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「楽曲制作は再現でしかない」新世代宅録系、Nohtenkigengo

「楽曲制作は再現でしかない」新世代宅録系、Nohtenkigengo

インタビュー・テキスト
渡辺裕也
2014/10/16

作品を作って聴いてもらうことは、実際にやった経験がないので、いい例えなのかどうかわからないですけど、mixiのコミュニティーを作るような感覚なのかもしれません。

―では、その作品を誰かに聴いてもらうことについては、どう考えていますか。

花枝:そうですね……。これは実際にやった経験がないので、いい例えなのかどうかわからないですけど、もしかするとmixiのコミュニティーを作るような感覚なのかもしれません。僕がとある人に影響を受けて、それに似た作品を発表したら、それを僕みたいに好きな人がどこかで聴いてくれるかもしれないし、もしかするとその人と仲良くなれるかもしれない。そういうきっかけを自分で勝手に作っているんです。

花枝明

―なるほど。自分の音楽を通じて、花枝さんは他者とのコミュニケーションを求めているんですね。

花枝:それは少なからずありますね。あと、僕が同時期に聴いている音楽って、年代やジャンルはバラバラなんですけど、どこかで何か共通したものがあると思うんです。でも、その何かはまだ曖昧な状態なので、それを纏める作業がアルバム制作、ということなのかもしれません。

―なるほど。

花枝:そうやって纏まっていないものを形にすれば、その感覚を提示できるようになるから、共有できるようになるじゃないですか。そういう曖昧なものが作品となって、結果的に誰かにいいと言ってもらえたらとても嬉しいですね。「この感じ、わかってくれるんだ!」って。

まさか森は生きているやTaiko Super Kicksのみんなと一緒にバンドをやれるとは思っていませんでした。「自分の好きなバンドの人たちと一緒にやれる!」と思うと、ものすごく救われた気持ちになりましたね。

―では、『Never』に関してはいかがでしょう。今回のアルバムではどんな音楽を参照されているんですか。

花枝:今回は『Real Estate』(アメリカ・ニュージャージー州のインディーロックバンドReal Estate が2009年にリリースしたファーストアルバム)です。それこそトクマルさんの音楽をよく聴いていた頃の僕は、彼が一人で作る世界にものすごく惹かれていたんですけど、最近はそういう世界を自分の音楽にも求めるのが少し虚しくなってしまって。そんなときに聴いていたのが『Real Estate』なんです。この作品には彼らがメンバーの家とかで録っているときの空気感が染み出ていて、そこがいいんですよね。

―なんとなくわかる気がします。きっと『Real Estate』は花枝さんの想像力を掻き立てる作品だったんだろうなって。聴き手の深読みを誘ってくる作品というか。録音物の面白さって、そこが大きいと思いますし。

花枝:まさにそうですね。そういう深読みさせるヒントを与えてくれる作品が、僕は何よりも素晴らしいと感じます。だから、『Real Estate』を聴いていると「俺もこういうことがやりたかったな」っていう気持ちが湧いてきて、どうしようもなくなっちゃうんですよ。

―それはいまの花枝さんがバンド形態に憧れているということ?

花枝:そうかもしれません。どんなに売れていないバンドでも、楽しそうにみんなでツアーしていたりする様子を見ると、「自分にはそういう経験がなかったなあ」と少し寂しくなります。

―花枝さんだって、いいバンド仲間に恵まれているじゃないですか。

花枝:そうですね。森は生きているやTaiko Super Kicksのみんなに出会ったのは、今年に入ってからのことなんですけど、まさか彼らと一緒にやれるとは思っていませんでした。なんか、話しているだけでも、込み上げてきちゃいました(笑)。

―いまのバンドメンバーとはどうやって知り合ったんですか?

花枝:森は生きているの岡田くんとは、Twitterを通じて知り合いました。僕がSoundCloudにアップしている曲を、彼はいくつかお気に入りに登録してくれていて。これは何か意図があるのかなと思って(笑)、とりあえず「一緒に飲もうよ!」という話になりました。

―それはなかなか思い切りましたね(笑)。

花枝:はい。それで、「よかったらサポートしてくれませんか?」とお願いしたら、すぐに「OK!」と返してくれて。Taiko Super Kicksのみんなとも面識はなかったんですけど、ライブを観に行ったらすごくよかったので、Twitterのメッセージでサポートをお願いしてみたら、すぐに返事をくれました。「自分の好きなバンドの人たちと一緒にやれる!」と思うと、ものすごく救われた気持ちになりましたね。

―そんな信頼できる仲間と出会ったことは、花枝さんの音楽にいま、どんな影響を与えていますか?

花枝:信頼はあんまりしないようにしてます(笑)。みんなそれぞれ自分のバンドがあるし、それに僕はどこかで自分を諦めているところがあるので……裏切られたら嫌じゃないですか(笑)。でも、そうやっていろんな人と関わることで確実に自分の音楽にも影響はでてくると思います。次に作る作品は、間違いなくこれまでに作ったものとは違う音楽になるだろうし、すごくいいものになってほしい。いまはそう思います。

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イベント情報

Nohtenkigengo『Never』Release Party!!

2014年12月4日(木)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
Nohtenkigengo
and more
料金:前売2,500円 当日3,000円(共にドリンク別)

Nohtenkigengo『Never』発売記念ライブ in 京都

2014年11月28日(金) OPEN 18:30 / START 19:00
会場:京都府 Live House nano
出演:
Nohtenkigengo
Taiko Super Kicks
and more
料金:前売2,000円 当日2,300円 (共にドリンク別)

リリース情報

Nohtenkigengo<br>
『Never』(CD)
Nohtenkigengo
『Never』(CD)

2014年10月22日(水)発売
価格:2,376円(税込)
kiti / ARTKT-001

1. Long
2. Fever
3. Club
4. Villa
5. Old Car
6. Tennis
7. Video
8. Typhoon
9. Beach Song

CINRA.STOREで取扱中の商品

Nohtenkigengo , 中野友絵<br>
iPhone5/5Sケース「Nohtenkigengo tennis」
Nohtenkigengo , 中野友絵
iPhone5/5Sケース「Nohtenkigengo tennis」

新世代宅録ポップスの新星によるアルバム発売記念オリジナルアイテム

プロフィール

Nohtenkigengo(のうてんきげんご)

新世代宅録ポップスの新星、花枝明によるソロプロジェクト。今作『Never』では、作詞/作曲から、演奏/録音までをすべて一人でこなしている。これまでに『TOI』『VIDEO』の計2枚のEP作品をリリース。CD-RやBandcamp、配信サイト「OTOTOY」などで発表している。人気インディーミュージックブログ「Hi-Hi-Whoopee」から派生した、日本のインディーを取り上げるブログ「10,000 TRACK PROFESSIONAL」でインタビューが掲載されるなど、早くから注目と期待を集めており、トクマルシューゴや森は生きているも賛辞を寄せた注目の新世代アーティスト。ライブ時には現在、森は生きているの岡田拓郎(Gt)のほか、若手注目バンドTaiko Super Kicksの大堀晃生(Ba)と小林希(Dr)がメンバーとして参加している。

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