マンチェスター / HAPPY MANCHESTER
9. サマーキャンプ / SUMMER CAMP
10. プールサイド・コーリング / POOL SIDE CALLING
11. ブランニュー・ブーツ / BRAND NEW BOOTS AND PANTIES
12. 僕らのスタンドバイミー / LONG LONG HOT SUMMER

プロフィール

カジヒデキ

1967年千葉県出身。96年に『MUSCAT E.P.』でソロデビューした日本を代表するネオ・アコースティック・シンガーソングライター。現在までスウェーデン、イギリス、フランスなど世界各国でレコーディングを行い現地のミュージシャンとも深い親交を持つ。2008年映画『デトロイト・メタル・シティ』の主題歌提供、出演で話題に。数多くのCMソング制作、プロデュース、楽曲提供の活動などなど精力的に活動中。2012年にレーベル「BLUE BOYS CLUB」を立ち上げ精力的に活動中。

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