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ロックフェスにとっての「成功」とは何か? 茂木洋晃×鹿野淳対談

ロックフェスにとっての「成功」とは何か? 茂木洋晃×鹿野淳対談

インタビュー・テキスト
柴那典
撮影:豊島望

ロックフェスにとっての「成功」とは何か? 国内最大級の『FUJI ROCK FESTIVAL』や『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』『SUMMER SONIC』を筆頭に、いまや日本の風物詩の一つとして根付いてきた音楽フェスティバル。そんな中、地元密着型ロックフェスとして2012年に始まったのが『GUNMA ROCK FESTIVAL』。地元・群馬を拠点に活動を続けてきたバンド「G-FREAK FACTORY」の茂木洋晃が中心となり、「故郷・群馬に愛と誇りを」という思いを掲げて立ち上げたフェスだ。そして、2014年のゴールデンウィークにさいたまスーパーアリーナにて開催された新たなフェス『VIVA LA ROCK』も、過去に『ROCK IN JAPAN FES.』『ROCKS TOKYO』などの立ち上げに関わった音楽雑誌『MUSICA』発行人の鹿野淳が、埼玉発の初の大規模ロックフェスとして定着することを目指してスタートした。

地元に根付き、そこの土地に暮らす人たちの誇りやアイデンティティーの一つとして寄与することを目指す二つのフェス。その主催者である茂木洋晃と鹿野淳に、ロックフェスの意義とあり方について、じっくり語り合ってもらった。

とにかく群馬に住んでいる奴らのコンプレックスを、全部取っ払ってやりたい。そういう気持ちが大きかった。(茂木)

―まず、お二人はどういった経緯で知り合ったんでしょうか?

鹿野:きっかけは10-FEETのTAKUMAだったんです。TAKUMAの心の師匠というのが3人いて、それが斉藤和義さんと、SIONさんと、茂木さんだった。

茂木:ふふふ、ありがとうございます(笑)。

鹿野:音楽ジャーナリストなのに恥ずかしい話なんですけれど、TAKUMAから初めてG-FREAK FACTORYの音源を聴かせてもらって、「あぁ、すごいね」って。聴いているだけで、喉の奥から歌い手の気持ちが全部聴こえてくるような音楽だなと。それで僕がオーガナイザーになって一緒にイベントをやろうという話になって、10-FEETとG-FREAK FACTORYにオファーの電話をかけたんです。

鹿野淳
鹿野淳

茂木:僕はもちろん一方的に鹿野さんを存じ上げてたので、「うわ、鹿野さんと電話で繋がった」ってキャピキャピしてました(笑)。

―そのときには鹿野さんは『ROCKS TOKYO』を開催していたわけですよね。

鹿野:そうです。2010年頃でしたね。

―茂木さんも、当時は既に『GUNMA ROCK FESTIVAL』の前身の『COLOSSEUM』というイベントをやっていた。

茂木:そうですね。あれは2008年に始めたんですけど、僕はずっと群馬に住んでいて、いつも使っている地元のライブハウスのフロアに360°のステージを組んでやったんですよ。普段はフロアとステージを分けて使ってたんですけれど、そのときはドラマーが後ろからお客さんに見られるという形にして。

鹿野:そういうイベントをやったのは、地元でロックバンドの活動がしにくかったからなんですか? それともG-FREAK FACTORYとして地元で旗を立てて、そこからバンドの活動を大きく広げていきたい気持ちがあったんですか?

茂木:両方ありましたけど、どちらかというとバンドを飛び越えたことをやりたいという思いのほうが大きかったです。バンド主体のフェスでもいいんだけれど、それだとバンドがなくなったときにお祭りが終わってしまう。それより僕は地元に根付いた人たちと長く続けていけるものをやりたいなと思って。そこでバンド自体も旗を振りながら、みんなと触れ合いながら、遊んでいけたらいいなと。あとは、やっぱり群馬のライブハウス事情もあまりいい状況ではなかったので……。

茂木洋晃
茂木洋晃

―いい状況ではなかったというと?

茂木:群馬という土地柄のせいか、ツアーを回ってるバンドでもなかなか来ないし、地元のアーティストが育たないんです。そういう状況がずっと続く中で、自分たちは10年以上地元に張り付いてやっていたんですけど、やっぱり足跡みたいなものが何も残せてなかったんです。

―G-FREAK FACTORYは去年に久しぶりにアルバムをリリースしましたが、ライブ自体は地元でずっとやってましたよね。

茂木:そうなんですよ。だから、よく「復活!」とか言われたんですけど、「何を見てるんだお前たちは!」と。

一同:(笑)。

茂木:そう言いたくなるくらい、地元ではちゃんとライブをしていましたね。

―茂木さんは2012年にグリーンドーム前橋で『GUNMA ROCK FESTIVAL』を立ち上げましたが、そのときにはフェスを行うことがバンドにもプラスになるんじゃないかという狙いはありました?

