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永原真夏×ミト対談 不思議と繋がるクラムボンとSEBASTIAN X

永原真夏×ミト対談 不思議と繋がるクラムボンとSEBASTIAN X

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人

CINRAではインディーズ時代からたびたびSEBASTIAN Xの取材をしてきて、ときには活版印刷の工場に見学に行ったり、ときには憧れの人に会いに行ったりと、一緒に遊んできた間柄。そのため、「SEBASTIAN X、メジャーデビュー決定」と吉報を受けたときは、思わず「イェーイ!」と言いたくなるほど、その喜びはひとしおだった。しかも、メジャーデビューシングル『イェーイ』には、プロデューサーとしてクラムボンのミトが参加しているのだから、これはもう「待ってました!」というものだ。メンバーの人数こそ違えども、SEBASTIAN Xとクラムボンは共に鍵盤、ベース、ドラムという楽器編成であり、レコーディングも同じ小淵沢のスタジオを使用。ジャンルにカテゴライズできない音楽性や、アイコンと呼ぶに相応しいフロントマンの存在など、とにかく共通点が多いので、この組み合わせを待ち望んでいた人はきっと多かったはず。しかし、実際に両者が交流を持ったのは今年に入ってからで、しかもきっかけはカバー曲だったというのだから、縁というのは不思議なものだと改めて思う。

もちろん、両者の共通点を並び立てて、「SEBASTIAN Xは2010年代のクラムボンだ!」なんて言うつもりはさらさらない。似ているようで、実は全然違うバンドだということが、また面白いところなのだ。とはいえ、音楽を愛し、信頼して、仲間たちと共に「何か面白いことができないか?」と企て、実行し、それがジワジワと広がってきているような空気感というのも、かつてのクラムボンの登場時を思い起こさせる部分がある。そして、テクノロジーの発達によって、人やデータの行き来がよりスムーズになった結果、小さなコミュニティーから生まれた「ワクワク感」のようなものがより幅広く拡散し、<聞こえるかい?>と呼びかけ合っているような状況に、いまの時代ならではの面白さを感じる。さてさて、前置きはこれぐらいにして、なんともパンクなエンディングに向かって突っ走る、永原真夏とミトの濃厚な対談をお楽しみあれ!

アベノミクスの無希望性と、自衛権の失望感の中、SEBASTIAN Xがカバーした2014年の“スーダラ節”は、一生残るだろうなってぐらいの衝撃だった。(ミト)

―お二人とも小淵沢の同じスタジオ(クラムボンが保有しているスタジオ「none to cat」)で、同じエンジニアさんとお仕事をされていますし、昔から交流はあったわけですか?

永原:いや、初めてお会いしたのは今年の春、自分たちがやっている野外のイベント(『TOKYO春告ジャンボリー2014』)に来ていただいたときが初めてだったんです。

ミト:トリオ編成で歌ってるとか、星野(誠)くんがエンジニアをやってることも知ってたし、真夏ちゃんが二人でやってるユニット(SEBASTIAN Xの工藤歩里とのユニット、音沙汰)をYouTubeで見たら、うちのスタジオを……。

永原:勝手に撮影して(笑)。


ミト:スタジオ紹介PVみたいになってて、ちょっとくすぐったかった(笑)。でも、SEBASTIAN Xの音源自体を聴いたのはホントに最近で、しかも、カバー曲だったんですよ。

永原:“スーダラ節”?

ミト:そうそう、そのインパクトがすごくて、衝撃だったんです。ちょうどアベノミクスを経過して、自衛権の問題が決まるか決まらないかっていう最中に、まさか高度成長期の象徴のような“スーダラ節”を若いバンドがカバーしてるって、あまりにも風刺だなって思って。あのタイミングでやるっていうのは、無意識であろうとも、アンテナがないとやれないし、潜在的なアゲインストを持ってないとやれないよねって知り合いと盛り上がったんですよ。

左から:永原真夏、ミト
左から:永原真夏、ミト

永原:へー!

ミト:バンドとかミュージシャンって、知らない間に時代とリンクしてる人たちがいっぱいいるじゃない? そういう意味で、あの“スーダラ節”は自分の中ですごいトピックだったの。

―実際、“スーダラ節”をカバーしたことには、どんな意図があったのでしょう?

