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ロックフェスにとっての「成功」とは何か? 茂木洋晃×鹿野淳対談

ロックフェスにとっての「成功」とは何か? 茂木洋晃×鹿野淳対談

インタビュー・テキスト
柴那典
撮影:豊島望

日本でフェスやイベントが増えた背景の一つには、交通機関がフェスに関わって、混乱がないようにプロデュースしていることもあるんです。(鹿野)

鹿野:あと、『GUNMA ROCK FESTIVAL』のいいところは、普段、音楽をやらない場所でやってることなんですよ。

―前橋グリーンドームって、普段は競輪場なんですよね。

茂木:そうです。

鹿野:あそこには競輪のバンクがあって、地面に角度があって、フェスに行き慣れている人でも「え、ここでフェスやるんだ?」っていう異空間な感じがあるんですよ。そこに高揚感もあって、すごくいいなと思った。

『GUNMA ROCK FESTIVAL 2013』会場風景

『GUNMA ROCK FESTIVAL 2013』会場風景
『GUNMA ROCK FESTIVAL 2013』会場風景

―フェスは非日常の空間をどう作るかが大事なんですね。

鹿野:そう。一方、さいたまスーパーアリーナはもともとライブをやるための場所だから、いつものワンマンライブとは違うんだよ、という演出を頑張って作っていく必要がある。

茂木:『VIVA LA ROCK』には僕のやりたいことが、全部ありましたよ。駅から入り口までの工夫一つをとっても細部にわたって配慮されていて、迷子になるくらいデッカい会場なんですけど、「うわ、これは楽しいわ」って思いました。

『VIVA LA ROCK 2014』会場風景 撮影:釘野孝宏、HayachiN ©VIVA LA ROCK 2014 All Rights Reserved.
『VIVA LA ROCK 2014』会場風景 撮影:釘野孝宏、HayachiN ©VIVA LA ROCK 2014 All Rights Reserved.

『VIVA LA ROCK 2014』会場風景 撮影:釘野孝宏、HayachiN ©VIVA LA ROCK 2014 All Rights Reserved.
『VIVA LA ROCK 2014』会場風景 撮影:釘野孝宏、HayachiN ©VIVA LA ROCK 2014 All Rights Reserved.

鹿野:僕らのフェスがラッキーだったのは、駅から会場まで直結していること。そうすると、できるだけ駅に近づいて、フェスの会場を拡張したいって気持ちが出てくるんですよ。

茂木:駅員さんたちも、フェスやイベントに慣れているんですか?

鹿野:そう。日本でフェスやイベントが増えた背景の一つには、交通機関がフェスに関わって、混乱がないようにプロデュースしていることもあるんです。

―フェスを開催するためには、主催者だけじゃなく地元のインフラの協力も必須である、ということですね。

鹿野:そしてそれは、地元と組んでやってるフェスやイベントが地方を中心に出てきたことの成果でもある。例えば『GUNMA ROCK FESTIVAL』って、ホームページやフライヤーを見てみると、ものすごくたくさんの地元のスポンサーが入っていますよね。これは象徴的で、地元でフェスが成功したら、自分たちの文化的価値に繋がるという思いを持った人たちが協力してくれているわけで。こういうフェスが各地でちゃんと成立していったことが今の状況に繋がってるんじゃないかな。

フェスで地元に結果を残せたら、行政の価値基準がひっくり返るだろうなというところまで見えてる。(鹿野)

―茂木さんも、フェスを通して地元の企業やメディアとの繋がりが生まれた経験はありますか?

茂木:動かない山が動く瞬間みたいなものを見たというか、「おお、この企業が」というような喜びはありました。

鹿野:『VIVA LA ROCK』は、まだ地元の団体や企業とは組めてないんですよ。今回、唯一声をかけてくれたのが「メガネフラワー」という、埼玉県では知らない人はいない大規模メガネチェーンなんですけど、そこの人が昔からの僕の読者で声をかけてくれたから今回唯一の協賛になってくれた。その人が「自分みたいに地元で頑張ってる他の企業と横の繋がりがあるから、紹介します。鹿野さん、次回から頑張ってみてください」って言ってくれて、そこは僕がこれから上手くやらなくちゃいけない課題なんです。

―『VIVA LA ROCK』はさいたま市と埼玉県が後援に入っていて、『GUNMA ROCK FESTIVAL』は前橋市が後援に入っている。地元の行政と組んでやっていくというのは、大変なことでもあると思うんですけれども。