茂木:いや、計画的なものはなかったですね。バンドどうこうよりも、まず、とにかく群馬に住んでいる奴らのコンプレックスを、全部取っ払ってやりたい。そういう気持ちのほうが大きかったです。

鹿野:そこで僕がすごいなって思うのが、あのバカでかいアリーナでやったことなんですよね。だって相当なリスクのあることじゃないですか。

茂木:そりゃもう、大変なリスクですよ(笑)。

『GUNMA ROCK FESTIVAL 2013』会場風景
『GUNMA ROCK FESTIVAL 2013』会場風景

鹿野:あの規模の大きさのフェスをやるというのは、かなりの覚悟が必要だと思うんです。それをミュージシャンの方がやったというのは本当にすごいことだと思う。

茂木:そこは地元の仲間のおかげですね。僕は発案しているだけで、それを実行してくれているのは仲間たちなので。

鹿野:じゃあ、仲間たちからケツを押された感じがある?

茂木:あります。最初の開催のときだって「できるわけないよ、群馬でフェスなんて」と思っていたわけですよ。ライブハウスですらちゃんと整っていないところなので、マイナスからのスタートですよね。でも「やりましょう」って言ってくれる仲間がいたから、やることにしたんです。

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イベント情報

『GUNMA ROCK FESTIVAL 2014』

2014年9月20日(土)OPEN 10:00 / START 11:00
会場:群馬県 前橋 ヤマダグリーンドーム前橋
出演:
ACIDMAN
岩崎有季
OVER ARM THROW
OLEDICKFOGGY
OGRE YOU ASSHOLE
GOOD4NOTHING
サンボマスター
SECRET SERVICE
G-FREAK FACTORY
SiM
SHANK
スチャダラパー
SOIL&"PIMP"SESSIONS
高崎頼政太鼓
dustbox
DJ KENTARO
DJダイノジ
10-FEET
NAMBA69
HAKAIHAYABUSA
バクバクドキン
HAWAIIAN6
秀吉
BOOM BOOM SATELLITES
MOROHA
料金:前売 一般6,900円 ファミリーペア入場券11,000円

『VIVA LA ROCK 2015』

2015年5月3日(土)~5月5日(月・祝)予定
会場:埼玉県 さいたまスーパーアリーナ

書籍情報

『MUSICA9月号 Vol.89』
『MUSICA9月号 Vol.89』

2014年8月21日(木)発売
価格:690円(税込)
発行:株式会社FACT

プロフィール

茂木洋晃(もてき ひろあき)

小学生時代からの腐れ縁の原田季征とともに1997年に地元群馬県にてG-FREAK FACTORYを結成。直後から自主企画「MAD SOUL CONNECTION」を開始。2003年秋に自主レーベル「3TONE east」を立ち上げる。2005年にはメンバー脱退を機にライブ活動を控え、曲作りに専念。2008年に吉橋 伸之(Ba.)と家坂 清太郎(Dr.)が正式にメンバーとして加入。7月には盟友10-FEETの『京都大作戦』に出演。9月にはミックスカルチャーフェス『COLOSSEUM』を群馬県高崎club FLEEZにて開催。翌年2009年9月にも同イベントを開催し大成功におさめる。2012年秋には『GUNMA ROCK FESTIVAL 2012 Powered by COLOSEUM』として更なる発展を遂げたイベントを前橋グリーンドームで開催。2014年にはミニアルバム『fact』をリリース。2014年『GUNMA ROCK FESTIVAL 2014』開催予定。

鹿野淳(しかの あつし)

1964年、東京都生まれ。2007年に音楽専門誌『MUSICA』を創刊。これまでに『ROCKIN'ON JAPAN』、『BUZZ』、サッカー誌『STAR SOCCER』の編集長を歴任。各メディアで自由に音楽を語り注目を集め、音楽メディア人養成学校「音小屋」を開講。2010年には東京初のロックフェス『ROCKS TOKYO』、2014年にはさいたま初の大規模ロックフェス『VIVA LA ROCK』を立ち上げるなど、イベントプロデュースも手がける。

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