永原:私の周りにはわりと政治的な人も多いんですけど、私たちは「立ち上がろうぜ!」みたいなポーズはとりたがらないタイプなんですね。だから、そのときの社会状況とかは全然意識してなかったんですけど……自分たちのスタンスと確実にリンクする部分はあったんだと思います。カバー自体は大真面目にやりました。「昭和の名曲」みたいな感覚も持ちたくなかったし、「この年齢で、女性で」っていうことを真っ当に表現するために、心の底から“スーダラ節”を歌って、一番いい形で鳴らしたいと思って。

ミト:うちらもカバーをやりますが、選曲の理由は後からついてくるんですよね。やっぱり表現する人って、何かしらあるんですよ。

―勝手に時代の空気とリンクしたりするわけですね。

ミト:うん、そういうアンテナが立ってるんでしょうね。そうやって、普通の人とはちょっと違うことが頭の中で起きている人たちだから、音を鳴らしたり、絵を描いたり、表現をしてるんだと思うんです。その中で、“スーダラ節”を聴いたときに、若くてすごいアンテナを持った人たちがいるんだなって、すごい盛り上がったし、アベノミクスの無希望性と自衛権の失望感の中、徹底的に比較対象とした2014年の“スーダラ節”っていうのは、一生残るだろうなってぐらいの衝撃でした。

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イベント情報

『SEBASTIAN Xワンマンツアー2014』

2014年11月9日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:福岡県 Graf
料金:前売3,000円

2014年11月15日(土)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:愛知県 名古屋 APOLLO BASE
料金:前売3,000円

2014年11月21日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:大阪府 Music Club JANUS
料金:前売3,000円

2014年11月23日(日)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:宮城県 仙台 PARK SQUARE
料金:前売3,000円

2014年11月28日(金)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京都 新大久保 東京キネマ倶楽部
料金:前売3,200円

リリース情報

SEBASTIAN X<br>
『イェーイ』(CD+DVD)
SEBASTIAN X
『イェーイ』(CD+DVD)

2014年10月22日(水)発売
価格:2,160円(税込)
avex / ONECIRCLE / CTCD-20009/B

[CD]
1. イェーイ
2. ラブレターフロム地球
3. スーダラ節
4. ぼくはおばけさ
5. ライダースは22世紀を目指す
6. イェーイ(玉屋2060% HYPER MUSASHINO REMIX)
[DVD]
『SEBASTIAN X ライブベストセレクション 2014春夏』
1.ROSE GARDEN,BABY BLUE
2.光のたてがみ
3.DNA
4.メジャーデビュー発表!
5.ワンダフルワールド
6.GO BACK TO MONSTER
7.サディスティック・カシオペア
8.世界の果てまで連れてって!
9.ヒバリオペラ
※初回生産分のみ紙ジャケット仕様

SEBASTIAN X<br>
『イェーイ』(CD)
SEBASTIAN X
『イェーイ』(CD)

2014年10月22日(水)発売
価格:1,620円(税込)
avex / ONECIRCLE / CTCD-20010

1. イェーイ
2. ラブレターフロム地球
3. スーダラ節
4. ぼくはおばけさ
5. ライダースは22世紀を目指す
6. イェーイ(玉屋2060% HYPER MUSASHINO REMIX)

SEBASTIAN X<br>
『イェーイ』
SEBASTIAN X
『イェーイ』

2014年10月22日(水)発売
価格:1,300円(税込)

1. イェーイ
2. ラブレターフロム地球
3. スーダラ節
4. ぼくはおばけさ
5. ライダースは22世紀を目指す
6. イェーイ(玉屋2060% HYPER MUSASHINO REMIX)
7. デビューのうた(デビュー告知映像ヴァージョン)
※“デビューのうた(デビュー告知映像ヴァージョン)”は10月21日までの予約特典

プロフィール

SEBASTIAN X(せばすちゃん えっくす)

2008年2月結成。永原真夏(Vo)、 工藤歩里(Key)、飯田裕(Ba)、沖山良太(Dr)から成る男女4人組。2009年11月6日に初の全国流通盤となる『ワンダフル・ワールド』をリリース。 その後も2010年8月に 2nd Mini Album『僕らのファンタジー』、2011年10月、1st Full Album『FUTURES』、 2012年7月、3rd Mini Album『ひなぎくと怪獣』、2013年8月に2nd Full『POWER OF NOISE』とコンスタントにリリースを続ける。 独特の切り口と文学性が魅力のVo.永原真夏の歌詞と、ギターレスとは思えないパワフルだけど愛らしい楽曲の世界観が話題に。 ライブパフォーマンスとキャッチーなキャラクターも相俟って、シーンでも一際目立ちまくっている存在になっている。 そして、2014年秋にメジャーデビューすることが決定し、新たな章が幕をあける。

ミト

1975年5月6日生まれ。東京都出身。クラムボンのバンドマスターとして、ベース、ギター、キーボード他を担当。デビュー以来クラムボンの楽曲は、ほぼ全てミトによるものであり、自身のバンド以外にも、楽曲提供・演奏参加、プロデューサー、ミックスエンジニアとして、多くのミュージシャンを手がける。また複数のソロ名義でも多岐にわたり活動しており、2011年には初のmito名義となるソロアルバム『DAWNS』、参加曲を集めた『mito archive 1999-2010』を発売している。来年で結成20周年を迎えるクラムボンのアニバーサリーイヤー企画第1弾として初のMV集『clammbon music V 集』発売、第2弾としてバンドスコア『clammbon GUIDE BOOK』を発売。12月3日にトリビュートアルバムが発売予定。

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