茂木:行政に直接働きかけてネゴシエーションするのは別の担当がやってくれているんですけれど、ちょっとずつ理解を示してくれているとは聞いてます。

鹿野:基本的に音を鳴らすイベントって行政的にはリスクがあるんですよね。それよりもB級グルメとか、ゆるキャラ大集合のイベントとかのほうが喜んでくれる傾向にある。

茂木:クレームの対象にならないわけですよね。

鹿野:そう、イベントとして安全だっていう判断があって、それで言うと音楽って最上級クラスに危ないわけです。

茂木:ましてやロックイベントなんてね(笑)。

鹿野:(笑)。でも、僕らも子どもじゃないからそれはよく分かる。そして結果を残せたら、その価値基準がひっくり返るだろうなというところまで見えてる。そこへ向かうプロセスを丁寧に話していくと、案外地元の行政も分かってくれるんです。「フェスをやると経済効果がこれだけあります」とか「地物の食料をこうやってプレゼンしたいんですよ」って話をすると、「こんなことまで考えて音楽フェスをやろうとしているんですか?」っていう話に発展したりする。基本的に「人のためになる」というところで、お互いに共感できるんですよね。

茂木:行政の中にもたまにいるんですよ、侍が。そういう人と早く出会いたいですね。でもやっぱり、前例がないものをとにかく嫌う人が多いので、そこは苦労しますよね。

鹿野:我々は前例のないことをやれればやれるほど嬉しいって思っちゃう側の人間だからね(笑)。

左から:鹿野淳、茂木洋晃

茂木:渋っている人には、会場に1回来てもらうしかないですね。地元がこういうふうに盛り上がってるんですって。そうすると「え!?」ってなる。うちの母ちゃんなんて、具合悪くなっちゃいましたもん(笑)。

一同:(笑)。

茂木:寝込んじゃいました。でも、いいことだと思います(笑)。

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イベント情報

『GUNMA ROCK FESTIVAL 2014』

2014年9月20日(土)OPEN 10:00 / START 11:00
会場:群馬県 前橋 ヤマダグリーンドーム前橋
出演:
ACIDMAN
岩崎有季
OVER ARM THROW
OLEDICKFOGGY
OGRE YOU ASSHOLE
GOOD4NOTHING
サンボマスター
SECRET SERVICE
G-FREAK FACTORY
SiM
SHANK
スチャダラパー
SOIL&"PIMP"SESSIONS
高崎頼政太鼓
dustbox
DJ KENTARO
DJダイノジ
10-FEET
NAMBA69
HAKAIHAYABUSA
バクバクドキン
HAWAIIAN6
秀吉
BOOM BOOM SATELLITES
MOROHA
料金:前売 一般6,900円 ファミリーペア入場券11,000円

『VIVA LA ROCK 2015』

2015年5月3日(土)~5月5日(月・祝)予定
会場:埼玉県 さいたまスーパーアリーナ

書籍情報

『MUSICA9月号 Vol.89』
『MUSICA9月号 Vol.89』

2014年8月21日(木)発売
価格:690円(税込)
発行:株式会社FACT

プロフィール

茂木洋晃(もてき ひろあき)

小学生時代からの腐れ縁の原田季征とともに1997年に地元群馬県にてG-FREAK FACTORYを結成。直後から自主企画「MAD SOUL CONNECTION」を開始。2003年秋に自主レーベル「3TONE east」を立ち上げる。2005年にはメンバー脱退を機にライブ活動を控え、曲作りに専念。2008年に吉橋 伸之(Ba.)と家坂 清太郎(Dr.)が正式にメンバーとして加入。7月には盟友10-FEETの『京都大作戦』に出演。9月にはミックスカルチャーフェス『COLOSSEUM』を群馬県高崎club FLEEZにて開催。翌年2009年9月にも同イベントを開催し大成功におさめる。2012年秋には『GUNMA ROCK FESTIVAL 2012 Powered by COLOSEUM』として更なる発展を遂げたイベントを前橋グリーンドームで開催。2014年にはミニアルバム『fact』をリリース。2014年『GUNMA ROCK FESTIVAL 2014』開催予定。

鹿野淳(しかの あつし)

1964年、東京都生まれ。2007年に音楽専門誌『MUSICA』を創刊。これまでに『ROCKIN'ON JAPAN』、『BUZZ』、サッカー誌『STAR SOCCER』の編集長を歴任。各メディアで自由に音楽を語り注目を集め、音楽メディア人養成学校「音小屋」を開講。2010年には東京初のロックフェス『ROCKS TOKYO』、2014年にはさいたま初の大規模ロックフェス『VIVA LA ROCK』を立ち上げるなど、イベントプロデュースも手がける。

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